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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170528-00000003-kobenext-l28
(以下は、コピーです)
 手足の筋力が徐々に弱くなる難病を患う酒井恵美さん(30)=兵庫県尼崎市七松町=が27日、「最後」のピアノ演奏会を同市教育・障害福祉センターで開いた。「今日、指が終わってもいいので大切な人たちに聴いてほしい」と懸命に演奏。友人や親しいヘルパーら約30人が、一つ一つの音色に聴き入った。

 力が入りにくい両手親指の付け根をテーピングで固定して臨んだ。「魂を込めて演奏できると思うのでよろしくお願いします」。そう言うと、2秒ほど目を閉じ、ベートーヴェンの「月光の曲」を奏で始めた。

 3歳からピアノを始めた。夢はピアノの先生。しかし武庫川女子大声楽学科で学んでいた21歳の時、ペダルを踏みづらくなっていることに気付き、病院に行った。診断名は「中心核ミオパチー」。歩くことも長時間練習することも難しくなり始め、4年生で大学を辞めた。「プロを目指す子が周囲にいる中で、自分に先がないというのはダメージが大きく、不安だった」

 手は動かせたため、通院先でピアノを演奏し続けた。しかし今年1月、指に違和感を覚えた。「もう弾けなくなる感じがする」。人前で弾くのは怖かったが、勇気を奮い起こして演奏会の開催を決めた。

 この日選んだのは、「カノン」と「花は咲く」を含む3曲。かつては速い技巧的な曲を得意としたが、ゆったりとした曲を選んだ。クラリネットや声楽の友人も加わり、弾ききった。

 演奏後、集まった人たちを前に酒井さんがマイクを握った。「ピアノは体の一部と思っているので、今日で終わると思うと悲しい」

 一方で、弾けなくなり始めてから「初めてというほど楽譜と向き合った」といい、作曲者がどんな風景を見ながら、何を思って曲を作ったのかに迫ることができたという。

 「失うものは大きいけれど、得るものの方が大きい」と話した酒井さん。この日を境にドイツ語を学び、楽譜研究を進める。「音楽とは一生付き合っていきたい」。そう締めくくると、一層大きな拍手が送られた。



Posted by いざぁりん  at 10:25