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都議選への影響、公明党への配慮、森友&加計問題から逃げたい一心。
そうしたものが、異例の「委員会省略→本会議採決へ」、の動きとなっています。
党利党略、多数の横暴、によって、憲法の定める基本的人権が、破壊されるのです。
平成の治安維持法、共謀罪は、議論も尽くされず、手続きを省略して、強引に、成立させられようとしています。
国民は、与党の横暴を、許してはなりません。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170614-00000074-nnn-pol
(以下は、コピーです)
 共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、国会で与野党の激しい攻防が続いている。自民党はこの法案について、委員会での採決を省略する異例の手段で14日中に採決したい考え。日本テレビ政治部・小栗泉部長に聞く。

 委員会採決を省略して本会議で採決するという手法は、参議院で過去18回あったが、これは異例のこと。本来、委員会で審議して採決、可決したら本会議に上げてここで討論して採決、過半数を得れば成立というのが常道だ。

 今回、自民党は「野党が議論を打ち切って問責決議案を提出した」と言っているが、委員会審議が当初、与党が目安としていた20時間にも満ちていない段階で、採決を省略。本会議で中間報告を行うだけで採決し、数の力で成立に持っていこうとしている。


――国会の会期末を18日に控える中、なぜ、自民党はこんなやり方をするのか。

 1つは、組織犯罪処罰法改正案は、どうしても今国会で成立させたい、もう1つは加計学園をめぐる問題で、これ以上国会で野党に追及されて政権に傷がつくことは避けたい、この2つの要素を両立するためにはこれしかないと判断したようだ。

 つまり、組織犯罪処罰法改正案は、与野党の意見が対立しているから、審議を尽くそうとすると国会を延長せざるを得ない、でも、延長したら野党に加計学園の問題をめぐり追及の場を与えることになってしまう、ならば、会期は延長せず、強行に採決しようというわけだ。


――とはいえ、与党からも「もう少し丁寧に国会運営をするべきでは」という声が上がっているようだが。

 政府・与党内には、丁寧に説明する姿勢をアピールするためにも、「会期を小幅に延長したほうがいいのでは」という声もあった。それだけに、ある自民党のベテラン議員は「国民をなめると、かえって立ち行かなくなるだろう」と話している。

 また、共謀罪の趣旨を盛り込んだ法案をめぐっては「権力が恣意(しい)的に犯罪捜査を行うのではないか」という信頼性が問われている。

 しかし、その権力の最たる政府・与党が、自らへのダメージを避けるために議論を軽視し、強行に国会を閉じるということで、果たして、国民は政府を信頼できるでしょうか。大きな課題を残すと言わざるを得ない。  


Posted by いざぁりん  at 23:45
Posted by いざぁりん  at 23:15
平成の治安維持法は、猛威を振るうことでしょう。
https://mainichi.jp/articles/20170606/dde/012/010/006000c?inb=ys
(以下は、コピーです)
 「共謀罪」法案の問題点を、この特集ワイドで何度も取り上げてきたが、政府・与党は数の力で成立させようとしている。ならば、改めて指摘したい。この法案を通すと、憲法の理念がますます崩されるということを。【葛西大博】

「次は通信傍受拡大」 揺らぐ憲法理念

 まずは、兵庫県警の元刑事、飛松五男さん。2005年に定年退職するまで通算36年を捜査部門の第一線で過ごしたベテランは、法案が成立すればこんな展開になると予想する。

 「政府は次に、盗聴法(通信傍受法)の改正に着手するでしょう。電話やメールの盗聴をより広範囲に、合法的にするためです」

 憲法は基本的人権の一つとして「通信の秘密」を保障している。一方、重大犯罪を取り締まるため、裁判所の令状を取れば、捜査機関は例外的に盗聴を許される。00年施行の通信傍受法は対象犯罪として、薬物、銃器、集団密航、組織的殺人の4犯罪としていたが、昨年の改正で詐欺や窃盗など9犯罪が追加された。

 今国会で審議されている組織犯罪処罰法改正案は、「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設するのが柱で、対象とするのは277犯罪。「どこの県警も適用第1号を目指します」と飛松さん。そのための手段が盗聴であり、その合法化だ。

 日本弁護士連合会の共謀罪法案対策本部副本部長を務める海渡雄一弁護士も同意見だ。「『共謀罪』法案が成立しても、現在認められる犯罪以外の通信傍受はできないので、当然、通信傍受法の改正が提起されるでしょう」

 現在、テレビのコメンテーターとして活躍する飛松さん。「新しい法律ができたら、息が詰まるような監視社会の始まりです。警察はいったん法律が通ったら、それに向かってまい進する。冤罪(えんざい)がどんどん出ますよ」と断言する。

 「共謀罪」法案の問題点はどこにあるのか。まずは、「組織的犯罪集団」の定義についての疑問だ。法案は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定。集団の活動として、2人以上で犯罪を計画し、うち1人以上が計画に基づく「実行準備行為」を行った場合に、計画した全員を処罰可能としている。政府は東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策を強調するが、日本で起きた大規模テロというと、オウム真理教(現アレフ)による地下鉄サリン事件(1995年)を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。安倍晋三首相も今年2月の国会答弁で、オウムを例に挙げて説明している。

 これに対し、オウムを長年取材してきたジャーナリストの江川紹子さんはあきれ顔だ。「オウムのテロは共謀罪があれば防げたと言う人もいるが、それは有り得ません。地下鉄サリン事件が起きるまでオウムの関与が疑われる既遂事件が何件もあったのに警察が防げなかったのは、警察幹部の判断能力のなさと、全国の警察の情報共有や連携がなかったことが原因です」。江川さんは一例として、警察幹部が当初は「失踪」との見立てにこだわった89年の坂本堤弁護士一家殺害事件を挙げた。

 江川さんは自ら書いた記事で、自宅アパートにオウム信者から毒ガスをまかれ、命を狙われたこともある。そんな江川さんが懸念するのが「共謀罪」で一般の人に捜査が及ぶ恐れだ。金田勝年法相は繰り返し否定したが、江川さんは「オウムでさえ、犯罪をやっていたことを知らなかった信者の方が多い。つまり、誰が組織的犯罪集団のメンバーか、全員総当たりで聞かないと分からない。信者の家族や勧誘を受けた人は当然一般人ですが、そういう人も調べないと実態は分からないはずです」

 さらに、この法案の大きな問題点は、日本の刑法体系を根本から揺るがしかねないことだ。刑法は、心の中で犯罪を考えただけでは処罰されず、既遂や未遂など実際に犯罪行為をして初めて処罰されるのを原則としている。憲法が最も根本的な人権として「思想・良心の自由」を保障しているからだ。

 一方、殺人や現住建造物等放火など重大犯罪を未然に防ぐ必要がある。刑法には例外的に未遂より前の予備段階の行為を処罰する「予備罪」がある。さらに現行法でも「予備」より前段階の「共謀」を処罰できる内乱陰謀罪などがある。既遂が最も重く、未遂、予備・陰謀、共謀(計画・準備)罪とだんだん罪が軽くなるのが原則だ。

