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対話で解決しなければなりません。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170516-00051717-gendaibiz-kr
(以下は、コピーです)
フセインも、ビンラディンも、カダフィも、アメリカに「ならず者」と呼ばれた指導者は、すべて無惨な最期を遂げている。この男だけがいまだに無事でいられるのには、知られざる理由があった。

アメリカが金正恩を暗殺しない理由~やる気があるのかできないのか 鍵はトランプの「ビジネスマインド」

父・正日のクビは2億円

 「金正恩の『斬首作戦』実行は、通常の暗殺ミッションに比べてはるかに難しい。他の独裁者とは違うのです」

 こう語るのは、クリントン大統領時代に米CIA長官を務めたジェームズ・ウールジー氏だ。

 祖父・金日成、そして父・金正日は、めったに公の場に出てこなかった。だが金正恩は軍事パレードなど、この4月だけで3回、各国報道陣や市民の前に姿を現している。

 なぜアメリカはなかなか金正恩の「斬首=暗殺」に踏み切らないのだろうか――。

 暗殺のプランだけなら、アメリカはとっくの昔に練り終わっている。トランプ大統領がゴーサインさえ出せば、議会の承認なしでいつでも実行できる状態だ。

 「トランプ政権が、4月上旬に開いたNSC(国家安全保障会議)で示された『有力プラン』は、以下の2つの作戦です。

 一つめは『外科手術』、つまり空爆による暗殺。具体的な手段には、爆撃機による大規模な爆撃、無人機による小規模な爆撃、朝鮮半島近海の戦艦から発射する巡航ミサイルの3種類があります。

 もう一つは、北朝鮮内部の協力者に暗殺させる方法。実はこの方法は、金正日時代に少なくとも数回実行されています」(米政府関係者)

 '04年4月、北朝鮮と中国の国境の街・龍川の駅で突如、大爆発が起きた。半径500mが廃墟と化し、1500人以上が巻き込まれたこの爆発は、明らかにこの駅を通る予定だった金正日専用列車を狙い、「爆殺」を図ったものだった。

 一説には、列車に乗っていたシリア人技術者の中にCIAの協力者がいたといわれる。

 事前に中国政府がテロを察知し、金正日に知らせて列車の通過を8時間早め、予定時刻にダミー列車を走らせたため、金正日は間一髪で死を免れたという。

 一方で刺殺、毒殺など、古典的な方法による北トップの暗殺も、アメリカ政府内では長年にわたって研究されてきた。

 「韓国に亡命してくる脱北者は年間1000人以上いる。その中から政権中枢にコネがある人物を洗い出し、内通者を作らせて実行犯にするのです。

 実際、金正日政権下では朝鮮労働党中堅幹部に200万ドル(約2億2000万円)の報酬を提示して殺害を依頼したのですが、『リスクが大きすぎる』と断られてしまった。もちろん、CIAは彼のほかにもこれまでに複数の候補者と交渉しています」(元脱北者)

 4月29日には、CIAのポンペオ長官が極秘で韓国を訪れ、北朝鮮問題について韓国政府と協議を行った。このときの真の目的こそ、「CIA長官自ら、元高官の脱北者に『斬首作戦』協力を打診するためだった」と、韓国政府関係者の間で噂されている。

核の発射ボタン

 政権の内部対立を利用して、金正恩の首を切る――この方法なら、朴正熙のときの成功体験がある。韓国や日本の被害を抑えるためにも、また中国・ロシアを刺激しないためにも、空爆という「外科手術」はできるだけ避けたい。

 内通者にやらせれば、事が終わった後も、「内部のクーデターだ」と言い張れば済む……

 こうしたさまざまな利点から、アメリカ政府は内通者による「静かなる斬首」作戦を、最も現実的な選択肢と考えているのだ。

 しかし、金正恩はいまや「最強のカード」を手にしている。そう、核ミサイルである。

 〈米国が挑発を仕掛けてくれば、即時にせん滅的攻撃を加え、核戦争には核攻撃戦で応じる〉

 4月15日の軍事パレードでは、金正恩側近の崔竜海・朝鮮労働党副委員長がこう述べた。米軍の空爆に限らず、もし自身の命が脅かされる事態になれば、金正恩はヤケクソで核の発射ボタンに手をかけかねない。まさに核が暗殺防止の「抑止力」となっているのだ。

 北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNKジャパン」編集長の高英起氏はこう話す。

 「アメリカ政府が、本気で金正恩暗殺を実行することはないと思います。

 これまで、核保有国の独裁者が排除された前例はありません。また、金正恩を刺激して、もし核ミサイルが在韓米軍や在日米軍に向かえば、『米軍と国民を核の脅威にさらした』として、政権は猛批判に遭うでしょう。不用意に手は出せません」

 北朝鮮の核が暴発すれば、アメリカ側も核で応戦せざるを得なくなる。金正恩の「斬首」が、全面核戦争の引き金を引くかもしれない――。

 さらに、アメリカの政府内部の意見も決して一枚岩ではない。

 誰よりも金正恩暗殺計画の早期実行を望んでいるのは、CIAだ。トランプ政権発足以来、米軍は予算を9%上乗せされたが、先の大統領選でヒラリー陣営寄りだったCIAは、トランプ大統領から冷遇されている。金正恩を排除するという「大手柄」をあげて、少しでも点数を稼ぎたいという思惑がある。

 一方でトランプ大統領は、表面的には金正恩に対して強硬な発言を繰り返しているが、意外にも「斬首作戦」実行には後ろ向きだという。

 「金正恩ひとりを暗殺するだけなら、トランプ大統領は単独で決断することができます。でも、すぐにはやりたくない。

 なぜなら、今のような緊張状態が続いてくれたほうが、アメリカの軍需産業には旨味があるからです。実際、トランプ大統領は韓国に配備したミサイル迎撃システム『THAAD』の費用10億ドル(1100億円)を負担しろ、と韓国政府にふっかけています。できる限り危機を煽って、韓国や日本に兵器を買ってもらいたい。

 トランプ大統領は根っからのビジネスマン。暗殺してしまうと儲からなくなるし、支持率アップにも利用できなくなる」(前出・米政府関係者)

 アメリカがなかなか決断を下すことができない背景には、トランプ大統領の「ビジネスマインド」も深く絡んでいる。



Posted by いざぁりん  at 03:41