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選挙ではなく、くじ引き、というのが、素晴らしいです。
報道は、こちらです。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14038413.html?rm=150
(以下は、コピ-です)
 ■民主主義の危機への治療法示す

 「民主主義には二度万歳をしよう。一度目は、多様性を許すからであり、二度目は批判を許すからである。ただし、二度で充分。三度も喝采する必要はない」。こう書いたのはイギリスの作家E・M・フォースターである。この作家にとって、三度の喝采に値するのは、ただ「わが恋人、慕わしログイン前の続きき共和国」のみであった(小野寺健編訳『フォースター評論集』岩波文庫)。

 昨今の民主主義批判にはもはや審美的要素はない。批判は民主主義の根底に突き刺さり、万歳二唱どころかせいぜい一唱、果ては民主主義否定にまで及ぶ勢いなのである。政治家は国民を代表していない、民主主義はまどろっこしく、効率性に欠ける。このような疑念の隙間から、決められる政治、強い指導者への願望が高まっていく。

 政治的指導者は国民を真に代表していないとする「正統性」の危機は、指導者と国民を一体化させるポピュリズムに力を与え、他方の「効率性」の危機は専門家支配、すなわちテクノクラシーの台頭を促す。このような民主主義の根底に関わる疑惑を、本書の著者は「民主主義疲れ症候群」と呼んでいる。

 今日、世界に蔓延(まんえん)する民主主義の危機はどこに淵源(えんげん)を持つのか。政治家の人材払底にか。民主主義それ自体にか。それとも民主主義の一形態である代議制民主主義にか。このように順次問い質(ただ)していった揚げ句、危機の原因は選挙型代議制民主主義にあるとの診断が下される。そしてその根本的な治療法として提案されるのが、抽選と投票による代議制、すなわち二重代議制である。

 これは意表を突く結論である。われわれは民主主義といえば条件反射的に選挙を思い浮かべる。しかし古代ギリシャ以来の民主制の歴史を見れば、抽選による民主主義は決して夢物語ではない。選挙がイメージ操作の対象と化している今日、本書の主張は一考に値するだろう。

 評・間宮陽介(京都大学名誉教授・社会経済学)

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 『選挙制を疑う』 ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック〈著〉 岡崎晴輝、ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク訳法政大学出版局 3672円



Posted by いざぁりん  at 02:42