2016年07月18日
クーデターとは?
こちらです。
http://mainichi.jp/articles/20160717/ddm/003/070/083000c
(以下は、コピーです)
タイで20回近く 権力移行の周知カギ
トルコで失敗したクーデターって何?
記者 軍隊や政権(せいけん)の一部の集団が、暴力的(ぼうりょくてき)なやり方で国の権力を奪うことです。フランス語で、直訳(ちょくやく)すると「国家への一撃(いちげき)」という意味です。戦闘(せんとう)が起きずに決着する場合は「無血(むけつ)クーデター」と呼ばれます。
Q よく起こるの?
A 東南アジアのタイでは1932年以来、20回近くも起きました。政治が行き詰まるたびに軍が前に出る歴史があるのです。最近では2014年5月、反政府勢力(はんせいふせいりょく)の大規模デモがきっかけで軍がタクシン派政権を倒しました。
中東(ちゅうとう)のエジプトでも、13年7月に、イスラム組織(そしき)ムスリム同胞団(どうほうだん)出身のモルシ大統領を軍が追い落としました。民主的選挙で選ばれた政権でしたが、強権的(きょうけんてき)な統治手法(とうちしゅほう)や経済の低迷(ていめい)で国民が怒り、軍の背中を押した形です。南太平洋(みなみたいへいよう)のフィジーでは06年に民族間(みんぞくかん)の対立で無血クーデターが起き首相が解任(かいにん)されました。
Q 簡単(かんたん)に成功するの?
A いいえ。行動を起こす軍や、対抗(たいこう)勢力となる警察の掌握(しょうあく)はもちろん、テレビ局などの報道機関(ほうどうきかん)を占拠(せんきょ)して権力の移行を周知徹底(しゅうちてってい)することも必要になります。今回のトルコのような失敗例も多く、戦前の日本で軍の将校(しょうこう)らが起こした「5・15事件」や「2・26事件」も成功しませんでした。
Q 革命(かくめい)とは違うの?
A クーデターは政治や軍を支配(しはい)する人たちの中で権力が移ること。これに対し、革命は支配勢力の外から国の治め方そのものを変えてしまうことです。市民が蜂起(ほうき)して王政(おうせい)を打倒した1789年のフランス革命や、イスラム教最高指導者(さいこうしどうしゃ)の支配体制(たいせい)が確立(かくりつ)された1979年のイラン革命が有名です。
http://mainichi.jp/articles/20160717/ddm/003/070/083000c
(以下は、コピーです)
タイで20回近く 権力移行の周知カギ
トルコで失敗したクーデターって何?
記者 軍隊や政権(せいけん)の一部の集団が、暴力的(ぼうりょくてき)なやり方で国の権力を奪うことです。フランス語で、直訳(ちょくやく)すると「国家への一撃(いちげき)」という意味です。戦闘(せんとう)が起きずに決着する場合は「無血(むけつ)クーデター」と呼ばれます。
Q よく起こるの?
A 東南アジアのタイでは1932年以来、20回近くも起きました。政治が行き詰まるたびに軍が前に出る歴史があるのです。最近では2014年5月、反政府勢力(はんせいふせいりょく)の大規模デモがきっかけで軍がタクシン派政権を倒しました。
中東(ちゅうとう)のエジプトでも、13年7月に、イスラム組織(そしき)ムスリム同胞団(どうほうだん)出身のモルシ大統領を軍が追い落としました。民主的選挙で選ばれた政権でしたが、強権的(きょうけんてき)な統治手法(とうちしゅほう)や経済の低迷(ていめい)で国民が怒り、軍の背中を押した形です。南太平洋(みなみたいへいよう)のフィジーでは06年に民族間(みんぞくかん)の対立で無血クーデターが起き首相が解任(かいにん)されました。
Q 簡単(かんたん)に成功するの?
A いいえ。行動を起こす軍や、対抗(たいこう)勢力となる警察の掌握(しょうあく)はもちろん、テレビ局などの報道機関(ほうどうきかん)を占拠(せんきょ)して権力の移行を周知徹底(しゅうちてってい)することも必要になります。今回のトルコのような失敗例も多く、戦前の日本で軍の将校(しょうこう)らが起こした「5・15事件」や「2・26事件」も成功しませんでした。
Q 革命(かくめい)とは違うの?
