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こちらです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161124-00118018-hbolz-int
(以下は、コピーです)
HARBOR BUSINESS Online 11/24(木) 16:20配信

なんとまだヒラリー大統領就任の可能性が残っていた! 選挙人への造反呼びかけ運動の行方

◆トランプ当選以来、続発する憎悪犯罪

 2016年11月9日、ヒラリー・クリントンの母校であるウェルズリー女子大学に、ドナルド・トランプの選挙旗を掲げた一台の不審車が侵入しました。黒塗りのトラックに乗った若い男たちは、「偉大な米国を取り戻せ!」とトランプの選挙スローガンを叫びながら構内を走り回りました。そして、黒人学生の集会所の前に停車すると「ウェルズリーのレズ女ども!」と学生たちを罵倒し、1人に「出ていけニガー(黒人野郎)め」と唾を吐きかけたのです。侵入者はすぐに学内警察の手によってキャンパスを追放されましたが、ウェルズリーの学生は身近に訪れた脅威におののいています。

 前日11月8日は、米国大統領選挙の投票日でした。ウェルズリー大学では盛大なパーティが催され、ヒラリーが米国初の女性大統領に就任する歴史的瞬間を祝おうと、3000人もの卒業生が集いました。ヒラリーの等身大パネルが飾られ、女性差別の撤廃を象徴する「砕けたガラスの天井」を模した砂糖菓子が振る舞われ、同窓生のマデレーン・オルブライト元国務長官がテレビ中継でメッセージを寄せ、会場は祝賀ムードに湧き返っていました。

 しかしテレビから刻々と開票情勢が入るにつれ、ウェルズリー生たちの表情は翳り始めました。トランプが激戦州のフロリダとオハイオを制したことが分かると、人々は声を失い、泣き崩れ、青ざめて抱き合いました。真夜中過ぎ、最後の望みだったペンシルバニア州でヒラリーが破れたとの報が入り、遂に学長がパーティの解散を宣言しました。卒業生たちが肩を落として会場を後にする中、学生寮から響き渡る絶叫が夜のキャンパスにこだましました。学生たちの嘆きと憤りに満ちた咆哮でした。

 選挙の翌日、ウェルズリー大学で起きた侵入車騒動は、女性差別・人種差別・性的マイノリティ差別という問題をはらんでいました。しかし更に深刻な憎悪犯罪が、全米各地で相次いでいます。車にナチスの鍵十字マークと共に「死ね。トランプより」とペンキで書かれたトランスジェンダーの女性、道端でヒジャブ(髪を隠す布)をはがされたイスラム教徒の女性、同級生から「綿花摘み(かつての奴隷労働)に戻れ!」と罵倒された挙句、暴行を受けて脳障害を負った8歳の黒人少年…南部貧困法律センターには、選挙後の10日間に700件以上もの犯罪が報告されました。トランプが増長した差別意識の影響が、選挙後により顕著になっています。

◆かつでトランプですら批判した選挙人制度

 民主党の支持者たちは、今回の選挙を「2000年の悪夢の再来だ」と語ります。当時の民主党候補だったアル・ゴアは、得票数では共和党のジョージ・W・ブッシュ候補を遥かに上回っていたにも関わらず、選挙に敗北しました。そして今回の選挙でも、ヒラリーはトランプより100万票以上多く獲得する見通しです。票の確認作業は今なお続いていますが、既にヒラリーはバラック・オバマに次いで史上2番目に多くの票を集めた大統領候補者となることが判明しています。

 クリントン政権の副大統領だったゴアと、ファースト・レディだったヒラリー。ビル・クリントン大統領の最側近だった2人は、揃って「より多くの票を得ながら選挙に負ける」という数奇な運命を辿ることになってしまいました。多数決を基本とする民主主義国家で、なぜこんな理不尽がまかり通るのか。そこに米国大統領選挙のいびつさがあります。