 こんな国会のやりとりがある。5月19日の衆院法務委員会で弁護士でもある民進党の階(しな)猛議員がこう指摘した。

 「組織で大量殺人を計画し、毒入りカレーを作れば、具体的な危険があるから(刑法の殺人予備罪が適用され)2年以下の懲役だ。だが、(毒のない)カレーだけをつくればまだ実行準備行為なので(共謀罪が適用され)5年以下の懲役。なぜ毒入りカレーを作った方が罪が軽いのか」

 この質問は、「凶器や毒物を用意した」など具体的な危険性を要件とする予備罪よりも、準備行為だけの共謀罪の方が刑が重くなる矛盾を指摘したものだ。青山学院大名誉教授の新倉修さん(国際刑事法)は「すごくアンバランスな刑法体系になってしまう。捜査機関が、刑が重い共謀罪で処罰しようとしかねない」と解説する。

 「準備行為」はどう判断するのか。「内心の自由に踏み込まないと分からない」との指摘もある。判断基準について問われた金田法相の答弁は「花見であればビールや弁当を持っているのに対し、(犯行場所の)下見であれば地図や双眼鏡、メモ帳などを持っているという外形的事情がありうる」。質問した議員からは「双眼鏡を持ってバードウオッチングすることもある」と突っ込まれ、法相の答弁はすっかり有名になった。

 前出の海渡さんは話す。「この答弁ではっきりしたのは、犯罪をやろうとしているかは外形的には分からずに、取り調べをしないと分からないということです。つまり内心の自由に踏みこまないと、それが準備行為かどうかは分からないのです」

 監視され、内心の自由に踏みこまれる社会。江川さんは「私たちが気付かないところで監視が進み、気付いたときには全身に毒が回り手遅れということになりかねない」と指摘する。

 「全身」とはこの国の民主主義社会を指すという。多くの人は自分が事件の被害者になるかもしれないとは考えても、罪を着せられる恐れがあるとは思わない。民主国家で、知らない間に自分が「犯罪者」になってしまうかもしれない社会を想像できるだろうか。
  


Posted by いざぁりん  at 22:59
日本が、軍事独裁国家に、なります。
https://mainichi.jp/sunday/articles/20170530/org/00m/010/002000d?inb=ys
(以下は、コピーです)
「共謀罪」が衆議院で可決されてしまった。市民生活を大幅に阻害し、社会を萎縮させる希代の悪法の強行を、現代史研究の第一人者は、「ファシストの所業」と喝破する。治安維持法によってもたらされた戦前・戦中のファシズムを検証しつつ、私たちの暗澹たる未来を照射する―。(一部敬称略)

 どのような理由があって、この内閣は次々と問題法案を国会で成立させていくのだろうか。たとえば戦後も70年が過ぎたのだから、これまでの「戦後体制をご破算にする」というなら、そう主張すればいい。この国はこれまで国家意識が希薄であったから、「お国が第一」との発想を持ってもらうといって、安保関連法を通し、マイナンバー制度を導入し、少しでも犯罪のにおいをかぎつけたら市民的自由の制限など当たり前というのなら、その主張はファシズムそのものである。私は大反対ではあるが。

 ところがこの政権は、どの方向に進むかの指示器も示さずに、ただひたすら結論ありきで突っ走っている。今回の共謀罪の委員会でのやりとり、国会審議の軽視、疑問がなんら解消しないままの法案成立を見ていて、今この国が向かっているのは、明らかに自省なき大日本帝国への回帰なんだ、と断定してかまわない。安倍首相は一言も口にしないが、自らの在任中に大日本帝国を再構築しようと企図していると考える以外にない。

 共謀罪の審議でもっとも重要な点は、その条文やこの法律そのものの内容もさることながら、単純にこの法律によって私たちの健全な社会生活は著しく阻害されるということだ。共謀罪をテロ等準備罪と言い換えたところで、その内容は変わるわけではなく、社会が病理を抱えこむ時代になったという意味である。

「一般の人」論争などはその典型で、安倍首相はある集団が犯罪集団となったら、そこに関わっている人は「一般人であるわけがない」と屈託なく答えた。この無邪気な首相は実は恐るべきファシストなのである。ある集団が犯罪集団であるか否かは警察や検察が決めるというのであれば、一般人はどのような集団ともかかわらないでひたすら他者と関係を持たずに社会生活を営む以外になくなる。

「妄想」という弾圧する側の病理にとりつかれた

 さて、こうしたことを前提に以下の論を進めることにしていきたい。

 この法律が案として閣議決定(三月二十一日)する直前に、私は『毎日新聞』の取材に応じて「反対」の立場から次のように述べた(三月十九日付朝刊に「社会に病理を生む恐れ」との見出しがついている)。

「法は自己目的化することがある。戦前の治安維持法も、作られた当初は、天皇や私有財産を否定する団体を取り締まることが目的だった。しかし、徐々に取り締まりの対象が自由主義者、宗教、さらに国家主義者へと変わっていった。起訴率を高めるために取り調べに拷問も使われた。一般の人たちには関係のない法律だったはずが、考えられないほど増幅し、歯止めが利かなくなっていった。治安立法の怖さとはそういうものなのだ。(以下略)」

 私はこの法律が国会に上程されるときからこのように考えていたが、結果的にこういう不安がむしろ当たり前になってしまった。

 昭和史(とくにその前期)のファシズム体制を検証していて、治安維持法に基く捜査がどれほど社会生活を萎縮させるかはこれまで一貫して語られてきた。結局、この治安立法は、特高警察による自白を引き出すための拷問や、ごく一般人の社会生活も予防拘禁といった形で制限されたり、さらには特別要視察人として自らがたまたま入会していた文化サークルの中に一人の非社会的犯罪を夢想する者がいてその人物が逮捕されるなどすることで、一般人も一生監視されることにもなりかねない怖さを持ってきた。

 そんな昭和の光景がこれからは日々繰り返される法的根拠ができあがっていく。それが「社会が病む」という状態であった。

 昭和前期に特高警察に身を置いた刑事、治安維持法容疑で逮捕された宗教人、自由主義者、そしてごくふつうの市民(当時は臣民といったわけだが)など数十人に私は証言を求めてきた。それは結果的に社会が病むとはどういうことか、を知ることになったのだ。

 まず初めに後藤田正晴、鈴木俊一などかつての内務省の官僚だった人物十人余に、大日本帝国下で内務省はどのような役割を果たしたのかを聞いていて、奇妙な言を何度か聞かされた。

 それは「私は地方局育ちだから」という語である。内務省の地方局育ちは、ゆくゆくは官選知事になる。ありていにいうなら、ある県の県民の生活を守る、あるいはその環境を守ることを任務とする。しかし内務省育ちの人が、「地方局育ちだから」というときに、そこには警保局育ちで特高警察をフルに使って国民の弾圧に奔走した人たちとは肌が違う、との意味をこめていることに気づいたのだ。

