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その方法が提案されています。
こちらです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20191110-00150295/
(以下は、コピーです)
 実は、スギの可能性が高いのである。なぜなら1700年代の琉球王国では、全土にはげ山が広がり森林資源が危機的状況だったからだ。しかも財政が逼迫していて自力で木材を調達できず、薩摩藩から2万本近い原木を提供されたと伝えられている。薩摩藩の木となると、やはりスギが多かっただろう。もしかしたら屋久杉も混じっていたかもしれない。

 ちなみに琉球王国では木材は最重要資源だった。なぜなら島国であり、中国などとの交易が要であるだけに船が欠かせず、造船には大径木の木材が大量に必要とされたからだ。船には主にリュウキュウマツとイヌマキが使われたようだ。また森林保護のため繰り舟(丸木舟)の新規製造を禁止した記録もある。

 このような歴史を追うと、首里城の再建にスギを使ってもおかしくないことになる。なんならコウヨウザンも使えるかもしれない。こちらは中国に多く植林されており、大径木もあるだろう。日本でも成長が早いからと新たな造林樹種として有望視しているから取り入れても違和感がない。だから首里城復元に今更タイワンヒノキやベイヒを求めるべきではない。

 幸いスギの大径木は、日本国内の人工林にもそれなりに残されている。調達はなんとかなるかもしれない。

ヒノキの無垢材に固執する必要なし

 ただ、日本人は建築にはヒノキという思い込みが強い。しかも無垢信仰が根強く残る。張り合わせて太くした材を好まないのである。しかし、無垢の大径木を求めることが、世界各地の森林を破壊してきたことを自覚すべきだ。

 たとえば江戸時代に再建された東大寺の大仏殿は、世界最大級の木造建築物であるが、使われているのはヒノキだけでなくスギやマツ、ケヤキなどが混ざっており、とくに太い柱は寄木だ。ケヤキを芯にヒノキの板で包んで鉄環で締めている。当時、大径木が手に入らなかったからだが、決して無垢材にこだわったわけではないのだ。現代なら、いっそのこと林野庁イチオシ建材のCLT(直交集成板)を使ったらどうだろう。いくらでも太くできる。

 ただでさえ世界的に大径木材が枯渇して、それらを調達しようとすれば違法伐採を誘発しかねない。たとえば興福寺で使われたアフリカケヤキは、アフリカの原生林を破壊して伐りだされたものだとして、海外から厳しい目を向けられている。

 また国内でも、名古屋城の天守閣復元のために、各地の鎮守の森が伐られている例がある。

 2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されたが、登録は「首里城跡」であり、復元された建物や城壁は世界遺産に含まれていない。「世界遺産だから~」という言い訳も必要ないだろう。

 ちなみに、同じく再建素材の調達が大変とされている漆も、国産を求める意味はない。

国産漆増産は絵空事。江戸時代から日本は漆を輸入していた

 私も数年前に首里城を訪れている。あの荘厳な宮殿を復元・再建すること自体は賛成である。ただ「文化復興のためには森林破壊もやむを得まい」といった暴走はしてほしくない。



Posted by いざぁりん  at 00:48