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社会保障と引き換えに、独裁政治が許されるわけではありません。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12464884.html?rm=150
(以下は、コピーです)
<考論>トルコ、クーデター未遂 識者に聞く

内藤正典・同志社大大学院教授

 トルコで起きたクーデターの動きについて、国内外の識者に聞いた。

 ■クーデターとは呼べない

 内藤正典・同志社大大学院教授(現代イスラム地域研究) 今回の反乱は、首都アンカラや最大都市イスタンブールなどで展開され、かなり周到に計画されたことは明らかだ。エルドアン大統領は南西部で静養中で、このタイミングを突いたのだろう。

 ただ、クーデターとは呼べない。トルコではこれまで3回、クーデターが成功しているが、いずれも内政が混乱した末に軍が政権を奪取した。その際は参謀総長がトップとなり、陸海空軍と憲兵隊が結束して政治に介入した。だが、今回はあくまで一部の軍人による反乱でしかなかった。

 トルコ軍は、イスラム教の政治介入を認めない「世俗主義」の原則を支持してきた。エルドアン政権は最近、これをやめる方向を打ち出し、反発した軍の一部が反乱を起こした可能性はある。だが、多くの国民は支持しないだろう。

 エルドアン政権の近年の独裁化、強権化を嫌う国民も多く、反乱側はそうした人たちの支持を期待したのだろうが、直前の政権支持率は約5割に上る。特に貧困層には手厚い政策をとっており、支持は盤石だ。

 ただ、今回の反乱で軍が一枚岩ではないことが露呈し、過激派組織「イスラム国」(IS)などに弱みを見せる形になった。トルコが不安定化すれば中東情勢に与える影響は大きく、欧州への影響も避けられないだろう。

 ■不安定な情勢、テロに懸念

 日本貿易振興機構アジア経済研究所の今井宏平研究員(トルコ地域研究) 反乱の背景には、エルドアン大統領や与党と対立するイスラム教の宗教学者、ギュレン師が率いる教団の存在があるとみられている。両者は元々、協力関係にあったが、2013年末以降に関係が悪化した。

 教団は教育やメディアでの活動に力を入れ、国際的なネットワークも持っている。エルドアン氏が政治的な野心があると言われるギュレン師を警戒し、対立が深まった。軍隊や警察、官僚には、ギュレン師の支持者が一定程度存在するとみられていた。

 また、エルドアン氏は憲法改正による権限強化を狙っている。こうした動きに反発する集団が軍内部に存在した可能性もある。だが軍の最高幹部は反乱に加わらず、参加者も少ない。野党第1党も反乱を非難するなど、受け皿になる政治家や指導者がいなかった。計画が十分に練られていなかったのではないか。

 反乱がこのまま終われば国内的な影響はない。軍内部にいるギュレン師の支持者は徹底的に締めつけられるだろう。米国、EU、ロシアなどは政権与党への支持を打ち出しており、海外との関係も影響はない。

 唯一の懸念は、反乱で国内の情勢が一時的に不安定になったので、この機に乗じて過激派組織「イスラム国」(IS)などがテロを画策することだ。

 ■トルコのもろさ浮き彫り

 米オハイオ大のヌケット・サンダル助教授(国際安全保障) 今回のクーデター行為で、トルコに駐留する米軍の作戦への影響は避けられないだろう。成功しようが失敗しようが、クーデターの試み自体がトルコのもろさを示しているからだ。近い将来、トルコが完全に安定するとは考えられず、トルコ軍内の亀裂も明白になった。少なくとも短期的には米国にとり、軍事上の同盟国としてのトルコの信頼性は損なわれる。

 今回のクーデターは過去のものと明らかに違う。軍としての一体性がなく、警察とも敵対している。その背景も顔も見えない。私が知るトルコ研究者で、予期した人は誰もいない。軍の司令官らがすでに反対表明をしている。一方で、航空機や多くの装甲車両などにアクセスできる者たちによる大規模なものだった。

 クーデターの結果がどうあれ、トルコの将来には影を落とすだろう。エルドアン氏は、民主主義や自身の統治への脅威があると言うことができ、権限強化への発言力を増すだろう。その影響は、党派心をあおるものとなる。

 ■中堅・下級の兵士が企て?

 エジプトの国際問題研究者、サラ・ラビブ氏 今回のクーデターは、とてもばかげた試みだった。歴史上最も失敗したクーデターの企てだ。主に中堅と下級の兵士によるもので、トルコで起きた過去のクーデターでは参謀総長や上級幹部が企図し、各地の司令官の支持を得ていたのとは対照的だ。今回は参謀総長も政権を支持していた。

 さらに、今回のクーデターはリーダーがはっきりしない。発表された声明でもリーダーの名前を出さなかった。政権の転覆を図るというよりも、政権にプレッシャーをかける程度の目的だったのではないか。一部の地域でしかクーデターを展開できていない。

 トルコには200万人ものシリア難民がいる。また過激派組織「イスラム国」(IS)やクルド系組織の脅威にさらされている。

 仮にクーデターが成功していたら、周辺国にも多大な影響をもたらしただろうが、軍の指導部は、こうした時にクーデターが起きれば国家に混乱をもたらすことを知っており、今回の事態にはかかわっていないだろう。



Posted by いざぁりん  at 04:16