A クーデターは政治や軍を支配(しはい)する人たちの中で権力が移ること。これに対し、革命は支配勢力の外から国の治め方そのものを変えてしまうことです。市民が蜂起(ほうき)して王政(おうせい)を打倒した1789年のフランス革命や、イスラム教最高指導者(さいこうしどうしゃ)の支配体制(たいせい)が確立(かくりつ)された1979年のイラン革命が有名です。
Posted by いざぁりん
at 04:18
2016年07月18日
2週間前から断酒=離婚、困窮で悩みか―仏テロ容疑者
こちらです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160717-00000075-jij-eurp
(以下は、コピーです)
フランス南部ニースで80人超が犠牲となったトラック突入テロをめぐり、仏メディアは17日、実行犯のモハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)が事件の2週間前から酒をやめていたと伝えた。
容疑者が離婚や経済的な困窮のために落ち込んでいた可能性も浮上。当局は、容疑者が精神的に不安定な状態に陥り、過激主義に傾倒したとの見方を強めている。
周辺住民の証言などから、容疑者は宗教への関心が薄く、イスラム教で禁じられているアルコールや豚肉を摂取していたことが分かっている。しかし、仏ラジオ局「ヨーロッパ1」は、容疑者が「不可解なことに事件の2週間前から酒を断っていた」と報道。当局は容疑者が「極めて急速に過激化した」(カズヌーブ内相)とみており、断酒が過激化の兆候を示していた可能性もある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160717-00000075-jij-eurp
(以下は、コピーです)
フランス南部ニースで80人超が犠牲となったトラック突入テロをめぐり、仏メディアは17日、実行犯のモハメド・ラフエジブフレル容疑者(31)が事件の2週間前から酒をやめていたと伝えた。
容疑者が離婚や経済的な困窮のために落ち込んでいた可能性も浮上。当局は、容疑者が精神的に不安定な状態に陥り、過激主義に傾倒したとの見方を強めている。
周辺住民の証言などから、容疑者は宗教への関心が薄く、イスラム教で禁じられているアルコールや豚肉を摂取していたことが分かっている。しかし、仏ラジオ局「ヨーロッパ1」は、容疑者が「不可解なことに事件の2週間前から酒を断っていた」と報道。当局は容疑者が「極めて急速に過激化した」(カズヌーブ内相)とみており、断酒が過激化の兆候を示していた可能性もある。
Posted by いざぁりん
at 04:17
2016年07月18日
仏トラック突入、容疑者「うつだった」と父親 当局は存在把握せず
こちらです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3094186?utm_source=yahoo&utm_medium=news
(以下は、コピーです)
フランス南部ニース(Nice)で革命記念日(Bastille Day)の花火見物客にトラックが突っ込み、少なくとも84人が死亡した事件で、仏当局は15日、警察に射殺された運転手の男を、チュニジア国籍のモハメド・ラフエジブフレル(Mohamed Lahouaiej-Bouhlel)容疑者(31)と特定した。軽犯罪歴はあるがテロ組織との関連は知られていなかったという。
ラフエジブフレル容疑者の運転するトラックは、ニース名所の海岸沿いの遊歩道「プロムナード・デザングレ(Promenade des Anglais)」で花火を見ていた群衆に突っ込み、2キロにわたってジグザグに走行して人々をはね飛ばした。死者には未成年少なくとも10人が含まれているほか、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領によると現在も50人以上が危篤状態にあり、犠牲者はさらに増加する恐れがある。
仏検察当局のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事はラフエジブフレル容疑者について、仏情報当局では存在を「全く把握していなかった」と述べるとともに、今回の攻撃はイスラム過激派組織の呼び掛けに「完全に沿ったもの」との見方を示した。
■人付き合いを避けていた容疑者、「うつだった」と父親
ラフエジブフレル容疑者の父親は15日、AFPの取材に対し、同容疑者は数年前から「うつ状態」だったが宗教的に傾倒した様子はなかったと語った。
チュニジア東部の自宅で取材に応じた父親によると、ラフエジブフレル容疑者は「2002~04年ごろにノイローゼ気味になり、突然怒ったり叫び出したりするようになって、目の前にあるものを端から壊して回った」。そこで家族は医者に見せ、薬を処方してもらったという。
