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こちらです。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150902ddm003050136000c.html
(以下は、コピーです)
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が1日、佐野研二郎氏(43)がデザインしたエンブレムの撤回を決めた。組織委は独自性を強調してきたが、ネット上で次々と発覚するデザインの類似性などに国民やスポンサーからの不信が高まり続け、一転して「国民の支援がないと、使い続けることはできない」(武藤敏郎事務総長)と追い込まれた。総工費が高騰した新国立競技場に続き国民の批判に耐えられなくなった。【藤野智成、新井隆一、野原大輔、片平知宏】

 ◇原案提示が不信増幅

 東京五輪の開幕5年前の節目に都庁前の特設会場で華々しく発表されてから1カ月余り。組織委の森喜朗会長や遠藤利明五輪担当相らが集まった臨時の調整会議では撤回に「静まりかえっていた」という。

 その後、首相官邸を訪れた森会長は記者団に「しゃべる義務はない」と一言。ショックの大きさを物語っていた。

 デザインのベルギーのリエージュ劇場のロゴとの酷似が報じられた7月末以降、ネット上では佐野氏のデザインと、それに類似した作品が続々と指摘されて国民の不信は高まる一方だった。政府関係者は「自ら取り下げてもらうほかはない」と頭を抱えていた。それでも、先月14日に佐野氏の事務所が手掛けたサントリーの賞品のデザインで、佐野氏がトレース(引き写し)を認めてもなお、組織委は「エンブレムとは別物」と突っぱね、同日に劇場などから使用差し止めを求めて提訴されると強硬に反論した。

 政府関係者によると、組織委が撤回の決断をしたのは31日。官邸にも同日中に連絡があった。組織委は事態の収拾を図ろうと28日に原案を公開したが、ここで公開した画像で佐野氏も認めた新たな流用が即座にネット上から発覚した。政府関係者は「ネットで次々と似ているものが指摘される。10年前では考えられないことだ。火の粉を振り払うはずが燃え広がった」とため息をつく。ただちに組織委は佐野氏からも事情聴取。佐野氏が撤回を申し出て一気に決着した。

 安倍晋三首相は防災訓練のため訪れていた東京都立川市で記者団に「組織委で状況を判断したのだろう」と発言。官邸が乗り出すことで、従来案を白紙撤回した新国立競技場の建設問題とは別との立場を崩していない。ただ、相次ぐ五輪関連の失態は、安倍政権のイメージダウンにつながり、東京五輪への期待もしぼみかねない。新国立の経緯の説明がテーマだった自民党内閣部会の最中にエンブレムの使用中止を報道で知った議員からは「当然だ。なぜこんなに引っ張ったのか」(秋元司内閣部会長)との怒りの声が上がった。

 東京が招致を勝ち取って7日で2年になる。招致段階で東京が抜け出した原動力の一つが「安全、安心」だった。国際大会の開催経験も豊富なことから確実な運営を期待されたが、新国立競技場に続くお粗末。組織委周辺からも「国際オリンピック委員会(IOC)の信用を失う」との懸念が強まっている。

 責任を追及された武藤事務総長は「選んだのは審査委員会」「我々はデザインの専門的知識を持っているわけではない」と繰り返した。その言い回しは、総工費が高騰して白紙撤回した新国立競技場の混乱で政府などが繰り返した答弁に似ている。いったい責任の所在はどこなのか。十分な説明を欠いたままで五輪の準備を進めれば、国民の支持だけでなく国際的な信用も失いかねない。

 ◇スポンサーの圧力も

 テレビ放映権と並び、大会組織委員会の予算を支える大きな柱が、国内スポンサー企業からの協賛金だ。国内スポンサーは協賛額で3階層に分かれる。今年立て続けに決まった最高位の「ゴールドパートナー」は協賛金150億円を目安に調印しており、その数は13社。契約総額は2000億円前後に達しており、IOCから「世界記録(の金額)」のお墨付きを得るほど好調だった。大会エンブレムはスポンサー企業が商品や広告などに独占的に使用できる特権だった。

 7月下旬にエンブレムが決まると、さっそくスポンサー企業のテレビ広告などが流れ始め、自社ホームページ(HP)にもあしらう企業が増えた。毎日新聞がゴールドパートナー13社に聞き取りをしたところ、11社が何らかの形でエンブレムの使用を開始しており、残る2社も広告などを検討している段階だった。

 しかし、巨費の対価として得た特権も佐野氏のデザインに批判が集まったことで暗雲をもたらした。テレビCMに使用した、あるスポンサー企業は消費者からの「こんな疑惑のマークを使っていいのか」との苦情電話の対応に追われたという。この企業の幹部は「大金を支払って、企業イメージが悪化するというのは最悪だ。ふざけるなという思いだ」と怒り心頭だ。ある政府関係者は「(撤回の背景は)スポンサーの圧力が大きかった。150億円も払ったのだから当然」とみる。

 武藤事務総長は「スポンサーの皆さんにはご迷惑をかけることになる。出直すことがベストと懸命な説明をしていきたい」と苦しい胸の内を明かす。突然の撤回に企業はさっそく対応に乗り出した。三井不動産やNTTは自社のHPからエンブレムを外した。協賛金が1社当たり60億円前後となる上から2番目のカテゴリー「オフィシャルパートナー」に属する日本航空は羽田空港内の駅などに設置した自社看板を撤去する方針だが「損失は避けられない」と困惑した。



Posted by いざぁりん  at 00:22