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こちらです。
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2014/10/1015.html
(以下は、コピーです)


2014年10月15日(水)

急増する代理出産 “先進国”アメリカの苦悩






この夏、タイで日本人男性が代理出産でもうけたとする多数の乳幼児が保護されるなど、問題が指摘される代理出産。その代理出産に、40年前世界で初めて踏み切ったのがアメリカだ。家族形態の多様化が進む中で希望者は増え続け、今では年に2000人が代理出産で生まれているとされる。しかし明確なルールはいまだ未整備。医療の進歩によって胎児の病気を発見できるようになったことで、トラブルになるケースも増えている。日本でも法制化に向けた議論が進むなか、代理出産とどう向き合うべきか、アメリカの事例をもとに考える。
出演:山澤里奈(国際部記者)




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有馬
「代理出産を依頼した夫婦が赤ちゃんに障害があるとして引き取りを拒否したり、日本人の男性が代理出産でもうけたとする乳幼児が多数保護されたりと、この夏、『代理出産』に大きな関心が集まりました。」



加藤
「日本には代理出産に関する法律はなく、国内での実施は禁止されています。
子どもをもうけるために、他人の体を使って良いのかという倫理上の問題と、出産のリスクを代理母に負わせる医療上の問題があるというのがその理由です。」



有馬
「およそ40年前、世界で初めて代理出産を行ったのはアメリカ。
その後、数多くの実績を重ねてきましたが、いまだにさまざまな問題に直面しています。」
.


アメリカが直面する“代理出産”の現状





先月(9月)、バージニア州で開かれた代理出産についての説明会です。
国内外で代理出産を希望する人など60人以上が参加しました。
代理出産に望みを託すのは、人もスタイルもさまざま。
独身の人や、同性愛のカップルの姿もありました。








参加者
「理想の男性が現れるのを待つのはやめて、代理出産で子どもをつくり、育てたいです。」










参加者
「同性愛者の僕らも代理出産で子どもを授かり、家庭を築きたいと思っています。」








およそ7割の州で、代理出産が認められているアメリカ。
代理出産で産まれる子どもは、この10年ほどで3倍近く増え、年間2,000人以上に上っています。
今、多くの問題もクローズアップされるようになっています。
代理出産でトラブルを抱えた人が相談に訪れるという弁護士事務所を訪ねました。




アンドリュー・ボルチマー弁護士
「私は代理出産を専門に担当する“生殖医療弁護士”です。」

この弁護士が扱うのは、年間450件。
20年で6倍に増えました。
特に増えているのが、胎児に病気が見つかった場合どうするか、という問題です。
医療技術の進歩によって、胎児の状態が早期に詳しくわかるようになったことが背景にあります。




アンドリュー・ボルチマー弁護士
「代理母と依頼主の間で、産むべきかどうか意見が食い違い、争うケースが増えています。」










代理母として、依頼主との深刻なトラブルに直面したヘザー・ライスさんです。
仕事をしながら1人で子どもを育てていたヘザーさん。
4年前、インターネットで代理母の募集広告を目にし、依頼主の夫婦と知り合いました。
生活費を得ながら、人の役にも立てると考え、日本円で250万円の報酬で代理母を引き受けました。








代理母を経験した ヘザー・ライスさん
「家族を養っていくためにも何かしなければなりませんでした。
代理母になることで、人に子どもをもつ喜びを与えられると考えたのです。」







しかし、ヘザーさんは、依頼主夫婦の受精卵を移植した後、思いもよらない事態に直面します。
妊娠4か月の検査で、胎児の脳に重い障害があることが判明。
依頼主が中絶を求めてきたのです。
こうしたケースにどう対応するのか、契約は交わしていませんでした。

代理母を経験した ヘザー・ライスさん
「依頼主がなぜ自分の子どもを殺せるのかわかりませんでした。
私はこの子を殺すことはできないと依頼主に言いました。
私の子どもではありませんが、命を守る責任があると考えたからです。」

胎児をどうするか、ヘザーさんと依頼主、双方が弁護士を介して話し合ったものの、結論は出ませんでした。
胎児は大きくなり、結局ヘザーさんは男の子を出産。
男の子は依頼主夫婦に引き取られましたが、連絡が途絶えてしまいました。

代理母を経験した ヘザー・ライスさん
「いったいどこで、どうしているのかもわかりません。
思い出すたびに、胸が締めつけられます。
私が命を与えたのですから。」

こうしたトラブルをどうすれば防ぐことが出来るのか、代理出産の仲介業者は対応を迫られています。
この業者は、依頼主と代理母が交わす契約書に、さまざまな事態にどう対応するかを書き込むことで、トラブルを防ごうとしています。




代理出産の仲介業者 メリッサ・ブリスマンさん
「代理母が見つかったら契約書を作成しましょう。
そこが一番肝心よ。」







胎児に病気や障害が見つかった場合にどう対応するか。
母体に危険が迫るなど、どのような状況になったら子どもを諦めるのか。
依頼主が死亡したり、離婚した場合に、誰が産まれてくる子どもを引き取るのか。
契約書の項目は、60以上に及びます。




この業者の仲介で代理母と契約し、双子を授かったロミンスキーさん夫妻。
契約書の内容を、1年かけて9回書き直しました。










代理出産を依頼した キム・ロミンスキーさん
「代理出産に踏み切る前に、何度も自問しました。
考えたくもないようなことまで、夫婦でとことん話し合いました。」







出産を第三者に託すことの難しさを痛感した2人。
最終的に、子どもにどんな障害があっても受け入れると決めました。

代理出産を依頼した キム・ロミンスキーさん
「子どもを授かり、とても幸せです。
つらい思いはすべて消えました。」




代理出産の仲介業者 メリッサ・ブリスマンさん
「どれだけ詳細な契約を結んでも、すべての問題を回避するのは不可能です。
人命に関わることだけに、当事者が話し合い、理解し合うことが大切なのです。」