「あの人は警保局育ちだから」というとき、そこには国民を弾圧するという発想しかないことを、いみじくも表しているのである。事実を言えば、同じ内務省にあっても、私は国民を、あるいは国民の思想を弾圧する側には与(くみ)さなかったと告白しているのである。

 戦後の保守党の代議士の出身母体を見ていくとわかるが、内務省警保局出身の政治家は大体が右派グループに属し、常に治安維持を至上命令とし、そのための法律づくりに走り回っている。その言は、現実を見ているのではなく、国民がいつ共産主義者になるかわからない、反政府的分子になるかわからないとの妄想にも似た言を弄していたことが今は容易にわかる。

 弾圧する側の病理にとりつかれてしまっているのだ。私は昭和のある事件の被害者がいかに特高警察に弾圧されたか、犯罪の意思などないのに拷問を何度も受け精神異常になった人たちの関係者の証言を聞いたのだが、そのことを当時の特高関係の責任者(戦後は自民党右派の議員)は一片の同情すら持っていないのに驚いた。

平気で拷問できるのが「有能な刑事」

 思想犯の取り調べにあたった元特高警察の刑事たち(複数)にも、昭和四十年代に話を聞いたのだが、あえてそのときのメモをそのまま以下に紹介したい。

「我々ヒラ刑事もアカ(注・共産主義者のこと)の見分け方などの教育を受けたんだが、そんなことよりも疑いのある団体の連中を引っぱってきて強引に調べれば大体は我々の思いどおりに自白するよ。強引に調べればの意味? あのころは拷問は当たり前。といってもふつうの刑事はそんなに殴ったり蹴ったりできないよ。どこかで自制する気持ちもあるからね。しかしそんなことまったくかまわずに、女性でも少年でも棒で殴る、道端に連れていって叩(たた)きつける、小道具を使って痛めつける、細かくは言いたくないけどね。そして自白をとる。予審判事の覚えもよくなるから、そんな刑事ほど有能でできる奴(やつ)となったね。戦後は復讐(ふくしゅう)を恐れて姿を消した者もいる……」

 こうした話を聞いていくと、特高警察の刑事たちの中では平気で拷問を続けることができるのが有能で、仕事のできる刑事、となるのだ。官僚機構の末端で、こうした汚れ役を担わされた拷問刑事は、思想犯として逮捕されるのを恐れている人たちや、やはり刑事仲間でも「超有名人」だったという。実際にこうした刑事に取り調べを受けた宗教家は、「おまえなんか非国民だから殺したっていいんだ」と言われ、その刑事のシナリオに合うように自白を強要されて拷問を受けたという。

「小柄な男で、ガラス玉のような感情のない目をしていた刑事で、その残酷さは有名でしたね」

 そんな刑事たちは、T署のAとか、K署のBとかと、すぐに名指しされることに、私は驚いた。そういう刑事たちの名は、昭和二十年四月、五月から、警察署の名簿から消えていった。敗戦とともに、拷問を加えた容疑者たちからの復讐を恐れてのことという(戦後、実際にそういう刑事が探しだされて集団ですさまじいリンチを受けた事件が幾つかあったと証言する刑事もいる)。

 これは原子物理学者の武谷三男から聞いた話だが、戦争末期にやはり治安維持法違反で逮捕されたというのだが、初めは拷問まがいの取り調べを受けたという。ところが敗戦が近くなると、刑事たちは「先生」と言いだし、それで署内で原子爆弾の説明を求められて、署員を前に講演したという。同志社大学の教授だった和田洋一(私の恩師なのだが)は、京都で新村出、中井正一、久野収らと同人誌「土曜日」を戦時下に細々と刊行した。和田は共産主義には批判的なクリスチャンだったが、特高刑事により治安維持法違反で逮捕されている。昭和十八年である。

 その刑事は、「おまえは一日二十四時間のうち一分一秒でもいいから、共産主義はいいと思っただろう」と問われている。自分はこの思想には反対だというと、「そんなことはいい。一分一秒でもいいから思ったことあるだろう」とあまりにも執拗(しつよう)なので、「一秒ぐらいならあるかもしれない」と答えると、「それだよ。おまえは治安維持法違反なんだ」と言われた。この顛末(てんまつ)を和田は戦後になって『灰色のユーモア』という書の中で明かしている。

 治安維持法の容疑者として逮捕され、その後釈放された者たちが一様に語っているが、戦争末期になると特高刑事たちは、そういう容疑者宅を回って、「俺はあんたを拷問していないよな。そのことを一筆書いてくれんか」と頼んで歩いたとのエピソードもある。

「あんた、俺を殴ったではないか」「いやあ一発二発ぐらいは大目に見ろよ」といった会話が交わされたというのである。

ファシズムは「行政独裁」と同義語

 こうした話を幾つも集めていくと、治安維持法が暴走していくプロセスが、人間社会の思惑と計算をこめてのことであり、ひとたび弾圧機構が自己回転していくととんでもない形になることがわかる。

 治安維持法は敗戦という事態でその醜悪な部分を露呈したのだが、共謀罪がもしこのような形で暴走するならば、歯止めはどのような形で収まるのだろうか。最低限度、共謀罪は取り調べの可視化が前提になるというのは当然のことであろう。

 すでに多くの論者が指摘しているように、治安維持法は当初は共産主義系団体やその構成員を対象にしていた。しかし、昭和八年の鍋山貞親や佐野学ら指導部の転向声明を機に、実質的に共産主義者は存在しえない状態になった。そこで特高警察は機構を縮小していったか。

 そんなことはない。むしろその体制を拡大して自由主義者、宗教家、文化人、労働者などのつくっている団体とそこに関係する「一般人」をターゲットにしていく。それを根絶やし状態にすると次は国家主義、民族主義陣営(いわゆる右翼)にとシフトしていく。

 太平洋戦争下では、戦時立法とからませながら軍事に抗する人たちをも個の中に入れていく。その自己増殖の激しさは、驚くほどのスピードで進んでいくのだ。

 昭和十八年一月一日、首相官邸でこの日の『朝日新聞』の朝刊の東方同志会・中野正剛による「戦時宰相論」を読んだ東條英機首相は、司法相の松阪広政にすぐに電話を入れ、中野の逮捕を命じている。中野は、検事による取り調べを受けるが、とくに該当する罪名はなく釈放。東條は憲兵隊に命じて中野の身柄を拘束して脅している。中野は「断」という一字を残して自決している。

 軍事独裁といい、ファシズムという。しかしこれは何も特別の事態を意味するのではない。東條の例を見てもわかるとおり、行政独裁と同義語なのである。行政、立法、司法の三権は分立しているのではなく、行政の下に立法も司法も隷属していることを指している。

 かつて安倍首相は「私は立法府の長である」と言って、あわてて取り消したというが、その心情は行政独裁国家にしますとの意思表示だったと考えれば、決して不思議ではない。しかも今回の共謀罪は統治主義から人治主義に変わる意味もある。この内閣の議会での答弁の、人を喰ったような内容は、行政独裁ならぬ「安倍独裁」との意味さえある。

