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安倍総理由来の、対中戦争が始まることでしょう。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151001-00044877-jbpressz-int
(以下は、コピーです)

アメリカ連邦議会上院軍事委員会が公聴会を開いた。出席を求められたのはシャー(Shear)国防次官補(アジア太平洋安全保障担当)と太平洋軍司令官ハリス海軍大将である。

 そこで取り上げられた問題の1つが、アメリカ軍が南沙諸島で中国が建設中の人工島に対して適切に「FONプログラム」を実施しているのか?  という問題であった。

■ アメリカは自由航行原則の番人でなければならない

 FONプログラムとは「Freedom of Navigation (自由航行原則)プログラム」の略語であり、「世界中の海洋で自由航行原則が脅かされる可能性がある場合、そのような事態の是正を求める」というアメリカの国家政策を意味する。

 具体的には、自由航行原則を侵害するような政策を打ち出している国家に対して、国務省のFON担当外交団が警告を与えたり是正のための話し合いをしたりという外交的手段をまずは実施する。それとともに、問題となっている海域に軍艦や航空機を派遣して「アメリカ政府は断固として自由航行原則を守り抜くぞ」という意思表示を行うのである。

 後者は、当事国にとっては軍事力による威圧とも受け取られかねないが、それほど「自由航行原則」の維持はアメリカの国策にとってプライオリティが高い事項であるということなのだ。

 18世紀後半から19世紀初頭にかけて北アフリカ沿岸で海賊集団が猛威を振るっていた。その脅威から地中海と大西洋での「自由航行原則」を守るために、誕生後間もなかったアメリカ海軍・海兵隊は強化されたと言っても過言ではない。
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 また、第1次世界大戦を講和に導いたウィルソン米大統領の「14箇条平和原則」でも「自由航行原則」は声高に謳われていた。そして第2次世界大戦にアメリカが参戦する以前には、「自由航行原則」を維持するためには戦争をも辞さないといった趣旨の演説をルーズベルト米大統領が行っている。

 このような伝統を踏まえて、1979年以降は大統領の指示という形をとってFONプログラムが施行されており、それを受けてアメリカ国防総省は海軍艦艇や航空機を用いてのFON作戦を実施しているのである。その実施状況概要は、毎年レポートにまとめられて公開されることになっている(レポートが掲示されているサイト:DoD Annual Freedom of Navigation (FON) Reports)。

■ 2012年以降、12海里内でのFONは実施されていない

 さて、上院軍事委員会公聴会で委員長のマケイン上院議員がシャー国防次官補に「アメリカ軍は中国が人工島を建設し軍事拠点化しつつある南沙諸島海域でFONプログラムを実施しているのか?」と問いただした。

 それに対してシャー国防次官補は「アメリカ海軍艦艇によってFONを実施したのは、最も直近では今年の4月です」と答えた。これは、4月下旬に配備先のシンガポールを出発し5月上旬にかけて南沙諸島をパトロールした米海軍沿岸戦闘艦「フォートワース」のことを指している。「フォートワース」は中国海軍フリゲートに追尾されて人工島周辺海域には接近できなかった(「中国の人工島建設に堪忍袋の緒が切れつつある米軍」2015年5月28日)。

 シャー国防次官補に対してマケイン上院議員は「私が問題にしているのは12海里ということだ」と改めて質問をぶつけた。言うまでもなく12海里というのは国連海洋法条約で規定されている沿岸からの領海の幅である。

 「シャーさん、私は12海里境界線ということに注目しているのです。もしアメリカ軍が12海里境界線を尊重するのならば、中国の事実上の領有権に対して暗黙の了解を与えたことになってしまう。最近において、我々アメリカ軍は(中国が建設している人工島の周辺)12海里以内の海域でFON作戦を実施しているのでしょうか?」

国防次官補によると「アメリカ海軍が、それらの環礁周辺12海里以内でFON作戦を実施したのは、2012年が最後です」ということである。

 2012年当時には、中国によるファイアリークロス礁やジョンソンサウス礁をはじめとする7つの環礁・暗礁での埋立工事は実施されていなかった。つまり、人工島建設が開始されてからはアメリカ軍による人工島周辺12海里内でのFON作戦は全く実施されていないことが明言されたのだ。

