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http://digital.asahi.com/articles/ASK2R65Q0K2RTIPE02Q.html?rm=661
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 判決が言い渡された23日も、米軍嘉手納基地(沖縄県沖縄市など)周辺では戦闘機の爆音が響いていた。第3次米軍嘉手納爆音訴訟。耳をつんざく爆音にさらされる原告たちの健康被害の一部が、ようやく認められたが、米軍機の騒音は違法とされながらも今回も止められなかった。静かな夜はまだ来ない。

嘉手納爆音訴訟、国に賠償命令 差し止めは認めず 地裁

■判決の認定「前進あった」

 米軍嘉手納基地にほど近い嘉手納町中央公民館で開かれた弁護団の記者会見。池宮城(いけみやぎ)紀夫弁護団長は「飛行差し止めは認められなかったが、我々の主張が真正面から受け止められている点が多くある」とし、判決を一定評価した。

 弁護団は、爆音が住民に与える健康被害を訴えてきた。判決では、睡眠妨害や高血圧症の発生リスクが認められた。子どもに大きな影響があることや、爆音で戦争体験を思い出す人に、より大きな不安を与えることも認定されるなど、「前進」があった。

 また、判決は、政府の騒音軽減への取り組み不足について「違法な被害が漫然と放置されている」と厳しく批判した。ただ、弁護団の神谷誠人弁護士は「(第三者行為論が)国から当事者意識を奪っている。判決は国を批判しているが、司法が免罪符を与えている」と指摘。「これだけの被害を認めながら、判例を無批判に踏襲し、飛行差し止めは認めなかった。天使と悪魔のような判決だ」と話した。

 新川秀清原告団長は「賠償額が増えても、私たちの願いは被害の根を断ち切ること、飛行差し止めだ。戦後72年を経ても背負わされている基地被害の解消のためにがんばる」と話した。(岡田玄、宮谷由枝)

■騒音で難聴「司法が何もできない」

 原告の一人で建設会社に勤める津波古(つはこ)正さん(53)は、この日は仕事で裁判所には行けなかった。午後、判決を伝え聞き、悔しがった。「お金はどうでもいい。日本の司法が何もできない。ここは日本なんじゃないのか」

 爆音の下で生まれ育った。嘉手納町の自宅も実家も、県道を挟んだ嘉手納基地の目の前。米軍機のエンジンを調整する音が昼夜の別なくゴーゴーと聞こえ、風が吹けば油の臭いが漂ってくる。ジェット機が飛べば家族の会話がさえぎられ、外にいれば内臓が揺さぶられるほどの爆音を浴びる。

 10年前から、音量を最大にしても携帯電話からの声が聞きづらくなっていた。一昨年、医師に「騒音性難聴」と診断された。他人と話していても何度も聞き返さなければならない。

 母親も40代から耳が悪かった。会話が通じず父親とたびたび、けんかをしていたのを覚えている。その母親に勧められ、妻や息子らとともに初めて訴訟に参加した。初孫が生まれたばかり。「爆音を怖がるこの孫を見て決めた」。米軍関係者の引っ越しを担う会社を退職したことも後押しになった。

 30年ほど前に一度、妻の実家がある恩納村に住んだことがある。昼は海のさざ波が聞こえ、夜は裏手の山から虫の鳴く声が聞こえた。「これが普通なんだと初めて知った」。それでも家は生まれ故郷の基地の近くに建てた。「両親から土地を受け継いだので。当たり前の選択でしょう」

 基地はないに越したことはないと思うが、中国の軍拡や北朝鮮の核開発について耳にすれば、日本の安全に米軍が重要だというのも理解はできる。「でも」と津波古さんは言う。「なぜ沖縄だけに基地が集まっているのか。不平等さあ。日本全体に基地を置けばいい」

     ◇

 《高作正博・関西大教授(憲法学)の話》 住民の被害を認める判決は近年の流れに沿ったもので、一定の評価はできる。ただ、「第三者の行為」を理由に被害を放置し続ける国の態度は、違法だという意識が薄く、判決はその問題性にも切り込むべきだった。賠償金を払えばいいというものではない。国は騒音防止協定の徹底や日米地位協定の改定など、あらゆる努力をするべきだ。

 《丸茂雄一・拓殖大大学院非常勤講師(安全保障国内法)の話》 賠償額が大きく増額されたのが印象的で、国が長年の不作為をとがめられた結果と言える。今後も年月が経つほど国の賠償額は膨らみ、住民も延々と裁判を繰り返さざるを得ない。安全保障政策の観点でも、基地の安定運用が揺らぎかねない。政府は住民の救済制度を設けるなど、従来にない政策を考える時期に来ている。

■判決の骨子

・飛行差し止め請求は棄却

・過去分の損害賠償請求は一部認容。認容額は計約301億9862万円、認容された原告は2万2005人

・基本となる慰謝料の月額は、W値95地域は3万5千円、W値90地域は2万5千円、W値85地域は1万9千円、W値80地域は1万3千円、W値75地域は7千円

・少なくともW値75以上の地域の原告らには日常生活での妨害、精神的苦痛、睡眠妨害、さらには高血圧症発生の健康上のリスクが増大している

・子どもには、より大きな影響を及ぼしている可能性がある。戦争体験のある住民には戦争時の記憶、不安をよみがえらせ、より大きな不安を与えるであろう

・聴力損失の危険、虚血性心疾患のリスク上昇、低出生体重児の増加、幼児問題行動の多発、学童の長期記憶力の低下などが生じているとの事実を認めるに足りる証拠はない

・米国や日本による被害防止対策に変化はなく、住民への違法な被害が漫然と放置されている

・将来分の損害賠償請求は不適法であり却下

     ◇

 〈うるささ指数(W値)〉 正式には「加重等価平均感覚騒音レベル」(WECPNL)という。航空機による1日のうるささの指標で、騒音の大きさや継続時間、回数、発生時間帯から総合的に算出する。W値75以上の区域は、国の住宅防音工事の助成対象となる。



Posted by いざぁりん  at 00:23