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アベノミクスの現実です。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151231-00000002-sasahi-soci
(以下は、コピーです)
 年の瀬も押し迫り、2015年も残すところ、あと1日となった。そんな大みそかの今日も厳しい生活を余儀なくされている大阪市西成区「あいりん地区」の様子を現地からレポートする。

 JR・南海各線「新今宮」駅西口出てすぐ、労働者たちが集う「あいりん労働福祉センター」横の路地を歩くこと約3分。路上に敷かれたビニールシートの上にコンビニ弁当や食パン、季節外れのクリスマスケーキがたくさん並べられている。

――弁当の路上販売ですか? おいくらで売ってるんですか?

 記者がこう問いかけると周囲にいた数人の労働者たちの殺気立った目が光った。そして、すぐさま彼らに取り囲まれた。

 コンビニ弁当が山のように積まれた軽トラック横にいた店主らしき男性は、彼らを制しながら、優しさのなかにも鋭さを併せ持つ口調でこう話してくれた。

「マスコミの人か? この現状を皆さんによう伝えてや。これはなコンビニで賞味期限が切れた商品を売ってるんや。弁当は1個100円や。サービスでコンビニのオニギリ、5個つけてる。ほんまならもう廃棄されている品や。それで命を繋いでいる人がここにいる人たちなんや」

 その時、ほとんど歯の欠けた70代くらいと思しき労働者が大声で記者に、「俺なんか、このカップめん20円で買うたんや! 2日飯食うとらんど」と叫びながら酒臭い息を漂させながら近寄って来る。

 これを店主が、「黙っとけ、お前。大事な話してるんや。記者さんにこそ聞いてもらわなあかん。お前らのためや!」と制する。

「ほんまはこういう路上販売は食品衛生法違反なのよ。俺かてほとんど儲けはあらへん。半分、ボランティアや。何度も警察から注意された。まあ、もし起訴されて裁判になっても、裁判官もアホやない。社会の現実はわかってはる。それなりの配慮はしてくれるやろ」

 店主がこう話している間も何人かの労働者がやって来た。賞味期限が過ぎた1個100円の弁当を70円に値切る者、とうに賞味期限が切れているケーキを200円にしてほしいと頼み込むする者もいた。

――仕入れはご主人がなさってるんですか? 賞味期限切れの商品を買い取られているんですか?

「ううん。ホームレスからの仕入れや。コンビニで廃棄された品を引き取ることを生業としてる奴やな。それを1個5円から10円で買い取ってここで売るのよ。西成界隈のコンビニではちょっと難しいから、大阪郊外を根城とするホームレスの仕事やな」

 トラックをみると大手コンビニエンスストアの堺市内の店舗名が記載された段ボールが山積みにされていた。店主によると堺市など大阪近郊で仕入れて、ここで販売するのだという。

「ほんまなら正月といえばお節とか、うまいもん食うてるはずやのに。それでもこの弁当が世間さんでいう“お節”という人もいるんや」

 その後、店主と別れ、あいりん地区のメインストリーム、「三角公園」に向かった。すると、住民らしき人約50人が公園内に設置されているテレビを見ている。その様子はまるで高度経済成長期、大勢でテレビをみている人さながらだ。

 三角公園前の路上では、2人組の男性が約20人の警察官に取り囲まれている。そのうちのひとりは、「ギャー、わぁー」と奇声を上げている。傍にいた警察官に何があったのか尋ねてみた。

「あぁ、ここではよくある喧嘩の類です。大勢で来ないとちょっと収拾つかなかったので……」

 平然とこう応える警察官に、長年この町に住みついているのだろうという風が見て取れる50代と思われる男性が声をかける。

「今、東成かどっかで刑事課長しているあいつ元気しとう? 俺、あいつとここでは同期やねん」

「ああ、そうなん? 元気やで。あのひと西成署、長かったね」

「西成署で3年もおったらどこの署でも勤まるやろ?」

「そう言われてますね……」

 まるで住民が警察官を育てているといった物言いだ。警察官に声かけした男性が家路につくという。彼と目が合った記者は、町を案内してもらいながら、彼の住む家までついていくことにした。

 その家は、地元では「センター」と呼ばれる冒頭部で紹介した「あいりん福祉労働福祉センター」近くにある、いわゆる“福祉アパート”だった。敷金・礼金なし。家賃は月額3万9千円。Wi-Fiなどのインターネット設備が完備されている。この町では相場通りの家賃だそうだ。

「もっと安いところやったら月額3万5千円くらいやな。そういうとこはネットの設備がないねん。ドヤ、木賃宿なら1日800円、1週間で4000円のところもあるけどいつも満杯や」

 関西の中堅私大を卒業、法学部だったという彼は、「生活保護を受けて10年以上になる。一度、保護を受けると働く気がなくなった」と自らの心境を吐露した。

 だが、彼のように「帰る場所」や「寝る場所」がある人はいい。行政の庇護に頼らず生活保護を受給することを是とせず、自力で頑張っている人たちは寒空の下で布団や段ボールを敷き野宿を余儀なくされている。夜になると気温は3度くらいにまで冷え込むという。

 自前のストーブを持っていたり、登山用の寝袋がある者はまだ恵まれている。しかし、寒さを凌ぐための段ボールの調達すらできない者は「センター」横で布団を敷くだけだ。

「段ボールの囲いをして寝ていい人、いけない人が暗黙のうちにこの町では決まってるんや。それを知らんかったら布団も服も仕事道具を取られても文句はいえん」

 今年65歳になるという元日雇い労働者のホームレスは、この町のモラルはもちろん法も通用しない善悪を超越した秩序をこう述べた。記者を大阪市職員と勘違いしたこのホームレス男性が語気を荒げた。

「お前ところの市長か。吉村に言うとけ! (元首相の)菅直人は俺らのところまで足を運んでくれたぞ。一度、あいりんに来てみ。なんで60歳超えて野宿して寒いなか“立ちション”せなあかんねん。マンホールをトイレ替わりにする市民の現実を見晒せ!」

 実のところ、あいりん地区では年末年始、トイレの問題が深刻になっている。ホームレスたちが集う「あいりん福祉労働センター」が休みに入っていることから公衆トイレの使用を余儀なくされる。

 だが、公衆トイレは三角公園近くのそれと、公園に設置された3か所しかないという。数多くのホームレスが寝泊まりする同センターから歩いていくには5分から10分程度かかる。そのため、マンホールや公園フェンスの一角をトイレ替わりに使用しているというのだ。

「あのマンホールは“小”用、あっちのマンホールは“大”や。寒いなか、真夜中に尻出しての排せつするんや。70歳超えたおじいちゃんなんかトイレまで持たず失禁することもしばしばやで」

 真夏に記者があいりん地区に訪れた際とは異なり、年末年始のここはアンモニア臭が鼻にこびりつき、何時間たってもそれは取れる気配がない。

 これが厳しい状況にある「あいりん地区」の現状を思い起こさせる。社会全体が機能しない年末年始だからこそ垣間見えた「西成」の現実がそこにはあった。



Posted by いざぁりん  at 14:52