父親から見たラフエジブフレル容疑者は、誰とも話したがらず「いつも一人で、沈んでいた」。祈ることも断食をすることもなく、酒を飲み、薬物にも手を出していたという。フランスに行ってからは家族とも連絡を絶っていたという。
ニース市内で質素に暮らしていたラフエジブフレル容疑者について、近隣住民は、挨拶をしても返事をせず、人付き合いを避けていたと証言している。
ラフエジブフレル容疑者は犯行に使用したトラックを11日に借りていた。モラン検事によると、同容疑者は事件当時「警官3人に向かって何度か発砲した」後に射殺された。車内からは拳銃やライフル銃、手榴弾が発見されたが、全て偽物だったという。
警察情報筋によれば、捜査当局はラフエジブフレル容疑者の前妻を拘束し、事情聴取しているという。
■3度目の攻撃
フランスが大規模な攻撃の標的となったのは、この1年半で3度目。「フランスは、自由を象徴する国民の日に攻撃された」――テレビ演説でこう述べたオランド大統領は、事件を「テロ攻撃」と呼び、外国人も多数犠牲になったことを明らかにした。16日から3日間を国喪の日とするという。
一方、パリ(Paris)市庁舎は15日にエッフェル塔(Eiffel Tower)のイルミネーションを仏国旗の3色にし、犠牲者を追悼すると発表した。
フランスでは昨年1月に風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社が襲撃を受けたのに続き、同11月にはパリで同時攻撃事件が発生。これまでに合わせて147人が死亡している。パリの事件以降フランス全土は今も非常事態宣言下にあり、厳重な警備体制が敷かれているが、今回の事件は決意を固めた個人による攻撃を防ぐことの難しさが浮き彫りになった。
http://www.afpbb.com/articles/-/3094186?utm_source=yahoo&utm_medium=news
(以下は、コピーです)
フランス南部ニース(Nice)で革命記念日(Bastille Day)の花火見物客にトラックが突っ込み、少なくとも84人が死亡した事件で、仏当局は15日、警察に射殺された運転手の男を、チュニジア国籍のモハメド・ラフエジブフレル(Mohamed Lahouaiej-Bouhlel)容疑者(31)と特定した。軽犯罪歴はあるがテロ組織との関連は知られていなかったという。
ラフエジブフレル容疑者の運転するトラックは、ニース名所の海岸沿いの遊歩道「プロムナード・デザングレ(Promenade des Anglais)」で花火を見ていた群衆に突っ込み、2キロにわたってジグザグに走行して人々をはね飛ばした。死者には未成年少なくとも10人が含まれているほか、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領によると現在も50人以上が危篤状態にあり、犠牲者はさらに増加する恐れがある。
仏検察当局のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事はラフエジブフレル容疑者について、仏情報当局では存在を「全く把握していなかった」と述べるとともに、今回の攻撃はイスラム過激派組織の呼び掛けに「完全に沿ったもの」との見方を示した。
■人付き合いを避けていた容疑者、「うつだった」と父親
ラフエジブフレル容疑者の父親は15日、AFPの取材に対し、同容疑者は数年前から「うつ状態」だったが宗教的に傾倒した様子はなかったと語った。
チュニジア東部の自宅で取材に応じた父親によると、ラフエジブフレル容疑者は「2002~04年ごろにノイローゼ気味になり、突然怒ったり叫び出したりするようになって、目の前にあるものを端から壊して回った」。そこで家族は医者に見せ、薬を処方してもらったという。
父親から見たラフエジブフレル容疑者は、誰とも話したがらず「いつも一人で、沈んでいた」。祈ることも断食をすることもなく、酒を飲み、薬物にも手を出していたという。フランスに行ってからは家族とも連絡を絶っていたという。
ニース市内で質素に暮らしていたラフエジブフレル容疑者について、近隣住民は、挨拶をしても返事をせず、人付き合いを避けていたと証言している。
ラフエジブフレル容疑者は犯行に使用したトラックを11日に借りていた。モラン検事によると、同容疑者は事件当時「警官3人に向かって何度か発砲した」後に射殺された。車内からは拳銃やライフル銃、手榴弾が発見されたが、全て偽物だったという。
警察情報筋によれば、捜査当局はラフエジブフレル容疑者の前妻を拘束し、事情聴取しているという。
■3度目の攻撃
フランスが大規模な攻撃の標的となったのは、この1年半で3度目。「フランスは、自由を象徴する国民の日に攻撃された」――テレビ演説でこう述べたオランド大統領は、事件を「テロ攻撃」と呼び、外国人も多数犠牲になったことを明らかにした。16日から3日間を国喪の日とするという。
