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こちらです。
http://mainichi.jp/articles/20170311/dde/041/010/011000c
(以下は、コピーです)
 政府が撤収を決めた南スーダン国連平和維持活動(PKO)で、現地で悲惨な場面を目撃して心的外傷後ストレス障害(PTSD)のケアが必要になった隊員が複数いることが、防衛省関係者への取材で分かった。深刻な心の傷をどう癒やすか--。自衛隊は試行錯誤の段階にある。

 南スーダンで昨年7月、政府軍と反政府勢力の衝突が起きた。部隊の日報は「戦闘」と表現した。同11日の日報に「TK射撃含む激しい銃撃」「宿営地南方向距離200トルコビル付近に砲撃落下」とある。「TK」は戦車、「200」は200メートルとみられる。防衛省が開示した日報は黒塗りが多いが、さらに生々しい記述がある可能性もある。

 同省関係者によると部隊の宿営地の近くでは殺傷を伴う衝突があり、宿営地外を監視する複数の隊員が惨状を目撃した。同省は「派遣隊員に過度の精神的負荷がかかったとの報告はない」とする。だが、実際には約20人がPTSD発症へのケアを必要としたという。

 毎日新聞は、派遣部隊に事前に実施したメンタルヘルス教育に関する内部文書を情報公開請求で入手。それによると、派遣先で疲労やストレスがたまると組織全体に影響が出るとし、「特定の人をスケープゴート(いけにえ)にすることで集団の安定を図ろうとする動き」が内部で出ることを最も警戒すべきだ--と指摘している。

 また、帰国前の教育に関する文書は、任務を終え帰国する隊員と留守を守った家族との間で感情の溝が生じ、ストレスになることにも注意を促している。

 同省は2年前に隊員向けの「メンタルヘルスケアガイドブック」を初めて作成。「こころの問題は現場の士気や団結力に悪影響を及ぼす可能性がある」として、対策を最重要課題の一つとする。南スーダンPKOでも、互いに思い出を語り合ったり緊張を和らげたりする取り組みや、医官らによるカウンセリングが行われてきた。

 隊員の心のケアを支援する民間組織「海外派遣自衛官と家族の健康を考える会」もできた。共同代表で精神科の蟻塚亮二医師は「夜中に何度も起きたり、店のレジに並んでじっとしていられなかったりするなどの症状があったら相談してほしい」と話す。【町田徳丈】

全隊員7~10%うつ傾向

 自衛隊員のメンタルヘルス(心の健康)を巡り、全隊員の約1割が心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつを抱えているとみられることが防衛省の調査で分かった。南スーダンから帰国する隊員も強いストレスを受けているとみられ、専門家はケアの重要性を強調している。

 毎日新聞の取材で、同省が2013~15年度の各年度に実施した全隊員へのアンケートの結果が判明した。うつ傾向の隊員は13年度2万1223人(回答者の10・0%)で、その後減少するが15年度も1万3684人(同7・1%)に達している。PTSD傾向の隊員は13年度1976人、15年度も1013人で、隊員の心の病の実態が初めて浮かんだ。

 アンケートでは遺体に接した経験の有無や人間関係を尋ね、症状が重い場合は精神科の受診を促される。受診対象者は各年500人前後で推移する。

 同省は「うつは自衛隊で特に割合が高いとは言えず、PTSDも海外派遣で顕著な傾向はない」とする。だが、軍隊の精神的ケアに詳しい福浦厚子・滋賀大教授(文化人類学)は「自衛隊は心身の強さに最大の価値を置く特殊な世界。心の悩みを書くことで不利益を心配する隊員もいるだろう。ケア充実には本当のことを話せる仕組みが必要だ」と話す。



Posted by いざぁりん  at 00:59