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学校備品は、税金によって購入されなくてはなりません。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150702-00075218-toyo-soci
(以下は、コピーです)

子どもがいる人は、誰もがかかわることになるPTA(Parent-Teacher Association)。学校と保護者、地域との橋渡し役を期待されるこの組織には、さまざまな謎や問題が付きまといます。いったいPTAとどうかかわるべきか? 『PTAをけっこうラクにたのしくする本』の著者・大塚玲子が迫ります。■ 30年前と同じアナログなシステム

【詳細画像または表】

 連載名のとおり、PTAというのはまさに“善意が生んだナゾの活動”だと思うのですが、その代表選手とも言えるのが「ベルマーク」です。「PTA活動のなかで不要なものは何だと思いますか?」と経験者に尋ねたとき、最もよく挙げられるもののひとつでもあります。

 「えっ、ベルマークって子どものころ学校でやっていた、あのベルマーク?  まだやってるの!?」と驚いた方も多いのでは。

 ええ、そうなのです。昔と比べると参加校はだいぶ減ってきましたが、今でも少なからぬPTAでベルマーク活動は続いています。

 しかもやり方は、皆さんの子ども時代からほぼ変わっていません。

 商品パッケージに印刷されたベルマークを集めて送ると、点数分(1点=1円)の備品を学校に寄贈できるという、非常に昭和でアナログなシステムです。その仕組みに、母親たちからは“悲鳴”が上がっています。
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 「ベルマークの仕分け作業のため、平日の日中に召集がかかるんです。『絶対休んじゃダメ』と言われるから、その都度、仕事を休んで参加しています。1円にも満たないマークもあるんですよ。そんなものを切り貼りするために、有給使うんですよ?  『倍のお金を寄付するから勘弁して!』って、心の底から思います」

 「30人で半日作業して、たった数千円分ですから、かかる手間に対して成果が小さすぎますよね。前もって日にちがわかっていればパートの日はずらしておけますけど、『この時間にもっと稼げるよ』って思う……」

 「やり方が古すぎます。一刻も早くなくしてほしい!」

 なお、ベルマーク活動を担っているのは99%が母親です。これまで筆者が取材した中で、活動に参加したことがある男性はひとりだけでした。

 ほかのPTA活動も実作業を担うのは母親が多いですが、中でも最も母親率が高いかもしれません。ベルマーク活動は、父親も母親も「男がするようなことではない」と考える人が多いようです。

■ 自校の備品を買うと、自動的に寄付もできる

 そもそもベルマークというのは、どんな目的で、どのように始まったものなのでしょう?  ベルマーク教育助成財団・広報の小菅幸一さんに聞きました。

 「ベルマーク運動が始まったのは、1960年です。その数年前(1957年)に、へき地校に勤務する先生たちが朝日新聞に対して、戦後十数年が経っても教育環境が整わないことについて、アピール文を寄せたことがきっかけとなりました。

 そこで朝日新聞が“継続的にへき地校を支援できる形”を検討した結果、『自校のために備品を購入すると、自動的にへき地の学校に寄付できる』というやり方を生み出したのです。

 たとえばベルマークで溜めた点数で1000円の商品を購入すると、900円は協力会社(ベルマークで買える商品を提供している会社)に支払われ、残り100円は自動的に財団に寄付されます。財団がこのお金を、へき地校などに寄付するのです。

 当初、支援対象はへき地校だけでしたが、今では養護学校や盲学校などの特別支援学校や、被災した学校などにも寄付を行っています」

なるほど、「困っている学校に寄付しましょう」というだけでなく、「自分の学校の設備を整えましょう」というだけでもなく、その両方を一度に実現する形にしたのが、なんともうまいところです。

 ただの寄付であれば、単発や短期間で終わってしまいがちなところ、「自校の備品を買える」仕組みとセットにしたことによって、継続的な支援を可能にしたわけです。

 厳密に言えば、義務教育にかかわる費用は公費で負担するのが原則ですから、PTAがベルマークで学校に備品を寄贈するのは法的に微妙なところもあるのですが、そこをいったん脇に置けば、けっして悪いものではないでしょう。

■ 人件費がタダだから? 煩雑な作業もそのまま温存

 さて、ではなぜ母親たちは、このように意義深いベルマーク活動を、そんなに嫌がるのでしょう?  何がどう、よろしくないのか? 

 問題は「要求される作業のハンパない煩雑さ」にあります。ここで、ベルマーク活動の「詳細な作業手順」を説明しておきましょう。

①PTA会員、またはベルマーク係(委員)が、各家庭で商品パッケージに印刷されたベルマークを切り取り、学校に持参。校内に設置された回収箱に入れていきます。(ここまではいいのです。子どもでもできます。問題はこの先です)。
②回収されたベルマークを係(委員)が手分けして、会社ごとに分類します。協賛企業は全部で約60社。ベルマークは1~2センチ四方の小さなものが多いですから、大変細かい作業となります。
③これをさらに、点数ごとに分類します。たとえばマヨネーズでおなじみのキューピーの場合、0.5~70点までさまざまな点数があります。ちなみにベルマークが付いた商品は、全社合計で約2000種あるそうです。
④次に、会社&点数ごとに分類されたベルマークを、数えやすいようキリのいい枚数でまとめていきます。よくあるのは切り取ったマークを一列に並べ、セロテープで台紙(裏紙など)に貼りつけるというやり方です。
⑤台紙に貼ったベルマークを「会社ごとの専用の袋」にまとめて入れ、財団に郵送します。このとき、各点数の枚数や合計点数を計算して、所定の記入欄に書き込みます。なお、この「会社ごとの専用の袋」は財団から取り寄せる必要があります(他社の袋を流用することは厳禁)。

 こういった煩雑な仕分け&集計の作業(上記②~⑤)を、ベルマーク係(委員)のお母さんたちが担っているわけです。

さらに添えておくと、これらの作業効率はベルマークが印刷された「パッケージの素材」によっても大きく左右されます。丸まりやすい素材や、カーブした素材は、大変扱いづらいのです。

 とくに、薄い素材のものは風で飛んでしまうので注意が必要です。軽い鼻息でさえ、たちまち散らばってしまいます。そのためベルマーク係のお母さんたちは、マスクをつけて作業にあたることもあります。

 「夏の暑い時期に集計作業をやっていたんですけれど、たまたまそのときはPTAの部屋のクーラーが壊れていたんです。でも窓は開けられないし、扇風機も使えないから、みんなものすごく暑そうで……」(てぃーこさん)

 会社の仕事であれば、こんなことをしていたら人件費がかかりすぎますから、とっくの昔にやり方が見直されていたはずですが、なにせベルマークは「ボランティア」です。“お母さんの無償労働”に頼っていれば、誰も痛くもかゆくもありません。そのため、このような煩雑なシステムが温存されてきたのです。

■ 悲鳴が上がっても続いてきたのはなぜなのか

 母親たちがなぜベルマーク活動に悲鳴を上げるのか、これでご理解いただけたかと思います。いくら意義のある活動とはいえ、これはさすがに“費用対効果”が悪すぎるのではないでしょうか。

 いまは忙しい保護者が増えていますし、Webで管理できるポイントサービスが全盛の時代です。このやり方はあまりにも非効率に感じられます。

 「お金を払うから免除してほしい」「ベルマーク活動をなくしてほしい」という声が上がるのは当然ではないでしょうか。

 ところがどっこい、ベルマーク活動はなかなか変わりません。なぜなのでしょう?  続きは次回の記事でお伝えします。



Posted by いざぁりん  at 23:10