 テロ準備罪と名を変え、国連からの忠告も無視する動きを見ていくと、私たちの二十一世紀は暗澹(あんたん)とした気持ちになってくる。私たちは今、「昭和の怪物」よりはるかに凶々(まがまが)しい「平成の怪物」の下に身を置いているのかもしれない。

(ノンフィクション作家・評論家 保阪正康)   


Posted by いざぁりん  at 22:54
平成の治安維持法が、成立しようとしています。
国民が弾圧される社会が、到来します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000108-mai-soci
(以下は、コピーです)
「共謀罪」法案を巡っては、法曹界や文壇など業種を問わず反対を表明する団体が相次いでいた。

 日本弁護士連合会(中本和洋会長)は3月の会長声明で「監視社会化を招き、人権や自由を広く侵害するおそれが強い」として法案の国会上程に反対した。衆院本会議で可決された5月にも声明を発表。対象となる277の罪には著作権法違反など組織犯罪やテロ犯罪とは関わりがない犯罪が含まれるとして、「一般市民も捜査の対象となり得る懸念は払拭(ふっしょく)できない」と批判していた。

 日本ペンクラブ(浅田次郎会長)は、2月に反対声明を出した。法案を「事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしている。人の心の中に手を突っ込み、憲法で絶対的に保障されている『内心の自由(思想信条の自由)』を侵害する」と疑問視。「自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由が根本から奪われる」と懸念していた。

 憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」は3月の声明で、テロ対策のために法案成立が必要との政府説明を「不十分」とした上で、「数の力で無理やり押し通せば、日本の議会制民主主義への信頼をますます損なう」と言及していた。

 「日本児童文学者協会」は5月の声明で、法律の目指すところを「国民の自由な意思表示や活動を抑え込み、物言わぬ国民を作ろうとするもの」と指摘。「こうした社会で、子どもたちが創造的なことばや思考を育んでいけるのでしょうか」と訴えた。「日本消費者連盟」も5月の反対声明で「インターネットへの捜査当局の侵入、盗聴、密告など、監視社会成立を執行の前提としている」と批判していた。【後藤豪】

 ◇「共謀罪」に対する主な団体の声明

 ◆日本弁護士連合会

監視社会化を招き、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強い

 ◆アムネスティ・インターナショナル日本

捜査機関が恣意(しい)的に運用すれば、特定の市民を狙い撃ちにすることが可能となる

 ◆日本ペンクラブ

共謀罪によってあなたの生活は監視され、テロリストに仕立てられる

 ◆立憲デモクラシーの会

国際組織犯罪防止条約を批准するために法案が必要という政府説明は極めて不十分

 ◆日本消費者連盟

消費者を守る活動も、場合によっては対象になりかねず、共謀罪は悪夢を正夢にする  


Posted by いざぁりん  at 22:50
こちらです。
http://digital.asahi.com/articles/ASK667JDPK66UTIL072.html?rm=475
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 「共謀罪」の趣旨を盛りこんだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。

 教育評論家の尾木直樹さん(70)は、「共謀罪」の賛否をめぐる国会論戦に疑問があるという。異なる意見を持つものにどう向き合うべきか、教育現場で得た経験から語ってくれた。

《こんな議論を国会で続けていたら、超まずいですよ。》

 国会審議を見ていても、与野党の主張が平行線のまま。これじゃ、国民の理解は深まりません。わたしもその一人です。

 五輪を無事に開催するにはテロ対策は重要。だからテロ防止に有効な国際条約に加盟するため、法整備が必要なんだ――。与党の説明はここまで、とってもわかりやすかったわ。

 ところが、条約に加わる指針をつくった米教授本人が「条約の目的はテロ対策ではない」と明言する報道で、混乱したの。野党が国会でこの点を突いても、与党は同じ説明を繰り返すだけ。正しい選択との確信があるのなら、「それでも我が国には、こんなメリットがある」などと反論してほしい。

 十人十色という言葉があるように、誰かと意見が異なるのは当たり前。大事なのは、自分と異なる意見にも耳を傾け、相手の立場になって受け止めること。それから、共通する大きな目的を達成するため、話し合うことです。

 生徒指導に長く関わった経験から言うと、ここで一番やっちゃいけないのは、時間切れの末の多数決なの。結論への納得感がないと、必ずトラブルが起きましたから。

 議論を戦わせて、両者が一番納得できる考えや、新たに生まれた第三の道が見いだせないうちは、継続審議にすべきです。国民的理解が得られないうちは慌てないのが、民主主義の原則ではないでしょうか。

 議論に応じたり、疑問に答えたり、そんな姿勢が感じられない国会でのやりとりを、子どもたちもよく見ているでしょう。大人として恥ずかしくて、子どもたちに謝りたい気分です。

 もう一つ。ようやく昨年18歳選挙権が導入され、本格化した主権者教育への影響も心配なの。

 子どもたちが興味を持って足を運ぼうとしている集会の主催団体が、実は捜査の対象になるかもしれないとわかったら、教師としては止めざるを得ません。

 軽々に動いちゃだめよ、と言い続けると、子どもたちの政治への関心にどんどんブレーキをかけることにもなる。子どもたちの関心もいつしか消えていくでしょうね。

 学校は民主主義のトレーニング場と言われます。「共謀罪」をめぐる議論って、本当はとってもいい学習素材になるはずなんだけど。

 そういえば、日本政府は18歳未満を「子ども」と定義する「子どもの権利条約」を94年に批准しています。18歳以上は成人なのだから、それに合わせて様々な国内法を整えなくてはならないのに、18歳選挙権が実現するまでに、20年以上も放置しました。

 すぐに対応しなければならない国際条約と、そうでない条約があるなんて、ご都合主義だし、一貫性がないと思わない?(聞き手・山本亮介)

     ◇

 〈おぎ・なおき〉 「尾木ママ」の愛称で親しまれる教育評論家。東京都内の私立高や公立中で22年間教壇に立ち、法政大教授(臨床教育学)を経て、現在は同大特任教授。著書に「取り残される日本の教育」「しつけない道徳」など。
  


Posted by いざぁりん  at 22:45
こちらです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000091-asahi-pol
(以下は、コピーです)
「共謀罪」法案を強引に会期内で成立させるため、自民、公明両党が強行路線に突き進んだ。法案の問題点や疑問点はいっこうに解消されず、加計学園問題など政府の調査結果を待つ問題も山積み。国会での追及を避けたい政権は、ひたすら幕引きを急いでいる。


 政権幹部が奇策を使ってまで国会の幕引きを急ぐ背景にあるのは、「国会を開いていれば、その分だけ支持率が下がる」(官邸幹部)との危機感だ。

 NHKが12日に放送した世論調査では内閣支持率が48%と前月の調査より3ポイント下落した。一方、不支持率は36%と6ポイント上昇。首相周辺はこの世論調査の後「支持率は政策の是非ではなく、『政権がうそを言っている』と思われるとガクンと下がる。次に何か起きたら、支持と不支持が逆転する」と不安を漏らした。

