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「ビミョー」と言う言葉も流行りましたが、それに通じる、断定回避表現の「ほぼほぼ」。
そういう言葉を好むのは、はっきりものを言わない、日本人の特性でもあるのでしょう。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ6Y5G4BJ6YUTIL039.html?rm=570
(以下は、コピーです)

「ほぼほぼ」は、こんな形で使われている

 耳にしたことありませんか、「ほぼほぼ」という言葉。正直、気になります。みなさんは、気になりますか?

 試しに夜のとばりが下りたJR新橋駅前で聞いてみた。待ち合わせ中の会社員男性(27)に声をかけると、「進捗(しんちょく)度でいえば、ほぼは90%で、ほぼほぼは95%かな」と教えてくれた。別の会社員女性(24)は、「よく使います。先日も友達に予定を聞かれ、『その日は、ほぼほぼOKだよ』って」。横にいた友人らもうなずいていた。ただ、女性が「上司にも使います」と言うと、友人らは「それはないない」とそろって驚いた。

 「私はあまり違和感がないですね」と話すのはエフエム岩手放送部の佐々木寿仁さん(37)。昨年10月の開局30周年記念の特別番組に「ほぼほぼ24時間生放送」と銘打った。「放送後、『誤用だ』といったリスナーからのお叱りの声は1件もありません」

 放送1カ月半前の企画会議。番組名を決める際、24時間の番組枠内にはTOKYO FMなど他局番組も含まれていたことから、「24時間」と表現できるかどうかが問題になった。出席者の一人が「実質的には24時間じゃないね」とつぶやくと、ふと出てきたのが「ほぼほぼ」だった。

 佐々木さんは「番組名としてのリズム感がいいし、熱意は24時間分を込めたとのメッセージも面白おかしく伝えられた」と話す。

 そもそも、いつごろから使われ始めたのか。

 国語辞典編纂(へんさん)者の飯間浩明さん(48)が初めて耳にしたのは2013年7月のある対談時。気になって新聞や雑誌などを調べると、インターネットのブログで1999年8月に登場したのが「最古の例」として確認できたという。

 ツイッターでも続々と見つかったことなどを受け、編集委員を務めた「三省堂国語辞典第7版」(13年12月出版)で、「ほぼ」の注釈に「俗に、重ねて使う」と初めて付け加えた。

 飯間さんは、ある言葉が流通したかどうかは、①多くの人が使い、誤解を生むおそれが少ない②相手に失礼でない③一見不合理でも、意味や文法、音韻から何らかの説明が可能――との3条件が備わっていれば十分だと考える。

 「ほぼほぼ」については「仲間内や仕事仲間、親しい取引先なら抵触しない。公の儀式や新聞などで使うと、この言葉を嫌う人に触れる可能性があるので、②に抵触する」と話す。

 そもそも、日本語としてはごく当たり前の強調表現といい、島崎藤村が「破戒」で「今々其処へ出て行きなすった」と「今」を強調したり、源氏物語で「いといと恥づかしきに」と「いと」を重ねたりする例があるという。「ほぼほぼはまだ新参者。公に使いにくいのはやむを得ないでしょう」。10年もすれば一般語と意識する若い人が増えるとみる。

 国語学者の金田一秀穂・杏林大教授(63)は「ほとんどそれに近い、という意味で使われているのでしょう。断言の『きっと』とか『必ず』ではなく、限りなく断言に近いけれど、ほんの少し不確定さを残したい、という表現意図を感じる」と話す。

 「『自分の気持ちをわかってくれるかな』と、相手をすごく意識して発せられた言葉」と分析するのは、立命館大大学院言語教育情報研究科の東照二教授(社会言語学)。日本語には何げなく口にする言葉にも必ず、深い意図が潜んでいると話す。「ほぼほぼ」から見える今とは。「人間関係がますます希薄になる世の中で、相手と適切な距離感を取ろうとして生み出した防具のような言葉。あなたと衝突したくないけど、私のことをわかってもほしい。浮かんでくるのはそんな心模様では」



Posted by いざぁりん  at 01:58