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こちらです。
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(以下は、コピーです)
「森友学園問題」を巡り、23日に日本中が注目する中で行われた籠池理事長の証人喚問。同日掲載の速報ライブ記事「籠池理事長、証人喚問で昭恵夫人からの寄付や政治的関与に言及」でも既報の通り、籠池氏側と安倍首相夫妻との主張が食い違うなど、問題はさらに泥沼化の様相を呈してきました。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは「森友疑惑の淵源は安倍首相と維新の意気投合にあり」とした上で、今回の証人喚問でも籠池氏が「ハシゴを外された」と名指しで批判した松井一郎・大阪府知事や、その府知事がやはり名指しで責任を転嫁したとも取れる発言を行った財務省の「不可解な動き」について詳細に分析し、問題の本質に迫っています。

森友疑惑の淵源は安倍首相と維新の意気投合にあり

2012年2月26日は、森友学園の運命を変えた日といえるかもしれない。

大阪の市立こども文化センター。ステージ上には、その年の12月に総理の座に返り咲くことになる安倍晋三氏と、大阪府知事に就任して間もない松井一郎氏の姿があった。

もう一人の登壇者は、このイベントを主催した一般財団法人「日本教育再生機構」の八木秀次理事長(麗澤大学経済学部教授)だ。

日本教育再生機構は第1次安倍内閣のころに発足、「道徳」の教科化を提言するなど、安倍氏の教育思想を支える団体である。

そのころ、松井・橋下体制の大阪府と大阪市では、教育における政治主導の明確化をめざす教育基本条例の制定にむけて議会の審議が大詰めにさしかかっていた。

司会役の八木氏から、大阪府市の取り組みについて考えを問われた安倍氏は、こう語った。


条例は閉塞状況にあった教育現場に大きな風穴をあけると評価している…日の丸掲揚、君が代斉唱に3回従わず着席をしたままという教師は分限処分の対象となるのは当然。愛国心を培い、日本人としてのアイデンティティーを育てるのは教育が当然やるべきことだ。
•個人の自由とともに規範意識を重んじる
•個人の権利とともに義務を重んじる
•伝統文化を深く理解し、愛国心及び郷土愛に溢れる
•グローバル競争に対応できる─そんな人材の育成をめざす

のが、大阪の教育基本条例だ。こうした理念は日本教育再生機構の次のような考え方と通底している。


かつて、日本の教育は、世界から絶賛される高い水準にありました。日本人一人ひとりの胸にある使命感や道徳心がその教育力を支えていたのです。しかし、今や見る影もありません。

道徳心や教育水準が「見る影もなく」低下しているのであれば、クールジャパンとか言って、日本人や日本文化の美点を世界に触れ回ることもできないだろう。海外からやってくる人々が日本人の礼儀正しさや規律を守る姿勢を賞賛することもあるまい。

ならば、この場合の「かつての日本」とは、戦前のことであろうか。道徳心とは「修身」教育によって養われた精神をさすのだろうか。

つまるところ、ステージ上の三人に共通する考えは、個人の自由や権利を主張するより、愛国心や使命感を持って国のため世界の競争に勝てる人材を養成することこそ教育の主目的だ、ということだろう。

イベントがあったその夜、安倍氏と側近の衛藤晟一氏は松井氏ら大阪維新の会の幹部らと大阪の居酒屋で、共通する教育観を語り合い、大いに意気投合したそうだ。

安倍氏がその後まもなく、橋下徹大阪市長と会い、維新との絆を深めていったのは周知のとおりだ。



実は、この時期、森友学園の籠池泰典理事長は大阪府からの吉報を待っていた。

財務基盤が弱く幼稚園しかない同学園には小学校設置に規制の壁が立ちはだかっていたため、2011年夏、大阪府に規制緩和を申し入れていた。

府は小中学校を設置した実績のある学校法人にしか借入金による小学校新設を認めていなかったのだ。

翌2012年4月、大阪府はこの審査基準を緩和した。森友学園は念願の小学校新設へ向け最初の障壁をクリアしたのだ。

松井一郎府知事は「外から私学にどんどん入ってきてもらうためにハードルの高い部分を見直した」と話すが、そのころ他に具体的な要望事例はなく、森友学園を念頭に置いた規制緩和であったことは間違いない。

森友学園の運営する塚本幼稚園が、戦前の「教育勅語」を園児に暗誦させる愛国教育を進めていることは当時からよく知られていた。

とくに自民党大阪府議団から右派思想の持ち主たちが飛び出し、人気絶頂の橋下徹氏をトップに据えて誕生した「大阪維新の会」にはウケがよかった。

森友学園が小学校建設への決意を固め、審査基準の緩和を大阪府に要望した背後で、維新の府議や、国会議員秘書らが蠢いていたことは容易に想像される。

むろん、維新の親分格である松井知事そのものが、まさに安倍氏の言う「教育現場に大きな風穴をあける」ための実績づくりとして、森友学園の愛国教育に目をつけていたことは確かだろう。