 その「何か」になる火種はくすぶり、国会論戦を続ければ一気に発火しかねない状況にある。

 まずは安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設をめぐる文部科学省の再調査だ。政権は当初、前川喜平・前文科次官が証言した「総理の意向」などと記された内部文書の存在を黙殺。前川氏のプライベートを攻撃して信頼性に疑問を突きつけ、「怪文書」とレッテルを貼りやり過ごしてきた。

 ところが、文科省の現職官僚が匿名で、朝日新聞など複数のメディアに文書の存在を告白。首相自身が「政権にとってダメージだ」と判断し、再調査に踏み切った。

 ある官邸幹部は「いったん文書の存在を認めると、また別の文書が出てくるかもしれない」と、文科官僚の「離反」を懸念。再調査をもとに国会で論戦の機会を設ければ野党から集中砲火を浴びるのは必至だ。官邸幹部は「会期を延長したら、次々と『集中審議を入れろ』と要求される。野党に問題追及の場を与えるだけだ」と漏らす。強引に国会を閉じても、政権が加計問題で批判にさらされ続けるよりはましというのだ。苦戦が伝えられる東京都議選を控えているのもこうした判断を後押ししている。

 しかし、今国会で様々な問題や疑惑にほおかむりを続ける姿は、加計問題にとどまらない。

 学校法人「森友学園」をめぐる国有地売却問題では、なぜ近隣の1割ほどの値段で売却されたのか、いまだに詳細を明らかにしていない。学園の籠池泰典氏が3月の証人喚問で100万円の寄付を受けたと証言した首相夫人の昭恵氏の証人喚問も門前払い。文科省の組織的な「天下り」あっせん問題でも、対象を全省庁に広げた調査を継続中。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊の日報を「廃棄した」としながら陸自内で保存していた問題では、稲田朋美防衛相は特別防衛監察が進行中であることを理由に詳細な説明を拒んだままだ。

 首相周辺は自嘲気味にこう語った。「逃げようとは思っていないが、危機管理の認識が甘かった」  


Posted by いざぁりん  at 22:40
こちらです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000083-dal-ent
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 スピリチュアリストの江原啓之(52)が14日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡る「総理のご意向」文書の再調査に関して、ヤンキー先生こと義家弘介文部科学副大臣(46)に「かつての義家先生はどこへ行かれたのかな」と苦言を呈した。

 加計学園の理事長は安倍晋三首相(62)の長年の友人。同学園による獣医学部新設計画を巡り、内閣府から文科省に「総理のご意向」と伝えられたなどとする記録文書が流出し、文科省は再調査を行っている。

 同文書では、新設について厳しい姿勢だったとされる義家氏だが、13日の参院農水委員会では「一般論として、当該告発の内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出させることは国家公務員法違反になる可能性があると認識しております」と、告発した職員を処分する可能性に言及した。

 関西テレビ「こころの学校~あなたは子供の心が見えてますか?~」(2007年)で義家氏と共にMCを務めた江原は「議員になられる前の義家さんも存じてるし、なる直前も知ってる」という間柄。「議員になられる前にいわれなきことをたくさん記事に書かれましたよね。あの時に先生はそうとう腹を立ててね、『正義は絶対に貫きたいんだ』って、私におっしゃいましたよね。そういう正義を貫くということの大切さってのは私もその時、とっても感動して、義家先生を応援しました」と、かつての義家氏の姿を語った。

 江原は「かつての義家先生はどこへ行かれたのかなと思って。ホントに今日のニュースは、残念に思ってます。今これがホントに義家先生の考え方でしょうかね?こういうふうになるために議員になられて、ホントにお幸せですか?今のようになりたかったんですか?それとも今、苦しい立場にいらっしゃるのかもれない。初心に返って、正義を貫くという義家先生に帰っていただきたいというふうに願っています」と、苦言を呈していた。  


Posted by いざぁりん  at 22:37
平成の治安維持法が、成立させられようとしています。
国民が弾圧される社会が、到来します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000038-mai-pol
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 自民党の松山政司参院国対委員長は14日午前、民進党の榛葉賀津也参院国対委員長と国会内で会談し、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」を提案した。榛葉氏は拒否したが、与党は14日中に参院本会議で中間報告し、同日夜にも本会議で同改正案を採決、成立させる異例の方向にかじを切った。民進党など野党は衆院に内閣不信任決議案を提出し、さらに抵抗する見通しだ。

 ◇野党、内閣不信任案提出へ

 参院本会議は14日午後、民進、共産両党が提出した金田勝年法相に対する問責決議案を与党の反対多数で否決する。一方、学校法人「加計学園」(岡山市)による国家戦略特区を利用した獣医学部新設計画に関連し、民進党が提出した山本幸三地方創生担当相に対する問責決議案は14日午前の参院本会議で与党などの反対多数で否決された。与党は二つの問責決議案の否決を踏まえ、組織犯罪処罰法改正案を採決する環境が整ったと判断した。

 これに先立ち、自民、公明両党の幹事長らは東京都内で会談し、18日までの会期内に同改正案を成立させる方針を確認した。自民党の吉田博美参院幹事長は「会期内成立に最大限の努力をする。任せてほしい」と表明した。

 公明党の山口那津男代表は14日午前の党会合で「野党はこれからも抵抗手段を尽くす可能性があり、緊迫した攻防になる」と述べた。参院法務委員会は同党の秋野公造氏が委員長を務めており、委員会採決時の混乱を避けるため、中間報告を容認する意見が大勢になっている。

 これに対し、民進党の蓮舫代表は14日午前の党会合で「安倍内閣は充実した審議よりも採決ありきだ。『共謀罪』(法案)は通すべきでない」と述べ、徹底抗戦を呼びかけた。同党の笠浩史国対委員長代理は記者会見で「内閣不信任案という選択肢も含めて緊張感を持って臨みたい」と述べた。

 与党は、野党が内閣不信任決議案を出しても速やかに否決し、組織犯罪処罰法改正案と、性犯罪を厳罰化する刑法改正案の会期内成立を図る。加計学園の問題に関する文部科学省の再調査結果は近く公表される見通しだが、国会を早期に閉会し、23日告示の東京都議選への影響をできるだけ少なくする思惑もある。  


Posted by いざぁりん  at 13:42
日本から、言論の自由が、失われようとしています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170614-00000007-mai-pol
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 「共謀罪」の成立要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案は週内に成立する見通しとなった。野党が13日、金田勝年法相に対する問責決議案を参院に提出し、参院法務委員会の審議が止まったことから、自民、公明両党は「審議は打ち切られた」と判断した。与党は14日の参院本会議で問責決議案を否決、改正案を15日に参院法務委員会で採決し、16日までに参院本会議で可決、成立させる方針だ。

 参院法務委は13日、改正案をめぐる参考人質疑と一般質疑を行った。

 自民党は断続的に行われた民進党との参院国対委員長会談などで採決に踏み切る姿勢を見せた。民進、共産両党などは採決を阻止するため、一般質疑の途中で問責決議案を提出。委員会は散会した。参院民進の榛葉賀津也国対委員長は記者会見で、提出理由について「(金田氏は)答弁が二転三転している。閣僚としての職責を果たしていない」と説明した。

