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こちらです。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160622-00059119/
(以下は、コピーです)
参議院選挙がいよいよ公示を迎えた。6月19日に与野党9党首による「ネット党首討論」が開催された。そこで司会を務めたのは社会学者の古市憲寿氏であるが、生活の党の小沢一郎代表に「小沢さんの再婚相手が見つかったかどうか、聞いてみたい」などのプライベートに関する質問をして問題となっている。

司会者サイドは「こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った」とも述べたという。

こうした選挙のテーマと関係ないプライベートな問題を出したことに小沢氏は怒り、主催者側は大手インターネット動画サイト「ニコニコ」のホームページ上に、謝罪コメントを掲載している。

私も公開討論会の司会・コーディネータは数多く行っている。〇×の質問をすることもあるし、政治とは全く離れた質問をすることもある。まさに「人柄をみるため」の質問をすることもある。

しかし、選挙前の公開討論会においては、私はプライベートな質問の「プライベート度」に非常に気を使っている。まず、NGなのは家族に関しての質問である。〇×質問で、「あなたは奥さんを愛していますか?」というような質問案を持ってくる主催者がある。照れくさそうに「愛している」と言わせたいのだろうが、夫婦・家族には様々な時期や状況がある。結婚していない人もいるだろうし、喧嘩している最中の夫婦もいるかもしれない。離婚の協議をしている夫婦もいるかもしれない。特に選挙においては、そうしたぎくしゃくした関係はありうる。日本の選挙は家族を犠牲にして成り立っているようなところがある。これは男性も女性もそうなることがある。

討論会で重要なのは政策論争だ。確かに人柄もみてみたい。しかし、家族に関する質問はすべきでない。子どもや父母の介護などについても司会者から聞くことはしてはならないと思っている。もちろん、討論者が自ら自分の家族の体験を話すのは構わない。献身的な妻や夫がいて、品行方正な子どもがいて、家族円満でなければ政治家になってはならないというのは変だ。様々な家族の形態もあるだろうし、結婚しないという選択も問題ないはずだ。特に女性の政治家・候補者には子どもに関する質問は完全にNGだ。子どもを生まないという選択をした場合もあれば、子どもができなかったという場合もある。死別のケースもある。本人にとっては絶対に触れてもらいたくない部分の可能性もある。男性にもすべきでないプライベートな質問だ。

聞いてもいい政治に直接関係しないような質問は、例えば、「あなたの信条は?」「あなたの座右の銘は?」「あなたはファッションセンスがいいと思いますか?」「あなたは朝食は味噌汁派ですか、パン食派ですか?」「あなたは外国旅行に行くとしたらどこに行きたいですか?」「休みの日などにする趣味はありますか?」「あなたはペットを飼っていますか?好きですか?」などだ。これらは、討論を和ませる効果もある。聞いている人もその受け答えから討論者の人柄もわかり、好評だ。

プロ野球やサッカーの好きな球団も選挙によっては微妙だ。名古屋でドラゴンズ、広島でカープ、大阪でタイガース、と答えなければ、票が減る可能性がある。ただここら辺は、名古屋でジャイアンツファンの人も、どのようにうまく切り返すことができるか、という「説明力」をみるという点では意味がないわけではない。でも避けたほうが無難だ。

もちろん、差別につながるようなことを聞くことはしてはならない。これも討論者自らが論点にしたいのであれば、自分について語るのは構わない。しかし、「帰化についての個人的な問題」「性的な問題」「部落差別に繋がるような問題」「体型や容姿についての問題」「生い立ちに関する問題」などは質問者から聞くべきテーマではない。これらは重要なテーマだ。しかし個人的な問題として聞くべきものではない。

今回の小沢氏に対する質問は、古市氏が考えたものか、主催者側が用意した質問かはわからない。こうした政策討論において持ち出すべき質問ではない。これからの討論会でもこの点を踏まえて、質問をぶつけていきたいものだ。政策に関することはビシビシと聞いていい。しかしプライベートに関する質問は、吟味する必要がある。選挙前の政治家や立候補者に聞く質問と芸能人にメディアが聞く質問とは当然、異なるべきものだ。何か、そこらが曖昧になってきているような気がする。



Posted by いざぁりん  at 00:33