一方、パリ(Paris)市庁舎は15日にエッフェル塔(Eiffel Tower)のイルミネーションを仏国旗の3色にし、犠牲者を追悼すると発表した。
フランスでは昨年1月に風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社が襲撃を受けたのに続き、同11月にはパリで同時攻撃事件が発生。これまでに合わせて147人が死亡している。パリの事件以降フランス全土は今も非常事態宣言下にあり、厳重な警備体制が敷かれているが、今回の事件は決意を固めた個人による攻撃を防ぐことの難しさが浮き彫りになった。
Posted by いざぁりん
at 04:17
2016年07月18日
エルドアン政権の支持率は約5割。特に貧困層には手厚い政策をとっており、支持は盤石。
社会保障と引き換えに、独裁政治が許されるわけではありません。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12464884.html?rm=150
(以下は、コピーです)
<考論>トルコ、クーデター未遂 識者に聞く
内藤正典・同志社大大学院教授
トルコで起きたクーデターの動きについて、国内外の識者に聞いた。
■クーデターとは呼べない
内藤正典・同志社大大学院教授(現代イスラム地域研究) 今回の反乱は、首都アンカラや最大都市イスタンブールなどで展開され、かなり周到に計画されたことは明らかだ。エルドアン大統領は南西部で静養中で、このタイミングを突いたのだろう。
ただ、クーデターとは呼べない。トルコではこれまで3回、クーデターが成功しているが、いずれも内政が混乱した末に軍が政権を奪取した。その際は参謀総長がトップとなり、陸海空軍と憲兵隊が結束して政治に介入した。だが、今回はあくまで一部の軍人による反乱でしかなかった。
トルコ軍は、イスラム教の政治介入を認めない「世俗主義」の原則を支持してきた。エルドアン政権は最近、これをやめる方向を打ち出し、反発した軍の一部が反乱を起こした可能性はある。だが、多くの国民は支持しないだろう。
エルドアン政権の近年の独裁化、強権化を嫌う国民も多く、反乱側はそうした人たちの支持を期待したのだろうが、直前の政権支持率は約5割に上る。特に貧困層には手厚い政策をとっており、支持は盤石だ。
ただ、今回の反乱で軍が一枚岩ではないことが露呈し、過激派組織「イスラム国」(IS)などに弱みを見せる形になった。トルコが不安定化すれば中東情勢に与える影響は大きく、欧州への影響も避けられないだろう。
■不安定な情勢、テロに懸念
日本貿易振興機構アジア経済研究所の今井宏平研究員(トルコ地域研究) 反乱の背景には、エルドアン大統領や与党と対立するイスラム教の宗教学者、ギュレン師が率いる教団の存在があるとみられている。両者は元々、協力関係にあったが、2013年末以降に関係が悪化した。
教団は教育やメディアでの活動に力を入れ、国際的なネットワークも持っている。エルドアン氏が政治的な野心があると言われるギュレン師を警戒し、対立が深まった。軍隊や警察、官僚には、ギュレン師の支持者が一定程度存在するとみられていた。
また、エルドアン氏は憲法改正による権限強化を狙っている。こうした動きに反発する集団が軍内部に存在した可能性もある。だが軍の最高幹部は反乱に加わらず、参加者も少ない。野党第1党も反乱を非難するなど、受け皿になる政治家や指導者がいなかった。計画が十分に練られていなかったのではないか。
反乱がこのまま終われば国内的な影響はない。軍内部にいるギュレン師の支持者は徹底的に締めつけられるだろう。米国、EU、ロシアなどは政権与党への支持を打ち出しており、海外との関係も影響はない。
唯一の懸念は、反乱で国内の情勢が一時的に不安定になったので、この機に乗じて過激派組織「イスラム国」(IS)などがテロを画策することだ。
■トルコのもろさ浮き彫り
米オハイオ大のヌケット・サンダル助教授(国際安全保障) 今回のクーデター行為で、トルコに駐留する米軍の作戦への影響は避けられないだろう。成功しようが失敗しようが、クーデターの試み自体がトルコのもろさを示しているからだ。近い将来、トルコが完全に安定するとは考えられず、トルコ軍内の亀裂も明白になった。少なくとも短期的には米国にとり、軍事上の同盟国としてのトルコの信頼性は損なわれる。
今回のクーデターは過去のものと明らかに違う。軍としての一体性がなく、警察とも敵対している。その背景も顔も見えない。私が知るトルコ研究者で、予期した人は誰もいない。軍の司令官らがすでに反対表明をしている。一方で、航空機や多くの装甲車両などにアクセスできる者たちによる大規模なものだった。
クーデターの結果がどうあれ、トルコの将来には影を落とすだろう。エルドアン氏は、民主主義や自身の統治への脅威があると言うことができ、権限強化への発言力を増すだろう。その影響は、党派心をあおるものとなる。
■中堅・下級の兵士が企て?