 これに対し、自民幹部は「問責提出は、もう審議は必要ないという意味だ」と指摘した。野党は改正案の採決を阻止するため15日にも内閣不信任決議案を衆院に提出する構えだが、与党は衆院本会議で否決し、16日までに改正案を参院本会議で成立させる方針だ。自民党の衆参両院の幹部は13日夜に会談し、性犯罪を厳罰化する刑法改正案についても18日までの会期内成立を図る方針を確認した。

 一方、民進党は学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画を巡り、特区を担当する山本幸三地方創生担当相に対する問責決議案を参院に提出した。14日の参院本会議で否決される見通しだ。  


Posted by いざぁりん  at 08:42
こちらです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170612-00000075-sasahi-pol&p=1
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 安倍晋三首相と「腹心の友」の加計学園の疑惑が晴れないまま、国会は最終盤を迎えた。友はなぜ、獣医学部をつくろうとしているのか。

*  *  *
 依然として怪文書扱いであることに変わりはないようだ。前川喜平・前文部科学事務次官が「総理のご意向」などと書かれた加計学園獣医学部新設を巡る文書の存在を認めたのに続き、複数のメディアが現役の文科省職員もその文書の存在を認めたことを報じている。6月8日の官房長官会見では、記者が「複数のメディアが報じた内容はウソなのか?」と問う場面もあった。菅義偉官房長官は、

「嘘だとは言っていません。様々なご指摘を受けて、文部科学省において検討した結果、出所や入手経緯が明らかにされていない文書については、その存否や内容などの確認の調査を行う必要がない。そのように判断をしたということです」

●30年来の腹心の友

 9日、文科省は文書の追加調査の方針を示したが、文書の存在が問題視される理由は他でもない、安倍首相と加計学園理事長である加計孝太郎氏が親密な間柄にあるからだ。加計学園が経営する千葉科学大学(千葉県銚子市)の開学10周年の記念式典に参加した安倍首相。祝辞の中で加計氏を「30年来の友人である私と加計さんはまさに腹心の友」と語ったことは誰もが知るところ。二人の関係を知る政界関係者はこう話す。

「安倍さんが留学した南カリフォルニア大学で二人は知り合った。その後も神戸製鋼に入社した安倍さんと、岡山にいた加計さんの距離は縮まっていった。お坊ちゃん同士で気が合ったんでしょう」

 父親は外相や自民党幹事長を歴任した安倍晋太郎。母方の祖父に岸信介元首相を持つ安倍首相が政界きっての「世襲議員」であることは旧聞に属するが、加計氏も「世襲経営者」だ。

 加計学園の歴史は1955年に父親の故加計勉氏が大学受験予備校として設立した広島英数学館に始まる。62年には学校法人として岡山電機工業高等学校を設立し、学校経営に乗り出した。今では岡山理科大学を中心に、中四国地区屈指の教育グループになっている。加計氏が2代目の理事長に就任したのは、2001年のことだ。

 前出の政界関係者はこう話す。

「普通、大臣ですら利害関係がある人間と食事をしたりすることは避けるが、安倍さんは首相になっても変わらなかった」

 実際、朝日新聞の首相動静を見ても、13年11月以降、ゴルフ4回、会食11回をともにしている。その関係の近さから連日、野党から厳しい追及を受ける安倍首相。「腹心の友」が困っているのだから、加計氏も会見の席に着き、言葉を発する必要があるのではないか。

 獣医学部の建設が進む愛媛県今治市で4月11日、市民向けの説明会があった。住民のこんな質問に拍手が起きた。

「今治市の大きなお金を加計学園に出すわけですよね。それなのに理事長の加計孝太郎さんはなぜ、ここにいらっしゃらないんですか?」

 獣医学部新設の必要性自体に疑問が上がるなか、創設者となる加計氏の思いも問われている。そもそも、加計氏はなぜ、獣医学部をつくろうとしているのか。

●獣医学科に通う息子

 獣医師による政治団体・日本獣医師連盟委員長で、元自民党衆議院議員の北村直人さんは過去に2度、加計氏と会っている。

 06年の暮れから、関西の獣医師を通じ、面会の依頼があった。日本獣医師会が学校の設置認可を出せるわけでもなく、文科省から獣医師の養成にかかわる大学等の設置を認めない告示も出ている。それでも熱心な依頼は続いた。間に入っていた獣医師の顔を立てるため、北村さんは面会を受け入れた。加計氏が指定した東京・赤坂の小料理屋「佐藤」で向き合ったのは、07年2月。名刺交換を終えると、加計氏は単刀直入にこう切り出したという。

「獣医学部をつくりたいんです」

 ただ、教育や獣医学に関する考えや思いを話すことはない。北村さんは思わず問うた。

「ところで、なんで獣医学部なんですか?」

 北村さんは加計氏がこのように答えたと記憶している。

「息子が、鹿児島大学の獣医学科にいるんです。入学式のときに校舎や家畜センターを見て、これなら自分でもできると感じました。獣医学部は受験倍率も安定して高い」

 教育ビジネスとしてやるなら、もうからないのでやめたほうがいい。北村さんはそうアドバイスし、最後に交わしたこんな会話を覚えている。

「加計さんに地元の岡山で親しい政治家はいるのかと尋ねたところ、彼は『安倍晋三です』と」

●沈黙する加計氏

 14年、北村さんは再び加計氏と顔を合わせる。年初から、日本獣医師会会長の藏内勇夫さん、そして北村さんに会いたいと加計氏から打診があった。7年が経過していたが、その間、獣医師界の状況は変わらない。ただ、加計学園が構造改革特区に申請をし続けていることは知っていた。どれだけ熱い思いを持っているのか。日程を調整し、同年3月13日に日本獣医師会内の会議室で面会した。

 加計氏は息子と、文科省のOBだという男性の3人で訪れた。名刺を交換し、座ったきり話さない。北村さんが沈黙を破った。

「安倍さんから言われてきたんでしょ?」

「はい」とも「いいえ」とも言わない。加計氏は目をそらし、下を向いたという。

「日本獣医師会が許認可権を持っているわけでもなく、最初に会ったときと同じ説明をしました。加計氏から『獣医学部をつくりたい。ぜひ協力していただきたい』という言葉は出たが、それを言ったきり、黙り込んだ。会話にならず、10分か15分いたかどうかです」

 不思議な人だった。北村さんはそう振り返り、こう続けた。

「いま可哀想なのは、今治市民と愛媛県民だ。本当に加計孝太郎氏が教育者ならば、私学の創設者ならば、自分の財産をなげうって、やるべきです」

 こうした事実関係を加計学園側に尋ねたが、締め切りまでに異論を唱えることはなかった。

 今治市議会は今年3月、獣医学部の校舎建設費などにかかる費用192億円の半分と、建設用地(16.8ヘクタール)を無償譲渡することを決めた。愛媛県議の福田剛さんはこう話す。

「特別なインセンティブを出さないと、今治には学校は来てくれないと説明を受けたが、土地まで無償譲渡する必要はあるのか。建設費などにかかる費用は愛媛県も負担するとなっているが、決まった数字はなく、今治市の負担は計り知れない」

