京つう

イベント  |伏見区

新規登録ログインヘルプ



こちらです。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=4076114&media_id=173
(以下は、コピーです)
 10日投開票の参院選。最大の焦点は憲法改正の国会発議に必要な3分の2の勢力が改憲勢力で形成されるかどうかだ。低投票率でもし改憲への引き金が引かれたら──。

 参院選公示を控えた6月19日。東京・JR吉祥寺駅前で安倍晋三首相が街頭演説に立つと、聴衆の間から「帰れ」コールがわき起こった。動画はネットにアップされ、SNSで瞬く間に拡散し、話題になった。

 地元・武蔵野市の民進党系の市議は、これを「新たな動き」と受け止めた。

「東京選挙区の民進党公認候補の街頭演説にも、『野党共闘』のプラカードを持って参集してくれました。見知った顔はなく、今までにない動きです」

 とはいえ、こうした反政権の「運動」はその後、目立たなくなった。選挙中盤の今、「どこで、どう動いているのかわからない」(同市議)状況だという。

●昨夏のうねりはどこへ

 報道各社の調査で「自民優勢」が伝えられている。特に注目されるのは自民、公明、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党を合わせた「改憲4党」が、非改選の議席を含め、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席をうかがう情勢にあることだろう。

「一体どうしたんだと思うくらいに、中間層の人たちがどう考えているのかが見えない」(同)

 街頭では参院選後の改憲の可能性に力点を置いて訴えているが、有権者の反応は鈍い。昨年夏の安全保障関連法制に対する批判の高まりや、東京電力福島第一原発事故後の脱原発のうねりも勢いを感じられない。民進党国会議員の街頭演説でも、長く立ち止まって聞いてくれる人は少ないというが、その理由は「身内」ともいえるこの市議も承知している。

「アベノミクスを批判し、分厚い中間層をつくるのはいいけど、じゃあどうやってつくるのという話。批判ばかりでは夢を描けないのです」

 民進党系市議は、苦笑交じりにこう語る。

「政権批判だけなら共産党のほうがうまいんです。民進党の立場で言うと、本当の敵は(共闘を組む)共産党かもしれない」

 朝日新聞社が6月22、23の両日、全国の有権者を対象にした調査や取材で得た情勢分析によると、民進、共産などの野党4党が全国32の1人区全てに統一候補を立てたことで、自民候補と互角以上に戦う選挙区も少なくない。だが、改選議席では「自公は過半数(61)を上回る勢い」で、「自民1強」を打ち崩すまでには至っていない。

●伸び悩む民進党

「暗澹たる気分ですよ」

 2009年の民主党政権誕生に尽力し、参院選の野党共闘確立にも奔走した法政大学の山口二郎教授の嘆きは一層深い。

「安保関連法可決の際、安倍政権はおかしいと思った人たちは今、何を考えているのか」

 民主、維新両党が合流し、民進党が発足したのは今年3月。参院選を見据え、世論に「刷新」イメージを浸透させる狙いもあった。だが、民進党発足後も政党支持率は伸び悩んだままだ。

 一方で、安倍政権も個別の政策に関しては有権者の評価が高いとは言えない。

 先の朝日新聞情勢調査と同時に行われた世論調査で、安倍首相の経済政策について尋ねると、「成功している」は4%、「どちらかといえば成功している」は42%で計46%。「失敗している」は12%、「どちらかといえば失敗している」34%の計46%と拮抗。また、安倍政権のもとで憲法改正を実現することへの賛否を尋ねたところ、賛成は31%で、反対の48%が上回った。

「政策争点のアンケートと投票行動は完全に切り離されています。今までの投票行動のパターンでは説明がつきません」(同)

 イギリスのEU離脱を問う国民投票について、「とにかく現状を変えたいという漠然とした思いの反映で、大阪の橋下現象と似た現象が国家レベルで起きた」と分析する山口教授。今の日本はむしろ逆で、安倍政権支持は「変えたくない意思」の反映だと見る。しかし、「3分の2を確保すれば憲法を変えてくるのは確実なわけで、そのことが有権者の間でまだ現実的な危機感にはなっていない」(同)のが問題だと捉えている。

●公明党内部の変質

 苦悩する民進党とは対照的なのが公明党だ。

「野党連合は脅威を感じさせない」。党幹部はその理由をこう述べる。

「共産党には勢いを感じるが、それ以外の党はまとまりがなく、運動もばらばらです」

「学会員はフル稼働しています」と喜ぶのは九州の創価学会幹部だ。公明党は九州で唯一、福岡選挙区に公認候補を擁立した。震災後間もない熊本や、離島からも福岡に相当の応援が入り、手応えを感じているという。

「自公協力は信頼関係が構築され、成熟期に入っています。官邸主導と草の根の学会員がかみ合った選挙運動は力強い」

 そう語る公明党幹部に、憲法が争点にならない理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「切羽詰まった問題とは認識されていません。憲法よりも暮らし、経済でしょう。そうなると『安定』が物を言うのです」

 一方、比較政治学が専門の成蹊大学の高安健将教授はこう警鐘を鳴らす。

「政治家や政党を選ぶときに、どういうパッケージで政治が動くのかを意識しなければいけません」

 アベノミクスへの肯定的な評価を基準に候補者や政党を選ぶと、憲法改正もパッケージとしてついてくる可能性に留意せよ、というわけだ。

 高安教授は、改憲勢力が国会で3分の2を確保すれば、憲法改正の動きはゆっくりかもしれないが、確実に出てくると指摘した上で、違和感を唱える。

「憲法改正の議論は本来、社会が抱える問題の解決や処理のために不可欠だと判断されたときに起きるものです。しかし、現行憲法の何が問題なのか、どの条文を変えるのかはこれから考えましょう、というのは不思議な議論だ」

 公明党も改憲には消極的だ。

「うちはあくまでも加憲の立場。改憲は困ります」(党幹部)

 集団的自衛権の行使容認をめぐる憲法解釈変更に際しては、公明党内部でも賛否が分かれた。

「集団的自衛権は憲法解釈の問題でしたが、条文変更となると次元が全く違う。もしそういう議論になれば党の根幹や存立にかかわる話になります」(同)

 だが、高安教授は懐疑的だ。

「改憲を提起する場合、安保法制のときのように自公で先に案を整理する可能性が高いですが、公明は9条を含む改憲の歯止め役として期待できるかどうか。自公政権が長く続く中で公明党内部も相当変質しています」

●低投票率で改憲の道?

 今回の参院選から、国政選挙では初めて18歳以上が投票できるようになる。

 安全保障、金融緩和、財政赤字、原発、年金、いずれも政権や世代をまたぐ長期の問題だ。アベノミクスに伴う日本銀行による大量の国債買い取りも、将来に連なる大きなリスクをはらんでいる。

「ロングタームの影響が大きいテーマに絞っても、これから長くつき合わないといけない若者は投票に参加する意義がある」と高安教授は強調するが、気になるのは投票率の低さだ。テレビ、特にワイドショーが参院選を扱わないのが目につくという。

「今が国政選挙の期間中なのかという感じすらします。メディアには、有権者が何を選択しようとしているのか、あるいはこれまで何を結果的に選択してきたのかについて、論点を整理し、討論の舞台を提供するという役割をもっと果たしてほしい」

 前出の山口教授はこう訴える。

「投票率が50%を切るような国政選挙で憲法改正の引き金を引くことになれば、日本の民主政治は終わりです。何はともあれ、投票に行ってもらいたい」



Posted by いざぁりん  at 09:35