エジプトの国際問題研究者、サラ・ラビブ氏 今回のクーデターは、とてもばかげた試みだった。歴史上最も失敗したクーデターの企てだ。主に中堅と下級の兵士によるもので、トルコで起きた過去のクーデターでは参謀総長や上級幹部が企図し、各地の司令官の支持を得ていたのとは対照的だ。今回は参謀総長も政権を支持していた。
さらに、今回のクーデターはリーダーがはっきりしない。発表された声明でもリーダーの名前を出さなかった。政権の転覆を図るというよりも、政権にプレッシャーをかける程度の目的だったのではないか。一部の地域でしかクーデターを展開できていない。
トルコには200万人ものシリア難民がいる。また過激派組織「イスラム国」(IS)やクルド系組織の脅威にさらされている。
仮にクーデターが成功していたら、周辺国にも多大な影響をもたらしただろうが、軍の指導部は、こうした時にクーデターが起きれば国家に混乱をもたらすことを知っており、今回の事態にはかかわっていないだろう。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12464884.html?rm=150
(以下は、コピーです)
<考論>トルコ、クーデター未遂 識者に聞く
内藤正典・同志社大大学院教授
トルコで起きたクーデターの動きについて、国内外の識者に聞いた。
■クーデターとは呼べない
内藤正典・同志社大大学院教授(現代イスラム地域研究) 今回の反乱は、首都アンカラや最大都市イスタンブールなどで展開され、かなり周到に計画されたことは明らかだ。エルドアン大統領は南西部で静養中で、このタイミングを突いたのだろう。
ただ、クーデターとは呼べない。トルコではこれまで3回、クーデターが成功しているが、いずれも内政が混乱した末に軍が政権を奪取した。その際は参謀総長がトップとなり、陸海空軍と憲兵隊が結束して政治に介入した。だが、今回はあくまで一部の軍人による反乱でしかなかった。
トルコ軍は、イスラム教の政治介入を認めない「世俗主義」の原則を支持してきた。エルドアン政権は最近、これをやめる方向を打ち出し、反発した軍の一部が反乱を起こした可能性はある。だが、多くの国民は支持しないだろう。
エルドアン政権の近年の独裁化、強権化を嫌う国民も多く、反乱側はそうした人たちの支持を期待したのだろうが、直前の政権支持率は約5割に上る。特に貧困層には手厚い政策をとっており、支持は盤石だ。
ただ、今回の反乱で軍が一枚岩ではないことが露呈し、過激派組織「イスラム国」(IS)などに弱みを見せる形になった。トルコが不安定化すれば中東情勢に与える影響は大きく、欧州への影響も避けられないだろう。
■不安定な情勢、テロに懸念
日本貿易振興機構アジア経済研究所の今井宏平研究員(トルコ地域研究) 反乱の背景には、エルドアン大統領や与党と対立するイスラム教の宗教学者、ギュレン師が率いる教団の存在があるとみられている。両者は元々、協力関係にあったが、2013年末以降に関係が悪化した。
教団は教育やメディアでの活動に力を入れ、国際的なネットワークも持っている。エルドアン氏が政治的な野心があると言われるギュレン師を警戒し、対立が深まった。軍隊や警察、官僚には、ギュレン師の支持者が一定程度存在するとみられていた。
また、エルドアン氏は憲法改正による権限強化を狙っている。こうした動きに反発する集団が軍内部に存在した可能性もある。だが軍の最高幹部は反乱に加わらず、参加者も少ない。野党第1党も反乱を非難するなど、受け皿になる政治家や指導者がいなかった。計画が十分に練られていなかったのではないか。
反乱がこのまま終われば国内的な影響はない。軍内部にいるギュレン師の支持者は徹底的に締めつけられるだろう。米国、EU、ロシアなどは政権与党への支持を打ち出しており、海外との関係も影響はない。
唯一の懸念は、反乱で国内の情勢が一時的に不安定になったので、この機に乗じて過激派組織「イスラム国」(IS)などがテロを画策することだ。
■トルコのもろさ浮き彫り
米オハイオ大のヌケット・サンダル助教授(国際安全保障) 今回のクーデター行為で、トルコに駐留する米軍の作戦への影響は避けられないだろう。成功しようが失敗しようが、クーデターの試み自体がトルコのもろさを示しているからだ。近い将来、トルコが完全に安定するとは考えられず、トルコ軍内の亀裂も明白になった。少なくとも短期的には米国にとり、軍事上の同盟国としてのトルコの信頼性は損なわれる。
今回のクーデターは過去のものと明らかに違う。軍としての一体性がなく、警察とも敵対している。その背景も顔も見えない。私が知るトルコ研究者で、予期した人は誰もいない。軍の司令官らがすでに反対表明をしている。一方で、航空機や多くの装甲車両などにアクセスできる者たちによる大規模なものだった。
クーデターの結果がどうあれ、トルコの将来には影を落とすだろう。エルドアン氏は、民主主義や自身の統治への脅威があると言うことができ、権限強化への発言力を増すだろう。その影響は、党派心をあおるものとなる。
■中堅・下級の兵士が企て?