■ 大統領の指示があれば直ちにFON作戦を実施

 このようなFON作戦の現状に対して、マケイン上院議員は下記のような要求をした。

 「アメリカ軍が中国人工島の12海里以内でFON作戦を実施していないということは、すなわち中国による国際法を無視した領海設定の主張をアメリカが暗黙裡に承認していることになってしまう。中国がなんと主張しようとも人工島の周辺海域は純然たる公海である以上、アメリカ軍艦や航空機は堂々と航行自由原則に基づいて通過するべきである」

 国際海洋法では、中国が人工島を建設している暗礁や、満潮時には海面下に没してしまう土地(LTE)、それにそもそも人工島は、領海の基準としては認められないと規定されている。したがって、アメリカ軍がそれらの人工島周辺12海里以内に軍艦や軍用機を自由航行させないということは、国際法の原則そのものを中国の勝手な解釈に合わせてしまうことを認めてしまうことになると、マケイン議員は警告を発しているのである。

 マケイン委員長に対してハリス海軍大将は、「全く同感です。“メキシコ湾”が(Mexicoという語が付せられているからといって)メキシコの海でないのと同様に“南シナ海”も(Chinaという語が付せられているからといって)中国の海ではありません」

 ちなみにハリス大将は太平洋軍司令官に就任する以前は南シナ海を直接担当海域にしていた太平洋艦隊司令官であった。

 「太平洋軍司令官の任務としてあらゆる担当海域においてFONを実施しなければなりません。もちろん、その権限は大統領と国防長官から付与されることになります」とオバマ大統領あるいはカーター国防長官からの指示があり次第、マケイン委員長が指摘するような人工島12海里以内でのFON作戦を実施する意思と準備がアメリカ軍にはあることを明言した。

■ 中国を刺激しないという“不文律”が存在していた

 実は、太平洋艦隊や第7艦隊などで参謀を務めていた米海軍関係者たちによると、アメリカ海軍では以前より人工島をはじめとして中国が領有権を主張している島嶼環礁周辺12海里以内でのFON作戦をしばしば計画したという。しかしながら、政治的な配慮からそのような作戦計画は日の目を見ることがなかったという。

 「ホワイトハウスやペンタゴン上層部には、“中国を挑発するような作戦行動は慎まなければならない”という“不文律”が存在し続けているために、そのような作戦はことごとく“上からの干渉”によって立ち消えになってきた経緯がある」

 「議会証言では2012年に最後の12海里内でのFON作戦が実施されたと言われているが、実はこのような“不文律”はその数年前から存在していた」

 「今回の習近平の訪米のような米中間の政治的経済的イベントが近づくと、決まって“不文律”が働きかけて、FON作戦を始めとして“中国を刺激する”ような作戦行動には縛りがかけられたのだ」

■ 不文律がある限り日米同盟は威力を発揮しない

 米上院軍事員会で問題になっているように、南沙諸島での中国の人工島建設ならびに軍事基地化に関してアメリカ政府が苦言を呈しているのは、中国をはじめとする多国籍間の領有権問題ではなく自由航行原則が脅かされるという観点からである。

 アメリカ政府は南沙諸島での多国間の領有権紛争に関連して、中国の主権を否定して特定の国々の領有権を認めるような立場を表明したことはない。このように、第三国間の領域紛争に対しては中立を守る、というのはアメリカの伝統的な外交政策の鉄則の1つである。

 この鉄則は、東シナ海での日中間対立でも貫かれており、アメリカ政府が「尖閣諸島の領有権が日本にある」との立場を明らかにしたことはない(「日本政府の施政下に置かれている状態」と「日本が領有権を有している」は全く異なる)。

 そして、米海軍関係者たちが指摘している「中国を極力刺激しない」という“不文律”は、南シナ海だけではなく東シナ海にも適用されるものと考えるのが自然であろう。ということは、たとえ日米同盟が強化される方向性にあるとしても、「中国を刺激しない」という基本方針をアメリカ政府が大転換しない限り、真の意味で対中抑止効果が発揮されることはないということなのだ。



Posted by いざぁりん  at 23:13