●1年前から今治が話題

 今治市民で「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦さんは、こう訴える。

「国家戦略特区で大学をつくるのに、なぜ自治体が全額負担しなければならないのか。今治市は常日頃からお金がないと言う。地元のために使うべきだ」

 とはいえ、まだ正式に獣医学部の新設が認可されたわけではない。文科省の大学設置・学校法人審議会の審査を経て、8月末に認可・不認可が決められる。過去には幸福の科学大学のように不認可となった例もある。

 文科省に審査状況について尋ねると、「公平公正な審査環境を確保する観点から、審査状況や審議会の専門委員の氏名、実地審査の有無、すべて非公開」と回答した。審査状況で特に気になるのが、教員の確保だ。加計学園の獣医学部の定員は全国最大の160人。教員は70人を想定している。獣医師系大学の准教授(獣医師)はこう話す。

「日本の獣医系大学の教員はすべて合わせても700人くらい。今でも獣医学部の教員は公募をかけても分野によっては応募が少ない。特に臨床経験があって教育もできる人が非常に少ない。定年を迎えた先生か、海外でポスドク(博士研究員)をしている若手くらいしか集まらないのではないか」

 また、同准教授によると、1年ほど前から、学会などで他大学の教員に会うと、「おたくの大学では今治行く人いないの?」という会話が出ていたという。加計学園が政府の国家戦略特区制度を活用した獣医学部新設計画の事業者に決まったのは、今年1月のことである。  


Posted by いざぁりん  at 01:19
こちらです。
https://dot.asahi.com/wa/2017061200060.html
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「週刊朝日」6月23日号で、文部科学省の「内部文書」以外にも、苛烈な「官邸支配」を示す数々の新証言を明かした前川喜平・前文科事務次官。前川氏は、さらに自身に降りかかる“人格攻撃”への対応と、加計学園問題と森友学園の問題に共通する司令塔の存在を明らかにした。

 次々と驚くべき証言を続ける前川氏に対し、執拗な「ネガティブキャンペーン」が行われている。

 まず不可解だったのは、5月22日、読売新聞が朝刊で突如として報じた前川氏の「出会い系バー通い」だ。実は、前川氏にはこの前日に意味深な“打診”があったという。

「報道で内部文書が出る直前の5月21日、文科省の後輩からメールで、『和泉(洋人首相補佐官)さんが話がしたいと言ったら会う意向はありますか』と、婉曲的な言い方のメールが来た。同じ日の少し前に、読売新聞から出会い系バーの件で『明日の朝刊に書こうと思っているけど、コメントが欲しい』とメールが来ていた。推測の域を出ませんが、タイミングからして『お前の振る舞いによっては読売を抑えてやるぞ』という話なのかと受け取りましたが、和泉氏に会うつもりはまったくありませんでした」

 菅義偉官房長官は繰り返し、前川氏に対し、“人格攻撃”した。天下り問題ですぐ辞任せず「地位に恋々としがみついた」とも発言している。

 6月5日の国会答弁でも、前川氏が3月まで定年を延長したいと打診してきたこと、天下り問題への世論が厳しい状況になって初めて(1月20日に)辞任したことなどを主張。

 だが、これらは前川氏自身の認識とまったく食い違う。

「私が辞任せざるを得ないとはっきり考えたのは1月4日、御用始めの日です。5日には松野(博一文科)大臣に意思を伝え、一両日中には杉田官房副長官にも報告し、ご了解をいただいた。天下り問題の報道が出たのは1月18日ですから、世論が騒いだから辞めざるを得なかったというのは事実に反します。定年延長をしてほしい、定年延長ができないならせめて3月末まで次官を続けさせてほしいなどと言ったことは断じてありません。地位に恋々としてクビを切られたと言われるのは、極めて不本意です」

 前川氏はメディアを通じてこうした主張を再三、公表したが、菅官房長官が発言を訂正する気配はないので、前川氏は法的措置も検討しているという。

「私が反論をした後にも、菅官房長官は同じことをおっしゃっている。出会い系バーの話もそうですが、私の信用を落とす意図があるのではないか。事実に基づかない個人攻撃には、名誉毀損(きそん)で刑事告訴という対応もあり得ます。私の辞任の経緯を知る人はたくさんいますから、法廷で事実関係が明らかになると思います」

 菅官房長官らが強固に否定しても文科省内部からの情報漏えいが相次ぎ、ついには松野文科相が再調査を宣言する事態となったが、前川氏はこう振り返る。

「出てきた資料の性質などからして、情報はおそらく(省内の)3人くらいから、それぞれ別のルートで出ていたのではないか。今は官邸の力が圧倒的に強いわけで、文科省は本当のことを言えない状態がずっと続いていて、そのことに省内は皆、耐えられなくなっていた。大臣、副大臣を含め、文科省の現役の皆さんの苦衷は想像以上のものだと思います」

 前川氏は自分が関わった加計学園問題と同じく首相の“おトモダチ案件”として疑惑を呼んでいる森友学園問題について、ある共通性が見いだせると話す。

 それは、共通の「司令塔」の存在だ。

「森友問題も加計問題も地方と国が同時に関わり、国の中でも複数の省庁にまたがる案件。そういった多くのプレーヤーをうまく組み合わせて全体を調整する司令塔がいないと、うまくいかない。役所のどこを押せばどう動くかということを熟知した人間がいなければなりませんし、そういう才能を持った人なんて、そう多くはいません。官邸の中でも、私には今井尚哉首相秘書官(叔父は安倍首相と近い今井敬経団連名誉会長)、和泉首相補佐官くらいしか思い当たりません」(前川氏)

 そして、今回の産業遺産なども含め、安倍政権下で続出する「ゴリ押し案件」の本質をこう分析した。

「加計学園の件にしても産業遺産の件にしても、大がかりな仕掛けの中で、一見正当な手続きを踏んだかたちをとって、実態としては特定の件を特別扱いすることを正当化する。こういう手法がものすごく増えてきているように感じます」

加計学園の獣医学部は国家戦略特区の指定を受けているものの、設置の認可は受けていない。前川氏はこう提言する。

「たとえ設置審議会で認可相当と結論が出ても、文科省はすぐに認可せず、もう一度国家戦略特区諮問会議にかけるよう内閣府に求めるべきではないかと思います。加計学園が特区での特例を認めた際の『4条件』に合致しているのかは、未だにきちんと検証されていないと私は思います。文科省としては責任を負いかねる状態なのです」
  


Posted by いざぁりん  at 01:19
「明治学院大学法学部卒業。
元日本共産党員でしんぶん赤旗にも何度か登場していましたが、
現在は反共の姿勢を示し、教育についても国家主義的な教育観を
展開しています」
とのことです。
http://www.airly.net/%E7%BE%A9%E5%AE%B6%E5%BC%98%E4%BB%8B%E5%89%AF%E5%A4%A7%E8%87%A3%E3%81%AE%E5%8A%A0%E8%A8%88%E5%AD%A6%E5%9C%92%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%99%BA%E8%A8%80%E3%81%AB%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%8B/  