40年たってもなお代理出産をめぐる問題に直面するアメリカ。
仲介者を登録制にするなど、さらなる規制を求める声もあがっています。






アメリカが直面する“代理出産”の現状


有馬
「スタジオには、取材した国際部の山澤記者です。
命をめぐる問題だけに、代理出産の先進地アメリカでも、なかなか割り切れないというか、答えを出し切れないというか、悩みはあるようですね?」




山澤記者
「そうですね。
医療技術の進歩が、逆に倫理的な難しさに拍車をかけているといった状況なんですね。
さまざまな出生前診断がどんどんに開発されまして、子どもの障害を見つけるという技術は格段に進歩したわけです。
ただ、病気や障害が見つかった時にどう対応するか、それは本当に夫婦だけで結論を出すのも難しい問題なわけですけれども、代理出産ですと夫婦の他に代理母の意見というものも入ってくるので、より答えを出すのが難しくなっているということなんですね。」






当事者間の“契約書”とは?


有馬
「VTRにありました、トラブルを避けるために、当事者同士が契約書を交わすべきだという話なんですけど、これ、どんな内容なんですか?
それで、実際に効果はあるものなのですか?」

山澤記者
「実はこの契約書、特に決まったフォーマットというのはなくて、業者ごとに違うんですね。
私が取材した業者なんかは、VTRの60項目といっていましたけども、依頼主によっては付け足して80項目ぐらいになったり、増やすこともできるわけですね。
ただ、多くの業者が必ず盛り込むようにしているのは胎児に病気や障害があった場合どうするか、子どもの命をめぐる点なんです。
代理出産は、依頼主と代理母の間で行われる、要は子供が生まれる前、子供なしでの契約になるので、『子供が生まれた時に幸せに暮らしていけるかどうか、その点を重視していかなきゃいけない』と業者は話していました。
その効果ですけれども、こうした内容を盛り込むこと、事前に決めておけば、そうなった場合にスムーズに対応できる、トラブルなく対応できるということはもちろんなんですが、それ以上に、代理出産というこの長いプロセスを始める前に、依頼主の夫婦がきちんと起こりうる問題と向き合って考える、夫婦できちんと話をするということが大事で、それが、結果的にトラブルを防ぐことにもつながっているということなんですね。」

有馬
「いろんな問題の可能性ありますからね。」

山澤記者
「そうですね。」






日本の実態は?


加藤
「日本国内では代理出産は禁止されていて、希望する人は海外に渡るしかないわけですが、そうしたケースはどのくらいあるんでしょうか?」

山澤記者
「日本では代理出産を含め生殖医療に関する法律っていうのが全くなくて、実態というのは全く把握出来てないんですね。
ただ、我々の取材でもそれなりの数の日本人が海外で代理出産に臨んでいるということがわかりました。
これまで、そういった方々というのは、主にアメリカで臨む方が多かったんですけれども、その場合費用というのが、滞在費、それから渡航費を含めると1,500万円、2,000万円かなり高額がかかると。
それを負担するのが難しい人たちが、最近ではタイやメキシコといった数百万ぐらいで出来るところで代理出産に臨んでいるという状況なんですけれども、ただ、その一方で医療設備の問題ですとか詐欺まがいな目に遭ったというふうに訴える人たちも出てきています。」






日本の対応は?


加藤
「そうした実態に日本はどう対応しようとしているんでしょうか?」

山澤記者
「日本は国内で実施を禁止して、いわば海外に渡る人たちの実態に目をつむってきたわけですね。
ただ、そういう依頼者の増加に伴って、国ももう対応を迫られて、今は自民党の作業チームが、一定のルールのもとで代理出産を認めるべきかどうか、議論を始めています。
この議論されている法案、現段階では代理出産を極めて限定的に認めようとしています。




その条件、こちらなんですけれども、『病気などで子宮がない』場合、そして『卵子と精子は夫婦のもの』を使う、それから『代理母も仲介者も報酬は受け取ってはいけない』と、こういう3項目で今、検討を進めているんです。
この法案が通れば、病気で子宮がない女性などにとっては国内での代理出産の道を広げる一歩になると思うんですけれども、一方で海外に今、渡って代理出産をやっている方々というのは、必ずしも病気で子宮がない人だけではなくて、高齢で自分では出産できなくなった女性もいますし、あと、妊娠というのは母体に危険が伴うものですから、その危険を報酬なしで受ける代理母がいるのかどうかということもあって、結局この法案ができても、海外に渡る人が減らないんじゃないかという批判もありますね。」






代理出産 今後は?


有馬
「そうすると、日本の中で、日本一国で禁止、規制をしたとしても問題というんですかね、事態が他の国に横滑りしちゃうということですよね。
これから、何が大事だっていうふうに考えればいいんでしょう?」

山澤記者
「きちんとした規制というのはすごく大事だと思います。
例えばイギリスではですね、国内で一定的に代理出産を認める一方で、海外で代理出産をする場合は、『こういうトラブルがありますよ』とか、じゃあ『その前にどうやって対応すべきですか』っていうことを国がガイドラインを作って、注意を呼びかけるっていう対応を行っているんですね。
今後、代理出産に臨む人というのは増え続けると思います。
だから、国として何を規制して、何を認めるのか、生まれてくる子どもの命や将来への責任を考えた上での対応が求められていると思います。」




Posted by いざぁりん  at 00:47