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こちらです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000352-oric-ent
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 1980年代にコメディアンとしてブレイクし、現在は時代を代表する名俳優として、数々の映画、ドラマ、舞台で活躍する竹中直人。ORICON STYLEでは、倉持裕氏書き下ろし、生瀬勝久とのW主演となる舞台『ブロッケンの妖怪』を控える竹中に、インタビュー取材を実施した。コメディからシリアスまで幅広い演技をこなす俳優としての一面がある一方、バラエティ番組などではいつも明るい表情で楽しませてくれるイメージが強い竹中。しかし、その口から出てきたのは、「常に不安を感じている」といった、意外にもネガティブなワードの数々だった。

【画像ギャラリー】時折笑顔も見せる竹中直人 ファッションセンス抜群

■観客は残酷なので怖いです「この人たちいつか笑わなくなる…」って

――舞台『ブロッケンの妖怪』は、笑いと怪奇が入り混じるホラーコメディですが、そのほかに魅力を感じた要素はありますか。
【竹中直人】 僕の大好きな倉持裕さんの新作書き下ろしの舞台なので、そこが魅力ですね。まだ全部は読めていないんですけど、全4場劇で、どういう話になるのか。よくこんな本書くよなって、毎回楽しみにしています。僕にとってはわかりやすい話よりも、そう簡単にはわからない話のほうが好きなんですよね。

――それは実際に役柄を演じてみないと最終的に作品世界はわからない、という一般論的な意味もありますか。
【竹中】 いや、僕は演じていても役柄をわかったことが一度もないので、いつもわからないままセリフを言っています。役柄のことをわかってセリフを言っている役者さんを見ると、ちょっと信じられない。「僕はセリフなんてわかんない」っていつも言っています(笑)。それに舞台は直に観客の反応が返ってくるので怖いですよ。観客は残酷なので、怖いです。すごい怖いから、嫌いですもん(笑)。いつもドキドキしています。

――竹中さんはコメディアン発俳優のさきがけ的存在でもありますよね。当時から観客は怖かったのでしょうか?
【竹中】 僕は劇団にいましたから、基本は芝居なんですけどね。(爆笑している客を見て)何でそんなにおかしいんだろうというのは思っていました。ある程度人気が出てきたときに、作家の宮沢章夫とラジカル・ガジベリビンバ・システムというユニットを作ったんですけど、だんだんお客さんが増えていくことがすごく嫌だったんですよ。みんなゲラゲラ笑う。でも絶対、この人たちはいつか笑わなくなるって思っていました。今笑わせていることよりも、ある時期を境に笑わなくなるんだろうなという想いが先に立ってしまって。この人たちはずっといてくれる人ではない、と感じちゃうんですよ。

――でも、ラジカルなどは笑わそうとしているわけで、笑ってくれてナンボなわけですよね?
【竹中】 僕は笑わせようっていうよりも、自分が面白いと思うことが一番なんです。だから、お客さんが笑うと嫌で、舞台に立っている人たちを笑わせていました。笑わせて次のセリフ言わせないぞと思って、客席に背を向けていたりしましたもん。なんかお客さんが怖かったんですよ。真剣に見ている人たちも、いつか「こんなこともあったよね」って忘れ去られていくんだろうなって、どうしても思っちゃう。だから僕はまず、仲間に意識を向けるんです。この人たちと何を作れるか。それをたまたま、観客が観に来ているという感覚。観客よりも、そこに集まっている人たちに向けて作品を作ろう、それが原動力でしたね。

■自分の職業欄に『俳優』と書く時に恥ずかしいんですよ

――ではお笑いの舞台、芝居の舞台って違いはあるんですか?
【竹中】 笑いの舞台、シリアスな舞台と自分の中でわけてやったことがないので、その感覚は、そもそもわからないですね。予算の少ない多いという現場の違いはありますけど、これはこう、こっちはこうみたいな、区別した感覚がないので、みんな一緒でしたよ。いまだに自分でも「オレ、役者なのかな?」って思うこともありますしね。何なんだろうって。自分の職業欄に『俳優』と書く時に恥ずかしいんですよ。自分に対して「お前、俳優かよ。たいしたこともしてないのに」って思っちゃって(笑)。

――不安のようなものは今でも常に感じられているのでしょうか?
【竹中】 それは常にあるんじゃないですか。自分みたいな役者いなくなったって、誰も困らないだろうって思いは常にありますし、フッと消えたってほかに俳優はたくさんいるじゃないですか。だから、必要ないって言えば必要ないなと思います。今は仕事があるからいいけど、そういう不安は、いつもありますよね。27歳の時は確実に1年で消えると思っていましたから。ここまでなんでやってこられたんだろうって、不思議な感じですよ。びっくりします。自分で分析もできないです。何やってきたんだろう? どんな仕事してきたんだろう? って思って。特に代表作もないし、不思議ですよね。

――でもやはり今の竹中さんは世の中の人から素晴らしい役者というイメージを持たれていると思います。竹中さんにとって演じることとは?
【竹中】 さっきも言いましたが、僕はお客さんを楽しませようとか、そういうおこがましいことを思ったことはないんです。まずは最初の観客はスタッフで、その中には笑っている人もいれば、すました人もいる。でも、その最初の“観客”であるスタッフって、一番生で感じているものなんです。「あいつ、すごい一生懸命やっている」とか「適当な奴だな」とか、わかりますからね。だから、そういう人たちの反応が、自分のエネルギーになってくんでしょうね。それを感じて動いていく。その時代を見ているとかではないんですね。僕にとっての役者って、そういうことだと思いますけどね。



Posted by いざぁりん  at 00:04