Posted by いざぁりん  at 01:18
副大臣による、弱い者いじめでは?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000059-asahi-pol
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 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設問題で、「総理のご意向」と書かれた文書の存在などを告発した文部科学省の内部告発者について、義家弘介文科副大臣は13日の参院農林水産委員会で、国家公務員法違反(守秘義務違反)で処分する可能性を示唆した。

 自由党の森ゆうこ氏は、「文科省の文書再調査は(文書の存在をあると告発した)犯人捜しのためにやっているという話も出ている。今回告発した人は公益通報者にあたると思うが、権利を守る意識はあるか」と尋ねた。

 これに対し、義家氏は「文科省の現職職員が公益通報制度の対象になるには、告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかにすることが必要だ」と説明。さらに森氏が「『(告発者を)守る』と言えないのか。勇気を持って告発した人たちの権利を守ると言って欲しい」と求めると、義家氏は「一般論」と断った上で、「告発内容が法令違反に該当しない場合、非公知の行政運営上のプロセスを上司の許可無く外部に流出されることは、国家公務員法(違反)になる可能性がある」と述べた。

 森氏は「残念な発言だ。この件に関して報復の動きがあったら許さない」と述べた。  


Posted by いざぁりん  at 01:18
スタップ細胞を、思い出します。
https://gyao.yahoo.co.jp/player/00837/v09774/v0969400000000539929/?bplay=1
(以下は、コピーです)
■内容・ストーリー
作家としての成功を夢見ながらもなかなか芽が出ないローリー。妻のドラは、どんな時でも夫の才能を信じ見守っていた。ある時彼は新婚旅行先の骨董屋で、古いアタッシュケースを見つける。中に入っていたのは、一束の原稿。それは、彼が書きたいと切望してきた、読む者の人生観を変えてしまうような魅力的な作品だった。ローリーはつい出来心からその原稿を自分のものとして発表してしまうのだった。それはたちまちベストセラーとなり、ローリーに金と名声を与えた。作家としての知名度もうなぎのぼりになっていた頃、1人の老人と出会うのだった……。  


Posted by いざぁりん  at 01:17
スタップ細胞を、思い出します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000030-jij_afp-int
(以下は、コピーです)
 インド出身の登山家サチャラプ・シッダーンタ(Satyarup Siddhanta)さんが、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の登頂捏造(ねつぞう)問題の渦中に巻き込まれたことに気が付いたのは、登頂を偽ったあるインド人夫婦の報道を目にした時だった。


 夫婦は登頂成功の証拠とされる写真を提出してネパール当局から登頂証明書を受理したが、他の登山家らから疑惑の目が向けられた。調査の結果、夫婦が別の登山家の写真を加工し、自分たちの顔を合成していたことが判明した。その「別の登山家」こそが、シッダーンタさんだったのだ。
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 世界屈指の高峰の多くで、登頂は自己申告に基づいて認定されている。高高度を目指す登山家の数が限られていた時代は、この自己申告制が問題なく機能していた。
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 しかしエベレストに挑む登山者数が急増するにつれ、より科学的な登頂証明が必要ではないかという声が強まっている。
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 エベレストの場合、登山者は山頂で撮影した写真に加え、チームリーダーとベースキャンプに駐在する政府の連絡員からの報告書を、ネパールまたは中国の当局に提出しなければならない。
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 ディネーシュ・ラソッド(Dinesh Rathod)さんと妻のタラケシュワリ(Tarakeshwari Rathod)さんも、昨年この規定通りの「証拠」を提出したが、他の登山家らから夫婦の話と写真のつじつまが合わないという指摘が寄せられた。
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 ある写真には、シッダーンタさんの顔の上にタラケシュワリさんの顔を重ね合わせ、シッダーンタさんのブーツの色を変え、両手にインド国旗を持たせるという加工が施されていた。別の1枚では、シッダーンタさんとディネーシュさんの顔が差し替えられていた。
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 シッダーンタさんはAFPに対し、「自分の手元にある写真と見比べて仰天した。自分の写真だったから」と語った。
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 ラソッド夫婦の登頂証明書は破棄され、ネパール当局から向こう10年間の登山禁止処分が科された。



■登山者の増加に伴う「プレッシャー」の存在

 標高8848メートルのエベレスト登頂に成功すれば、登山家としての経歴に箔(はく)が付き、後に講演や執筆業といった活動につながることも多い。
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 しかし登山者の増加に伴い、エベレストへの挑戦が一握りの登山家だけのものではなくなるにつれて、頂上に達することへの新たな圧力が生じている。とりわけスポンサーからの資金提供や募金で登頂を目指す人々にとっては、その圧力はますます大きくなる。
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 ドイツのジャーナリストで自ら登山家でもあるビリ・ビヤリング(Billi Bierling)氏は、「かつて登山は競技スポーツではなかったが、今では『一番』になる道を見出さなければという非常に大きなプレッシャーがある。スポンサーを探さなければならないというプレッシャーや、さらには他に抜きん出なければならないというプレッシャーもある」と指摘している。
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 結果、登頂に失敗したにもかかわらず、賄賂を渡して登頂証明を得ようとする登山者が出てきている。
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 また登山を格安でサポートする企業がこぞってエベレスト登山に参入し始めるようになって、業界内での競争にも拍車が掛かっている。
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 登山支援業者らは登頂記録に傷を付けまいと躍起になり、100%の登頂成功率を維持しようと、山頂まで到達できなくても登頂証明書の発行を受けたという報告も複数ある。
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 ネパール当局は、登山者に全地球測位システム(GPS)発信器の携行を求めることも検討しているが、小さな発信機である以上、他の登山者に容易に託せるという抜け道が残る。
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■競争にこだわらない高潔のスポーツだったはずが…

 ヒマラヤ(Himalaya)登山については、長年その記録をまとめ非常に信頼度が高いとされる「ヒマラヤン・データベース(Himalayan Database)」が存在する。
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 1920年以降、ネパール国内約400か所の登山記録を保管しているこのデータベースは、著名山岳ジャーナリストのエリザベス・アン・ホーリー (Elizabeth Ann Hawley)氏(92)が立ち上げた。ホーリー氏は、エベレスト登頂を世界で初めて達成したニュージーランドの登山家、故エドモンド・ヒラリー(Edmund Hillary)氏が「登山界のシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)」と呼んだ女性だ。
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 近年このデータベースの管理業務の大部分を担当しているビヤリング氏は、「登頂したと報告を受ければ、私はその人を信じる。うそをつけば、死ぬまでそれを背負って生きなければならないのはその人だから」と話している。
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 同データベースのエベレスト登頂記録には、「確認中」が21件、また登山家が主張通りに登頂を達成しなかったことが既に判明している「非公認」が18件ある。
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 ビヤリング氏は「登山はかつて高潔なものだった。登山家の言葉が信用できなくなったら──それは悲しいことだ」と嘆いた。【
  


Posted by いざぁりん  at 01:17