エジプトの国際問題研究者、サラ・ラビブ氏 今回のクーデターは、とてもばかげた試みだった。歴史上最も失敗したクーデターの企てだ。主に中堅と下級の兵士によるもので、トルコで起きた過去のクーデターでは参謀総長や上級幹部が企図し、各地の司令官の支持を得ていたのとは対照的だ。今回は参謀総長も政権を支持していた。
さらに、今回のクーデターはリーダーがはっきりしない。発表された声明でもリーダーの名前を出さなかった。政権の転覆を図るというよりも、政権にプレッシャーをかける程度の目的だったのではないか。一部の地域でしかクーデターを展開できていない。
トルコには200万人ものシリア難民がいる。また過激派組織「イスラム国」(IS)やクルド系組織の脅威にさらされている。
仮にクーデターが成功していたら、周辺国にも多大な影響をもたらしただろうが、軍の指導部は、こうした時にクーデターが起きれば国家に混乱をもたらすことを知っており、今回の事態にはかかわっていないだろう。
Posted by いざぁりん
at 04:16
2016年07月18日
トルコ クーデター失敗 軍弱体化に不満か
こちらです。
http://mainichi.jp/articles/20160717/ddm/003/030/069000c
(以下は、コピーです)
トルコ軍の一部が試みたクーデターは、エルドアン政権の強権的な政治手法によって蓄積された反発が一気に噴き出した結果とみられる。反乱は失敗に終わったものの、中東の大国で起きた混乱は、過激派組織「イスラム国」(IS)や難民の対策の行方に直結する。欧米諸国は状況の推移を固唾(かたず)をのんで見守った。
反乱勢力、特権奪われ
「民主的、世俗的な法治は現政権下でむしばまれてきた」。国営テレビTRTの画面が突然切り替わり、女性アナウンサーがおびえた表情で、軍の反乱勢力の声明を読み上げた。憲法の秩序、民主主義、人権、自由−−。「政教分離や民主主義の原則維持」を大義名分に掲げ、崩壊した秩序を取り戻すと強調した。
「世俗主義の守護者」を自任する軍にとって、イスラム色を強めるエルドアン政権の統治は、国是の政教分離からかけ離れた姿勢と映った。政権を批判するジャーナリストへの圧力など、強権的な政治手法と民主主義の隔たりも軍の反発を招いた可能性がある。
トルコでは1923年の共和国成立以来、政治が不安定化したり、イスラム化を進めようとする政権が現れたりする度、軍が政治介入してきた。60年には政権が野党や言論機関への弾圧を強めたのに対し、軍がクーデターで権力を掌握。71年には軍が首相らに書簡を送って退陣させた「書簡クーデター」があった。80年には2大政党の対立で政治が混乱し、再び軍がクーデターを起こして83年の民政移管まで軍政統治。97年にもイスラム系政党中心の政権に軍が政治介入し、首相が辞任している。
エルドアン大統領は2003年の首相就任後、徐々に軍の弱体化を図った。教育・放送分野への軍の影響力を排除する制度改正を進めるなど、少しずつ軍の特権を奪った。07年に軍内部でのクーデター計画が暴露されると、政権は多くの幹部を含む200人以上の軍人の大量逮捕に踏み切り、一気に軍の弱体化に成功。国民の間の「軍離れ」が進み、10年の国民投票で憲法改正案が承認され、軍人の不訴追特権を剥奪した。こうした状況に、不満が募っていた可能性がある。
ロイター通信によると、ユルドゥルム首相は今回の事件を受け、再発防止のため、死刑の導入を視野に憲法改正を検討する考えを明らかにした。強権化がさらに進む懸念もある。
また、エルドアン政権は米国に亡命中のイスラム教指導者、ギュレン師を信奉する軍内部の「ギュレン運動」の支持者による反乱だと主張。ギュレン運動は学習塾などの教育機関を拠点に優秀な人材を軍や警察に送り出しており、政権はその影響力を警戒している。
日本貿易振興機構アジア経済研究所の今井宏平研究員(現代トルコ外交)は「政権に不満を抱く軍の一部勢力に、ギュレン支持者も加わって反乱を起こした可能性がある」と指摘する。
米、対IS影響懸念
米国は、トルコ軍の一部が試みたクーデターの成否がまだ見通せない段階で、エルドアン政権を支持するオバマ大統領の談話を発表するなど、いち早く対応した。トルコが不安定化すれば、オバマ政権が力を注ぐ過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いに影響が出るとみているためだ。
