京つう

イベント  |伏見区

新規登録ログインヘルプ



こちらです。
http://diamond.jp/articles/-/72533?page=5
(以下は、コピーです)
岸見 ぼくと子どもの関係がよくなったのを見て、すぐに同じような感性でアドラー心理学を理解してくれました。

片桐 すごい! すてきな話だなあ。うちのかみさんは、ぼく以上に悩んでると思います。よく、「あなたもちゃんと怒って」って言われますし。でも、ただでさえ長男は怒られすぎて、ちょっと家で萎縮してるんじゃないかと思うくらいなんです。だからあんまりぼくは怒りたくないんですけど……。

岸見 叱るって、即効性はあるんです。注意すれば、問題行動をいったんやめるでしょう。でも、しばらくするとまた同じことをして、また叱ることになるんです。で、叱っているほうはどんどん、「もうちょっときつく叱れば改心するんじゃないか」と諦めがつかなくなるんですよ。

片桐 うわー、まさにそうです。

岸見 でも、同じことを繰り返すってことは、叱るという行為に有効性はないのです。であれば1回違うやり方をしてみよう、という勇気を持てるかどうかが、アドラー心理学を学ぶかどうかの違いだと思います。

片桐 叱らないからといって、「放任」するのではなく、子どもが何をしているのか知った上で、見守る。本人のやりたいことに対しては、いつでも援助する用意があることを伝える。

岸見 その通りです。

片桐 わかってはいるんだけれど……(笑)。ああ、『嫌われる勇気』、かみさんにも読んでほしいなあ。

岸見 「この頃、なんだか夫と子どもの関係が良くなっている」という実感があれば、奥様も読もうと思われるのではないでしょうか。片桐さん自身の子どもに対する態度がまったく変わらない状態で薦めても、むしろ逆効果だと思いますよ(笑)。

片桐 そ、そうですよね。でも、ぼくひとりが変わってもなあ……。

岸見 家族のなかでひとりが変わると、その家族全体が変わります。おそらく、子どもたちのほうが先に父親から学ぶでしょう。『嫌われる勇気』のなかでは、家族ひとりが変わると全体が変わる例として、強権的だったぼくの父の話が出てきます。

古賀 晩年、介護が必要になったお父様が、「ありがとう」とおっしゃった話ですよね。

岸見 はい、ぼくはそれまで一度も父が人に「ありがとう」と言うのを聞いたことがなかったので、心底驚きました。ある国に、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」ということわざがあります。ぼくは介護を通じて父を水辺に連れて行こうとした。そして最終的に、父は自分の意志で水を飲んでくれた。あの「ありがとう」は、忘れられません。




Posted by いざぁりん  at 02:11