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こちらです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00090409-diamond-soci
(以下は、コピーです)
 4月25日の公判で検察側から懲役3年を求刑された元兵庫県議・野々村竜太郎被告。号泣会見や初公判のドタキャンなど、問題言動だらけだが、そもそもなぜ野々村被告が当選できてしまったのだろうか? 

● 野々村容疑者が意外にも持っていた 「選挙必勝の条件」とは? 

 「まさかあんな人に自分が投票したとは思いもしませんでした」――。

 今年2月22日、神戸地裁で開かれた元兵庫県議・野々村竜太郎被告(49歳、詐欺、虚偽有印公文書作成・行使で起訴)の公判を傍聴した兵庫県西宮市に住む30代男性は、記者の「傍聴席から見た野々村被告にどんな印象を受けたか」との質問にこう答えた。

 この男性が住む兵庫県西宮市は、野々村被告が選挙区としていた地域である。この日の公判で、野々村被告は政務調査費・政務活動費を巡る一連の疑惑について追求され、右耳に手をかざす、お得意の“ののちゃんポーズ”で応戦。検察官から「その格好は結構なので」と拒まれる場面もあった。

 ボサボサに伸びた髪と髭、紺色のジャージ姿で「記憶にございません」を繰り返す様子は、選挙民から付託を受けた政治家だった者が持つであろう威厳が何ひとつ感じられない。冒頭の地元男性が続けて語る。

 「彼の経歴だけを見ていました。“維新”に属しているというから投票したようなものです。でも後で聞くと、『維新の会』で代表を務めた橋下徹氏とは無関係だそうですね。なんだか騙されたような気持ちです」

 野々村被告の属する政治団体「西宮維新の会」は、「大阪維新の会」(当時)とは何の関係もない。野々村氏の当選は、歯に衣着せぬ物言いと大胆な政策の打ち出しで、関西では圧倒的な人気を誇った大阪維新の会と有権者が混同、「これに乗じたものだ」(地元紙社会部記者)という声は今も根強い。

 事件が明るみになった当時、巷では野々村被告の議員としての“資質”を問う声が上がった。同時にまた、選挙民のそれも問われた。なぜ選挙民は野々村被告に議席を与えたのか。政治家としての資質の有無を見抜けなかったのだろうか。

 「“維新”という言葉、そして橋下元大阪市長と同じ大阪府立北野高校卒。関西大学卒の元地方公務員――この経歴を聞かされたら、誰でも野々村被告に投票しますよ。彼の人間性など関係ありません。普通、地方選挙で候補者の人間性まで有権者が分かることは、あまりないのではないですか」(冒頭の地元男性)

 一見、開き直りとも取れる発言だが、これは国政・地方問わず選挙時の有権者心理を如実に表している。

 いつの時代でも選挙に打って出るには、地盤(=支持者)・看板(=知名度)・鞄(=選挙資金)の「3バン」が必要だ。国・地方政治問わず、選挙に携わった者は皆、もっとも大事なものは意外にも地盤でも鞄でもなく、“看板”だと口を揃える。この看板は2つの要素から成り立つ。“風”と、(候補者個人が持つ)“華”だ。そして、野々村被告は、この“風”と“華”の要素を併せ持っていたのだ。

● 案山子でも当選できる!?  選挙は“風”と“華”が勝敗を決める

 「選挙巧者」として知られる公明党。その選挙を幾度となく手伝ったことがある、同党支持母体・創価学会の元メンバーがその実情を明かす。

 「選挙では“風”が命です。追い風が吹いていれば、それこそ“案山子”(かかし)が出馬しても当選できる。しかし“向かい風”だとそうはいかない。どんなに高潔な人格を備え、政策立案能力と実行力を持っていても、当選はおぼつかない。選挙とは無情です」

 この“追い風”は政局とも関連する。先にも述べたが野々村被告が兵庫県議に初当選した2011年当時、政局の“風”はメディアの寵児から大阪府知事へと転身した橋下徹氏と、彼が率いる「大阪維新の会」に吹いていた。事実、この年に行われた統一地方選挙では、初戦にもかかわらず大阪府議選で定数109議席のうち57議席を占め、自民党、公明党をはじめとする既存の政党を抑える“与党”となる躍進ぶりをみせている。

 追い風が吹きまくっていた「大阪維新の会」と混同してもらえることを狙って「西宮維新の会」を名乗った野々村被告は、善悪は別として、この“風”の重要性をきちんと認識していたと言える。

 “風”の次に重要なのが“華”。時に“花”という字にも置き換えられるが、これは候補者自身が持つ経歴を指す。

 「若さ、ルックス、有名大学卒、元官僚や大手上場企業勤務などの華々しい経歴を持ち、“風”が吹けば当選の可能性はぐっと高くなる」――。自民党、公明党、民進党、共産党と、政党がどこであっても、選挙を手伝った経験のある者は皆、こう口を揃える。野々村被告も関西大学出身の元公務員。経歴は十分だ。

 野々村被告は西宮県議になる前、兵庫県太子町長選など3度も選挙に落選しているため、「兵庫県議当選はまぐれだった」との声もあるが、決してそうではない。いずれの選挙でも落選したとはいえ、得票数はあながち低いものではなかったのだ。08年の兵庫県太子町長選では485票、同年の兵庫県西宮市長選では6184票、09年の兵庫県議補欠選(西宮市選挙区)では3万3359票、10年の西宮市長選では2万5924票の得票である。当選した11年の兵庫県議選では1万1291票だった。

 当時から今回の事件まで野々村被告を取材してきた地元紙記者は、その善戦ぶりをこう評す。「もし野々村被告が選挙区選びを入念に行っていれば、初出馬から地方議員として当選していた可能性はある。初戦の太子町長選でも、泡沫候補扱いだったにもかかわらず485票もの得票ですから」