有志国とともにISとの戦いを続ける米国は、6月下旬にイラク中部ファルージャを奪還するなど攻勢を続けている。だが、シリアでは先が見通せない状態が続いており、昨年9月からシリア空爆を始めたロシアとの連携を模索。ケリー国務長官をモスクワに派遣し、14日夜にプーチン露大統領、15日にはラブロフ露外相と協議し、シリア内の反政府勢力である国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」とISに対する空爆で米露両国が協力関係を築くことに合意した。
シリア、イラク両国と国境を接し、米軍の出撃基地があるトルコが不安定化する事態に陥れば、ロシアとの協力作戦にも影響が出かねない。米国はクーデターが失敗に終わったことに胸をなで下ろしつつ、欧州を不安定化させているシリアなどからの難民・移民や、テロリストの流入を防ぐための国境管理強化などの面で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコが要石の役割を果たすと期待している。
米軍がIS空爆の出撃基地として使用しているトルコ南部のインジルリク空軍基地では16日、トルコ政府により周辺の上空が飛行禁止となり、電力供給も遮断された。
一方、欧州連合(EU)は、トルコに難民問題やテロ対策で協力を求めつつ、エルドアン政権の強権的な姿勢を巡って対立してきた。クーデターは失敗に終わったものの、エルドアン政権を弱体化させる可能性があり、専門家からは「今後はトルコと交渉しやすくなる」との見方が出ている。
欧州に流入する難民・移民問題を巡り、EUとトルコは今年3月、トルコ国内にいるシリア難民への経済支援やトルコ国民のEUへのビザ自由化などの見返りに、ギリシャに入った「違法な移民」全員をトルコに送還するという内容で合意。トルコからボートで密航しギリシャ経由で北上する「バルカンルート」の難民・移民の数は激減した。だがEUはビザ自由化の条件として、報道の自由まで抑圧する「行き過ぎた」トルコの反テロ法改正などを求めた。トルコは「このままでは移民送還に協力できない」などと態度を硬化させ、交渉は難航していた。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(外相)は16日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議でモンゴルを訪れている加盟国の外相と緊急会合を開き、軍事クーデターを非難する見解で一致。エルドアン政権を全面的に支援する姿勢を示した。
■ことば
トルコ
正式国名はトルコ共和国。古代から東西文明の十字路として栄えた。面積は約78万平方キロ。人口は約7900万人(2015年)。首都はアンカラ。イスラム教徒が多いが、政教分離政策を取る。軍は陸海空軍があり、兵力は約51万人。国民皆兵制で、男性には原則12カ月の兵役がある。欧州連合への加盟を目指し、02年に死刑制度を廃止した。
http://mainichi.jp/articles/20160717/ddm/003/030/069000c
(以下は、コピーです)
トルコ軍の一部が試みたクーデターは、エルドアン政権の強権的な政治手法によって蓄積された反発が一気に噴き出した結果とみられる。反乱は失敗に終わったものの、中東の大国で起きた混乱は、過激派組織「イスラム国」(IS)や難民の対策の行方に直結する。欧米諸国は状況の推移を固唾(かたず)をのんで見守った。
反乱勢力、特権奪われ
「民主的、世俗的な法治は現政権下でむしばまれてきた」。国営テレビTRTの画面が突然切り替わり、女性アナウンサーがおびえた表情で、軍の反乱勢力の声明を読み上げた。憲法の秩序、民主主義、人権、自由−−。「政教分離や民主主義の原則維持」を大義名分に掲げ、崩壊した秩序を取り戻すと強調した。
「世俗主義の守護者」を自任する軍にとって、イスラム色を強めるエルドアン政権の統治は、国是の政教分離からかけ離れた姿勢と映った。政権を批判するジャーナリストへの圧力など、強権的な政治手法と民主主義の隔たりも軍の反発を招いた可能性がある。
トルコでは1923年の共和国成立以来、政治が不安定化したり、イスラム化を進めようとする政権が現れたりする度、軍が政治介入してきた。60年には政権が野党や言論機関への弾圧を強めたのに対し、軍がクーデターで権力を掌握。71年には軍が首相らに書簡を送って退陣させた「書簡クーデター」があった。80年には2大政党の対立で政治が混乱し、再び軍がクーデターを起こして83年の民政移管まで軍政統治。97年にもイスラム系政党中心の政権に軍が政治介入し、首相が辞任している。