 そもそも11月8日に選出されたのは、「次期大統領」ではなく、「次期大統領を選ぶ選挙人」です。全米50州と首都ワシントンD.C.には、538人の選挙人が割り当てられています。この選挙人が12月19日に投票を行い、過半数の270票以上を獲得した候補が次期大統領となります。各州では得票1位の候補が選挙人を総取りするため、多数の死に票が発生し、結果的に得票数と獲得選挙人数の逆転現象が起こってしまうのです。

 2000年にゴアが敗北した時、ヒラリーは「米国はもはや選挙人制度を廃止し、民意を反映する一般投票に移行すべき」と主張しました。そして皮肉にも、今回選挙人制度ゆえに勝者となったトランプも、2012年に選挙人制度を「民主主義の破綻だ」と批判しています。

 全米の2割の州は、選挙人制度を「前時代の遺物」とし、一般投票の勝者を大統領とするための法整備(NPVIC)に取り組んでいます。しかし制度改革に前向きなのは、民主党の地盤であるリベラルな州ばかりです。民主党支持者たちは、「選挙人制度は歴史的にも『地方在住・保守・白人・高齢の有権者』=『共和党支持層』に有利な仕組みである」と不満を訴えてきました。彼らの主張通り、2000年に次いで今回の選挙でも、選挙人制度が共和党候補に逆転勝利をもたらしています。

 米国で選挙人制度が取り入れられた理由の一つに、奴隷制度の存在がありました。建国当時の米国が、もし有権者=白人男性による直接選挙の形を取っていたならば、有権者人口の少ない南部の州が北部に比べて不利になっていたでしょう。しかし州人口に基づいて選挙人数を決定する方式を取れば、南部の州は当時数十万人いた黒人奴隷の人口を盾に、政治的影響力を増すことができるのです。結果的に米国は選挙人制度を導入し、選挙権のない黒人奴隷の数は、1人あたり「5分の3人」として人口に計上されました。改革派が「選挙人制度とは、白人が黒人(有色人種)を搾取するための制度だった」と憤る所以です。

◆まだ選挙は終わっていない―ヒラリー逆転勝利のシナリオ

 今回の選挙結果を受け入れられない民主党支持者たちは、選挙人団がトランプを選出しないことに一縷の望みを繋いでいます。共和党の選挙人全員が、代表候補であるトランプへの投票を義務付けられているわけではありません。誓約に反して白票を投じたり、トランプ以外の人物に投票しても、大半の州ではその投票は有効とみなされます。もし538人の選挙人の内、トランプに投票する者が過半数の270人を下回れば、最終的な決着は連邦議会の下院に委ねられます。ヒラリーが大統領となる可能性は、まだ完全に失われたわけではないのです。

 大統領の最終決定が下院に持ちこされたとしても、下院の議席も共和党が過半数を占めていることから、「どの道トランプ大統領の就任は阻めない」と悲観する向きもあります。けれどもヒラリーの支持者にとって、もはや失うものはありません。「選挙人は12月19日にヒラリーに投票せよ」と訴えるオンライン署名活動には既に約455万人が署名し、各地でトランプへの大規模な抗議活動が相次いでいます。

 ヒラリーは選挙翌日の敗北宣言において、「この国は私たちの予想より遥かに深く分断されている」と語りました。万が一12月19日にトランプではなくヒラリーが当選したとしても、その結果をトランプの支持者がすんなりと受け入れる筈はないでしょう。「米国は南北戦争以来の内戦に突入するのではないか」と恐れる声も高まっています。「史上もっとも醜い選挙」と呼ばれた2016年度大統領選挙の余波は、当分収まりそうにありません。

<取材・文/羽田夏子 写真/Gage Skidmore>

●はだ・なつこ/1984年東京生まれ。高校から米国に留学。ヒラリー・クリントンの母校であるウェルズリー大学を卒業後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科にて国際関係学修士を取得。国連機関インターン、出版社勤務を経て、翻訳編集プロダクションを立ち上げる。日本メンサ会員。



Posted by いざぁりん  at 00:23