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アベノミクスの現実です。
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20161115/biz/00m/010/019000c
(以下は、コピーです)
 団塊世代(1947~49年生まれ)が75歳以降の後期高齢者となる2025年が、9年後に迫っています。

 医療費と社会保障費の爆発的な増加と、医療・介護環境の逼迫(ひっぱく)が予想されています。この状況を「2025年問題」と呼びます。今回は、現在の若者世代の貧困が、2025年問題と後期高齢者に暗い影を落とす状況をお伝えします。

高齢世代と若者世代の依存関係が破綻する?

 厚生労働省の資料「社会保障制度改革の全体像」によると、日本の現在の社会保障給付費は115.2兆円(2014年度予算ベース)。内訳は年金56兆円▽医療費37兆円▽福祉その他22.2兆円--。対国内総生産(GDP)比は23%です。財源割合は、保険料64.1兆円(うち被保険者拠出34.4兆円、事業主拠出29.7兆円)▽国税31.1兆円▽地方税11.9兆円--です。

社会保障給付費の内訳とその財源

 社会保障給付費は、後期高齢者の増加に伴って25年には148.9兆円までふくらむと予想されています。今のままの税率と社会保障システムで、膨大な給付を現役世代が背負えるのかどうか、はなはだ疑問です。

 日本は20年ほど前に非正規雇用を増やし始めました。雇用破壊の影響を最初に受けた「ロスジェネ」(ロスト・ジェネレーション)世代が40代になり、膨大な数の低賃金労働者が後に続いてます。

 彼らは実家に住んだり、仕送りをもらったりして団塊世代の親に依存しています。しかし、親が後期高齢者となって医療や介護の出費が増えても、子供たちはそれをまかなえない可能性があります。お互いにもたれ合ってきた関係が、いよいよ崩れる時期が来るのです。

面倒を見切れなくなった家族が高齢者を捨てる日

 埼玉県深谷市で2015年11月、認知症の81歳の母と、病気で働けなくなった74歳の父の自殺を手助けしたとして、三女(47)が殺人と自殺ほう助の罪に問われる事件がありました。

 三女は高校を中退し、その後仕事に就いたものの退職。事件当時は無職で、家族は父親の月収18万円の新聞配達で暮らしていました。三女は母親の介護を13年間も続けていました。

 ところが、父親が頸椎(けいつい)の病気で働けなくなり、退職。一家は事件の4日前に生活保護を申請したものの、将来を悲観し、「心中しよう」という父の提案に同意して、3人が車ごと利根川の流れに入っていきました。三女は生き残り、裁判所で懲役4年の判決を受けました。

 一家心中は究極の手段ですが、そこまでいかなくても同様の事例は多く発生しています。「うば捨て」です。私たちのNPOはこれまで、捨てられたおじいちゃん、おばあちゃんを何人も保護してきました。

 ある日、数日前まで誰かの介護を受けていたと思われる認知症の高齢男性が公園で見つかりました。私たちは「山田太郎さん」と仮の名前を付けて保護し、施設に引き継ぎました。

 川崎市で見つかった男性には「川崎一郎さん」と名付けましたが、発見場所は病院の前でした。2人とも置き去りにされたのでしょう。介護してきた家族が、とうとう高齢者を背負い切れなくなり、最終手段に出たのです。

老人ポストがあちこちにできる社会

 介護保険は社会で高齢者を介護する仕組みです。しかし、本人が施設に入るのを嫌がったり、家族に面倒をもてもらいたがったりして、今も介護を背負い込む家族はたくさんいます。

 そこで経済的、精神的に追い詰められたら、高齢者を捨てざるを得ません。逆に捨てないと家族が成り立たない。事態はそこまで危機的です。私たちは、「高齢者を捨てるなら合理的に捨ててください。路上に放置しないでください」と言っています。私たちのNPOに連れて来てくれれば絶対に保護して、必要な支援をします。

 先日も、50代女性が相談に来ました。両親の介護のために離職し、2人の面倒を見ていましたが、母親は亡くなり、今も認知症の父親(88)の世話に追われ、精神的におかしくなりかけていました。

 父親は、排せつや入浴などほとんどを1人でできない要介護度4。娘の介護しか受けないと言い張り、施設に入るのを拒んでいました。認知症が進んで暴力的にもなり、妻と間違えてお尻を触られたりして、女性は精神的にも経済的にも追い詰められていました。

 「父親を公園に捨てたい、もしかしたら刺しちゃうかもしれない。もう無理なんです」と涙声で話し、「本当にこれまでよくやってきましたね」と声をかけると、大泣きしました。よほどつらかったのだと思います。

 私たちが手続きをして、父親を特別養護老人ホームに入居させ、女性は今、うつの治療を受けています。もし第三者の介入がなければ、心中事件になったかもしれません。

 今でさえ、高齢者の18%は貧困状態で、16.8%は貯蓄ゼロ世帯です。高齢者と若者世代が共倒れしかねない社会が始まろうとしている今、お互いを支え合う新たな仕組みを作らないと、あちこちに「老人ポスト」が作られることになるでしょう。



Posted by いざぁりん  at 00:37