実際、大阪府知事の行動記録を見ると、2014年10月に森友学園が小学校設置認可を申請し、府私立学校審議会で「認可適当」との答申が出る2015年1月までの間、担当の私学大学課職員が頻繁に知事室に出入りし、松井知事と打ち合わせを重ねていたことがわかる。

たとえば森友学園が設置認可を申請した2014年10月だけでも、松井知事が私学大学課の課長らと打ち合わせをしたのは、10月7、8、20、21、22、24日の計6回にもおよぶ。

私学審議会で委員たちから設置認可に否定的な意見が多かったにもかかわらず、実務を担う私学課が無理な理屈を通して「認可適当」に誘導した背景に、松井知事の意思があったと考えるのは自然である。

条件が付きながらも「認可適当」との府の判断を受けて、国有地払下げの是非などを審議する2015年2月10日の国有財産近畿地方審議会でも、数々の疑問点がありながら、「10年間の定期借地、その間に購入」を了承するという、学園側への配慮の行き届いた判断を下したのである。

府の「認可適当」について、松井知事は、財務省からの要請を受けて出したものだという認識を示している。近畿財務局の役人が何度か大阪府庁を訪れて「認可の見込み」を知らせるよう求めていたらしい。

できるだけ国に責任を転嫁したいという松井知事の心理もうかがえるが、なぜか財務省が異様に焦っていたのも事実である。

財務省の役人が地方の役所に足を運ぶのは滅多にないという。そこまでして、森友案件にこだわる財務省を突き動かしたものは何か。

常識的には、安倍首相、あるいは麻生太郎財務相に喜ばれることをして、評価されたいという官僚のサガが働いていたと考えるべきだろう。



森友学園の籠池氏は、かなり前から政治家と付き合ってきた。2008年7月12日、塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしたのは鴻池祥肇参院議員だった。

その案内チラシにはこう書かれていた。


次期総理に最も近いのが麻生太郎氏、その麻生氏に最も近いのが鴻池氏。しかるべき日には党で幹事長、または内閣で文部大臣。かなり可能性がある話だと思います。

ちなみにこの会合には、大阪市議、吹田市議、柏原市議ら大阪府下の地方議員が参加している。

麻生太郎氏は事実、その年の9月に総理大臣となり、鴻池氏は官房副長官に就任した。

国のトップにつながる人脈をつかみ、籠池氏は普通の人々なら持っているはずの、まっとうな感覚を失っていったのだろう。

2015年に小学校の「認可適当」が下りると、資金不足も顧慮せず、自分には大物政治家がついている、支援者も多い、寄付金はたんまり入ってくると錯覚して小学校建設に突き進んだと推察される。

この年の9月5日、安倍昭恵夫人が塚本幼稚園で講演し、新設小学校の名誉校長を引き受けたときは、天下をとったような気分だったのではないだろうか。かりに安倍首相から100万円の寄付があったとしたら、なおさらだ。

それだけに、この国有地払い下げにまつわる疑惑が、NHKやテレビ大阪のローカルニュースや朝日新聞の記事をきっかけに政権を揺るがす大問題に発展し、これまで協力的だった役所はもちろん、頼りにしていた政治家たちがいっせいに無関係を装って遠ざかったことは、籠池氏にとってさぞかしショックだっただろう。

籠池氏のもくろみは、ものの見事に砕け散り、巨額の負債を背負ったまま、小学校開校が見通せなくなった。頼りの寄付金も途絶えた。誰かの働きかけがあったのかどうか、認可申請を取り下げたものの、目下最大の危機である金銭面について救いの手が差しのべられた様子はない。

かつて所属していた日本会議からも嫌がらせメールが届き、孤立無援となった籠池ファミリーは、天敵だったはずの「日本会議の研究」著者、菅野完氏を頼るほかなくなった。昨日の敵は今日の友。人生、わからないものである。

このメルマガが届く23日、籠池氏は証人喚問に呼び出されている。幼稚園児に「安倍首相ガンバレ」とまで言わせて権力者の機嫌をとろうとした自らの愚かさを反省するとともに、都合が悪くなれば知らぬ存ぜぬを通そうとする政治家や官僚の真実の姿を、怒りに任せて、洗いざらいぶちまけてみたらどうだろうか。

塚本幼稚園のような教育を褒め称え、その小学校版を今の日本につくることが教育再生だと信じて疑わなかった国のトップ、大阪府の知事。その思いを汲み取って、特定の学校法人を異常に優遇した役人たち。彼らこそ、この国の根本を蝕む存在なのではないだろうか。



Posted by いざぁりん  at 05:30