 実際、地方選出馬経験のある者、選挙戦を運動員として手伝った経験のある者たちも、「野々村被告が得票した票数ならば選挙区さえ選べば、4回も落選することなく当選できただろう」と話す。
 
 今、日本で最低得票数で当選した地方議員の得票数は「13票」だ。東京都青ヶ島村での話である。青ヶ島村議会は議員定数6、13年に行われた村議選では、この6議席を7名の候補者で争った。その結果、トップ当選は18票の2人、これに17票、15票、14票、そして13票の最下位当選者が続く。次点は8票、トップ当選者との票差は10票、最下位当選者とのそれは5票だ。人口170人あまりの日本でもっとも小さな行政区の話である。

 こうした地域では、「自分に投票してくれる一族郎党20人を引き連れて移住すれば“議員センセイ”になれる」という声もあるくらいだ。

 野々村容疑者の例や、この東京都青ヶ島村議選の例は、「3バン」(地盤・看板・鞄)がすべて揃っていなくとも、その気になれば誰でも地方政治家になれる可能性があることを示している。

● 「3バン」なしでも当選できる 地方議員を目指す人は増えている! 

 こうした実情から近年、地方議員を目指す人が増えつつあるという。だが、それまで政治と縁の薄かった者が立候補したところで本当に当選できるのか。過去、何人もの候補者の選挙戦に寄り添った経験を持ち、『28歳で政治家になる方法―学歴・職歴・資格一切不要!  25歳以上なら誰でもなれる! 』(経済界)の著作もある、選挙用品ドットコムの田村亮代表はその実態を次のように語る。

 「自分の得意分野がうまく有権者に伝われば、当選する可能性はあります。主婦の方なら近所づきあいにみられるコミュニケーション、大学院生など被選挙権を持つ学生の方なら学問や若さを前面に押し出すといったことです。そうした人たちが当選した例も数多いですよ」

 選挙戦は選挙区の規模によって、その戦い方も変わってくる。「3バン」を持たない新人候補が立候補・当選するには、先の青ヶ島村議選のような、どの有権者が、どの候補者に投票したかがわかる「顔がみえる選挙区」よりも、もう少し人口の多い「町」「都市部」といった選挙区のほうがいいという。

 「人口数の少ない“村社会”を崩すのは難しいです。しかしそこそこの人口数がある選挙区ならば、候補者個人が持つ学歴、職歴、ルックスといったイメージが大勢多数の選挙民に支持されるからです」(田村氏)

 みずからの得意分野をブランディングし、真面目に地域社会に貢献したいという志を有権者に訴え、それが理解されれば、それまで政治の世界とは縁が薄かった者でも当選できるということだ。

 だが選挙への出馬となれば莫大な費用がかかるのではないか。この問いについて、ある無所属の地方議員のひとりは、「自己費用からの出費は10万円で済んだ」と話す。また別の政党所属の地方議員は、「100万円もかからなかった」とその実情を明かした。

 「そもそも選挙とは貧富の差関係なく、立候補し、政治の場に活躍を求めるシステムです。日本の選挙制度のうち地方選挙は、一般的にはさほどカネがかかるわけでもありません。政党への所属・無所属も関係ない」(関東地方のある30代若手地方議員)

● 選挙費用は100万円もかからないが 地道な「営業努力」が求められる

 実際に縁もゆかりもない選挙区から出馬・当選した地方議員に話を聞いた。

 「ビジネスセンスを持っていれば政治の世界でもやっていけます。政治家とは、いわば自分という商品を売り込む営業マンのようなものです」

 こう語るのは東京都多摩市議会の遠藤ちひろ議員(40)だ。今、地方政治家を目指す人の間で話題の書籍、『市議会議員に転職しました。』(小学館)を、日経BP社記者から横浜市議会議員と転じた伊藤たかひろ(39)議員と共に著したことでも知られる、若手地方政治家のひとりだ。

 企業経営者から政界を志した遠藤議員は、縁もゆかりもなかったという東京都多摩市での選挙ではまず、みずからの名前を有権者に覚えてもらうことからはじめたと話す。「有権者の方は知らない人間に投票することはありません。名前を憶えてもらうことこそが重要です」(遠藤議員)。

 朝・夕と駅前などの街頭での挨拶、日中はチラシやパンフレットのポスティング、夜は異業種交流会や青年会議所などの会合に、「たとえ呼ばれていなくても足を運ばせていただいた」(同)という。やがて熱心に応援してくれる支持者もできた。ここまでくるのに約半年かかった。

 「議員とは“就職先”ではありません。有権者のために何ができるか、何をさせていただくかです。志を持って、真面目に自分自身と政策を有権者の方に訴えていけば、誰でも当選できる可能性はあります。もちろん若い人でもです」(同)

 前回の選挙では、「選挙費用は100万円もかからなかった」という遠藤議員の話からも、地方議員という立場は世間で思われているほど遠いものではなく、政界との縁がない人でも努力を重ねれば十分になれることは間違いなさそうだ。

 こうした地方議員の実情が世に知られることは、これまで遠い存在とされてきた政治がより身近なものとなり、ひいては地方政治を志す人も増えてこよう。

 全世界に配信された“号泣会見”の主人公・野々村竜太郎兵庫県議(当時)も、皮肉なことではあるが、地方議員の実情について世に知らしめた人物の1人だと言えるだろう。彼が残した政治家としての唯一の“実績”かもしれない。真面目に地方政治に取り組んでいる政治家にとっては大迷惑な話ではあるが。



Posted by いざぁりん  at 23:01