2016年05月04日
(話そかな、:5)話そう、したたかに
こちらです。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12339843.html?rm=150
(以下は、コピーです)
■「みる・きく・はなす」はいま
3月17日、23年間続いたNHKの報道番組「クローズアップ現代」は、最終回で社会の課題に向き合う若者たちを取り上げた。昨夏、安全保障関連法案への反対デモで注目された学生団体SEALDs(シールズ)の奥田愛基(あき)さん(23)も登場した。
その2日後、奥田さんログイン前の続きは京都市での集会で、「NHKは昨年6月から取材していたのに、全然企画が通らなくて」と話した。NHKはデモだけでなく、昨年7月には、大学での日常風景なども撮影していた。
どの番組で放映されるか明確には告げられず、奥田さんは昨年11月、担当者から「放送を目指しているが、企画が通らずごめんなさい」と言われたという。
それがクローズアップ現代に決まったと言われ、3月に改めて撮影。「出演は口外しないで」と念押しもされた。放送が実現し、奥田さんは思った。「現場は頑張ってくれたんだ」
NHKの労働組合に加入する放送職場の職員たちが、昨年9月に開いた緊急集会のチラシにはこうあった。「じつは今、NHKでは安保法案関連の放送が、出しにくい?」
*
番組は4月、「クローズアップ現代+」に衣替えし、初回からキャスターを務めた国谷裕子(くにやひろこ)さん(59)は降板した。
ある現役ディレクターは国谷さんを「相手が誰でも聴くべきことを聴く人」と信頼する。印象に残るのは、2014年に菅義偉官房長官が出演した回。集団的自衛権への道を開いた閣議決定に「歯止めがかかるか、多くの人が心配している」などと繰り返した。
国谷さんの降板について、NHKの板野裕爾(ゆうじ)専務理事(当時)は3月の参院総務委員会で「現場の判断を優先した」と答弁した。
朝日新聞の取材に国谷さんが答えた。昨年12月に契約を更新しないと伝えられ、理由は「番組をリニューアルし、キャスターも一新するためとのことでした」という。「11月末に制作現場はキャスター継続との提案をしており、一緒に番組を制作してきた方々は、替えずにいきたいと、最後まで強く主張したと、あとで耳にしました。それを聞いて、これまで23年間続けてきて本当によかったと思いました」とコメントした。
NHK広報局は放送時期や降板に関する質問に「番組の内容は、報道機関としての自主的な編集権に基づいて、その都度、判断しています」と回答した。
最終回翌日、国谷さんへの「感謝の夕べ」が東京・原宿の中華レストランであり、番組に携わった歴代関係者約300人が集った。
「1日でも長く一緒に仕事を続けたかった」。あいさつが続く中、現役ディレクターは「自分が担うべき責任を、国谷さんに負わせてきたのではないか」と自問し、思った。「責任を果たすため、したたかに番組を作り続けよう」
*
「SEALDs KANSAI(カンサイ)」のメンバーだった女性(24)は2月、中心メンバー用のLINE(ライン)のグループから「脱退」した。街頭に立つこともやめた。
「おじさんにばれたら」と気になった。日頃から世話になっているおじは現政権に肯定的。「波風を立てたくない」と思った。
街頭で「意見を言うことは当たり前」と訴えてきたのに。自己矛盾に陥った。
今春、大学院を修了。久しく会っていない友人に電話をかけ、政治について話すことを始めた。
これまでにも、「お祭り騒ぎしたいだけじゃないの?」などとデモへの偏見を耳にしてきた。思いをわかってもらうには一対一で話すことがもっと必要かも。それは、今の私にもできる。
「街頭で声を上げることと、身近な人と話すことは、私にとって同じ」。これからも自分の考えを言葉にしたい、と思っている。=おわり
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12339843.html?rm=150
(以下は、コピーです)
■「みる・きく・はなす」はいま
3月17日、23年間続いたNHKの報道番組「クローズアップ現代」は、最終回で社会の課題に向き合う若者たちを取り上げた。昨夏、安全保障関連法案への反対デモで注目された学生団体SEALDs(シールズ)の奥田愛基(あき)さん(23)も登場した。
その2日後、奥田さんログイン前の続きは京都市での集会で、「NHKは昨年6月から取材していたのに、全然企画が通らなくて」と話した。NHKはデモだけでなく、昨年7月には、大学での日常風景なども撮影していた。
どの番組で放映されるか明確には告げられず、奥田さんは昨年11月、担当者から「放送を目指しているが、企画が通らずごめんなさい」と言われたという。
それがクローズアップ現代に決まったと言われ、3月に改めて撮影。「出演は口外しないで」と念押しもされた。放送が実現し、奥田さんは思った。「現場は頑張ってくれたんだ」
NHKの労働組合に加入する放送職場の職員たちが、昨年9月に開いた緊急集会のチラシにはこうあった。「じつは今、NHKでは安保法案関連の放送が、出しにくい?」
*
番組は4月、「クローズアップ現代+」に衣替えし、初回からキャスターを務めた国谷裕子(くにやひろこ)さん(59)は降板した。
ある現役ディレクターは国谷さんを「相手が誰でも聴くべきことを聴く人」と信頼する。印象に残るのは、2014年に菅義偉官房長官が出演した回。集団的自衛権への道を開いた閣議決定に「歯止めがかかるか、多くの人が心配している」などと繰り返した。
国谷さんの降板について、NHKの板野裕爾(ゆうじ)専務理事(当時)は3月の参院総務委員会で「現場の判断を優先した」と答弁した。
朝日新聞の取材に国谷さんが答えた。昨年12月に契約を更新しないと伝えられ、理由は「番組をリニューアルし、キャスターも一新するためとのことでした」という。「11月末に制作現場はキャスター継続との提案をしており、一緒に番組を制作してきた方々は、替えずにいきたいと、最後まで強く主張したと、あとで耳にしました。それを聞いて、これまで23年間続けてきて本当によかったと思いました」とコメントした。
NHK広報局は放送時期や降板に関する質問に「番組の内容は、報道機関としての自主的な編集権に基づいて、その都度、判断しています」と回答した。
最終回翌日、国谷さんへの「感謝の夕べ」が東京・原宿の中華レストランであり、番組に携わった歴代関係者約300人が集った。
「1日でも長く一緒に仕事を続けたかった」。あいさつが続く中、現役ディレクターは「自分が担うべき責任を、国谷さんに負わせてきたのではないか」と自問し、思った。「責任を果たすため、したたかに番組を作り続けよう」
*
「SEALDs KANSAI(カンサイ)」のメンバーだった女性(24)は2月、中心メンバー用のLINE(ライン)のグループから「脱退」した。街頭に立つこともやめた。
「おじさんにばれたら」と気になった。日頃から世話になっているおじは現政権に肯定的。「波風を立てたくない」と思った。
街頭で「意見を言うことは当たり前」と訴えてきたのに。自己矛盾に陥った。
今春、大学院を修了。久しく会っていない友人に電話をかけ、政治について話すことを始めた。
これまでにも、「お祭り騒ぎしたいだけじゃないの?」などとデモへの偏見を耳にしてきた。思いをわかってもらうには一対一で話すことがもっと必要かも。それは、今の私にもできる。
「街頭で声を上げることと、身近な人と話すことは、私にとって同じ」。これからも自分の考えを言葉にしたい、と思っている。=おわり
Posted by いざぁりん
at 00:26