エルドアン大統領は2003年の首相就任後、徐々に軍の弱体化を図った。教育・放送分野への軍の影響力を排除する制度改正を進めるなど、少しずつ軍の特権を奪った。07年に軍内部でのクーデター計画が暴露されると、政権は多くの幹部を含む200人以上の軍人の大量逮捕に踏み切り、一気に軍の弱体化に成功。国民の間の「軍離れ」が進み、10年の国民投票で憲法改正案が承認され、軍人の不訴追特権を剥奪した。こうした状況に、不満が募っていた可能性がある。
ロイター通信によると、ユルドゥルム首相は今回の事件を受け、再発防止のため、死刑の導入を視野に憲法改正を検討する考えを明らかにした。強権化がさらに進む懸念もある。
また、エルドアン政権は米国に亡命中のイスラム教指導者、ギュレン師を信奉する軍内部の「ギュレン運動」の支持者による反乱だと主張。ギュレン運動は学習塾などの教育機関を拠点に優秀な人材を軍や警察に送り出しており、政権はその影響力を警戒している。
日本貿易振興機構アジア経済研究所の今井宏平研究員(現代トルコ外交)は「政権に不満を抱く軍の一部勢力に、ギュレン支持者も加わって反乱を起こした可能性がある」と指摘する。
米、対IS影響懸念
米国は、トルコ軍の一部が試みたクーデターの成否がまだ見通せない段階で、エルドアン政権を支持するオバマ大統領の談話を発表するなど、いち早く対応した。トルコが不安定化すれば、オバマ政権が力を注ぐ過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いに影響が出るとみているためだ。
有志国とともにISとの戦いを続ける米国は、6月下旬にイラク中部ファルージャを奪還するなど攻勢を続けている。だが、シリアでは先が見通せない状態が続いており、昨年9月からシリア空爆を始めたロシアとの連携を模索。ケリー国務長官をモスクワに派遣し、14日夜にプーチン露大統領、15日にはラブロフ露外相と協議し、シリア内の反政府勢力である国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」とISに対する空爆で米露両国が協力関係を築くことに合意した。
シリア、イラク両国と国境を接し、米軍の出撃基地があるトルコが不安定化する事態に陥れば、ロシアとの協力作戦にも影響が出かねない。米国はクーデターが失敗に終わったことに胸をなで下ろしつつ、欧州を不安定化させているシリアなどからの難民・移民や、テロリストの流入を防ぐための国境管理強化などの面で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコが要石の役割を果たすと期待している。
米軍がIS空爆の出撃基地として使用しているトルコ南部のインジルリク空軍基地では16日、トルコ政府により周辺の上空が飛行禁止となり、電力供給も遮断された。
一方、欧州連合(EU)は、トルコに難民問題やテロ対策で協力を求めつつ、エルドアン政権の強権的な姿勢を巡って対立してきた。クーデターは失敗に終わったものの、エルドアン政権を弱体化させる可能性があり、専門家からは「今後はトルコと交渉しやすくなる」との見方が出ている。
欧州に流入する難民・移民問題を巡り、EUとトルコは今年3月、トルコ国内にいるシリア難民への経済支援やトルコ国民のEUへのビザ自由化などの見返りに、ギリシャに入った「違法な移民」全員をトルコに送還するという内容で合意。トルコからボートで密航しギリシャ経由で北上する「バルカンルート」の難民・移民の数は激減した。だがEUはビザ自由化の条件として、報道の自由まで抑圧する「行き過ぎた」トルコの反テロ法改正などを求めた。トルコは「このままでは移民送還に協力できない」などと態度を硬化させ、交渉は難航していた。
EUのモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(外相)は16日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議でモンゴルを訪れている加盟国の外相と緊急会合を開き、軍事クーデターを非難する見解で一致。エルドアン政権を全面的に支援する姿勢を示した。
■ことば
トルコ
正式国名はトルコ共和国。古代から東西文明の十字路として栄えた。面積は約78万平方キロ。人口は約7900万人(2015年)。首都はアンカラ。イスラム教徒が多いが、政教分離政策を取る。軍は陸海空軍があり、兵力は約51万人。国民皆兵制で、男性には原則12カ月の兵役がある。欧州連合への加盟を目指し、02年に死刑制度を廃止した。
Posted by いざぁりん
at 04:15