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タンス預金の炙り出しが目的。
ある種の預金封鎖。
報道は、こちらです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/93a1ba043946d863ae5d45d3f2fe68540b98646e
(以下は、コピーです)
「タンス預金で相続対策」7月から困難に?新紙幣発行の“意外な落とし穴”とは
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 50兆円超に上る「タンス預金」。今年7月に行われる1万円札の刷新には、こうしたタンス預金をあぶり出す目的もあるといわれている。旧札でのタンス預金を持ち続けることには、どんなリスクがあるのか。取るべき対策とは。

● 今年7月に迫った「渋沢栄一」新1万円札の発行 「タンス預金」をあぶり出す目的も?

 2024年7月に迫った新紙幣の発行。皆さんご存じの通り、1万円札の肖像画が、福沢諭吉から渋沢栄一に変わります。

 紙幣の刷新自体は約20年おき(1万円札は40年ぶり)にありますが、その主な目的は偽造防止と説明されています。

 しかし、ここ日本ではもう一つ重要な目的があると考えます。それは、「タンス預金」をあぶり出すことです。

 というのも、日本は世界で見ても突出した現金大国。110兆円を超える1万円札が市中に出回っています。そのうち、約半分である50兆円超がタンス預金ともいわれています(第一生命経済研究所のレポートより)。

 お隣の中国や韓国では、キャッシュレス比率が非常に高いことが知られていますが、日本は22年時点で36%程度(経済産業省の試算)。名目GDP(国内総生産)比の通貨流通量も21年時点で約23%と、欧米と比べても突出した高さです。キャッシュレス化が進んでいないことが分かります。

 50兆円ものタンス預金が、子どもや孫に渡るとしたら……国からすれば莫大(ばくだい)な相続税や贈与税の取りっぱぐれという事態になってしまいます。

 財務省が公表したデータによれば、2021年(令和3年)の相続税の平均(負担割合〈相続税÷合計課税価格〉)は13.1%、贈与税は10.8%でした。タンス預金50兆円が子ども・孫の代に渡っていくと仮定すると、少なく見積もって5兆円強の税金を取りっぱぐれる可能性があるわけです。

 相続税の年間税収が2.7兆円(22年)ですので、約2年分の相続税収を取りっぱぐれると考えれば、紙幣の刷新も当然なのかもしれません。

● タンス預金を口座に移そうとして 「怪しい取引」だと疑われることも

 では、7月以降、タンス預金はどうなるのでしょうか。

 実際には、福沢諭吉のお札が使えなくなるわけではありません。

 しかし、多額の旧札を銀行に預金しに窓口に行った場合、「疑わしい取引」としてそもそも受け取ってもらえず入金できないという事態になりかねないことは知っておくべきでしょう。

 分かりやすく言えば、マネーロンダリングなど、出所が怪しいお金だと疑われるということです。

 こうした怪しい取引について、金融機関には金融庁に通報する義務があります。私の銀行時代の感覚で言えば、数百万円程度でも、疑わしい取引に該当する可能性はあります。入金できないということもあり得ます。

 例えば、1000万円のタンス預金を入金しようと思ったとします。札束を持って銀行窓口に行くと、「このお金の源泉はなんですか?」と聞かれるわけです。

● タンス預金をどうすればいい? 投資で「資産を増やして税対策」も

 では、たまってしまった“福沢諭吉”のタンス預金はどうすればよいのでしょうか。

 まず、素直に自分の預金口座に入金するケース。このような場合、入金時に窓口で「この資金の源泉は何か」「給料の蓄積なのか、何かを売却して得た現金なのか」などのチェックを受けた上で、入金となります。

 こうしたお金の出所を尋ねる質問は、金融機関ではKnow Your Customerを略して「KYC」と呼ばれています。顧客の身元を知り、取引履歴を確認することでテロや犯罪行為の防止につなげるための取り組みです。

 よって、1000万円の入金をしようとして源泉などを明確に述べられない場合、入金が断られるということになるのです。「なんで、自分の金が入金できないのか?」と怒る方もいますが、このような背景があるため致し方ない面があります。

 KYCは日本だけではなく、世界的に推し進められています。海外のプライベートバンクなどでは、円預金を紙袋で持っていって、現地のプライベートバンカーに渡すと自分の口座に少しずつ入金してくれる……というようなことも一昔前はありましたが、今はそうもいきません。

 このようなことは当然できませんし、できたとしても、OECD(経済協力開発機構)諸国間の情報交換制度によって多額の預金が海外にあることが税務当局には分かってしまう時代なのです。

 タンス預金を元手に新NISA(少額投資非課税制度)などを始めて、資産を増やしている人もいます。これも、タンス預金の解消としては良い対策といえると思います。

 将来の相続税対策を考えるのも大事ですが、「税金以上に財産を増やす」という方向で対策するのもアリなのではないでしょうか。

● 少額ずつでも要注意 税務署が怪しむポイントは?

 また、一度に大量に渡すと贈与税がかかってしまうから、複数回に分けて数十万円ずつ、子どもや孫の口座にATMでちょこちょこ入金したらよいのでは……?と思う人がいるかもしれません。

 しかし、これは良い方法ではありません。

 その口座保有者や入金した親が5~7年以内に亡くなれば、税務調査によって「ATMから数十万円の謎の入金が何度もあった」という事実はすぐに分かります。

 皆さんが恐れる税務調査は、基本的には名義預金などを洗い出す作業が主です。子どもや孫名義の口座で年齢に見合わない多額の入金があるのは、税務署から怪しまれやすいです。

 特に亡くなる5~7年前の入出金に関しては、亡くなった人(相続人)、その配偶者、子どもや孫などを対象に預金口座の動きがチェックされます。特に10代の若者などの口座に多額の預金がある場合、資金の源泉はどこかという点は、税務調査で注目されるポイントになるでしょう。

 現金の入金のみならず、「亡くなりそうだからこっそりATMで子どもや孫の口座に移しておこう」という理由で親族が、余命宣告などをされた親の口座から毎日多額のお金を出金してタンス預金にしたり、子どもの口座にそのお金を移したりしても、基本的には税務当局にバレると考えてください。

 こうしたお話をすると、「だったら、渋沢栄一に代わってからその新札でタンス預金を始めれば、この先20年は大丈夫ってことでしょ?」と思われる方がいるかもしれません。しかし、それも時間の問題でしょう。

 というのは、今後20年で、日本もほぼキャッシュレスの時代に変わるはずです。同時に、全ての預金口座がマイナンバーにひも付けされる日は近いと思います。

 そうなれば、タンス預金を頑張ってため込んだところで、こっそり贈与された子どもや孫はそれを口座に入金しづらい状態にさらになっていくでしょう。多額のタンス預金は、後々の世代を困らせます。

● コソコソ税対策ではなく 計画的に資産を引き継ごう!

 タンス預金はこれからますます税対策に向かなくなっていきますが、実は一足先に金がそのような状態になっています。

 金を売却するには身分証明が必要となり、税逃れはできません。それと同じ状況、あるいは現金自体がほぼ使われない時代になれば、多額の現金を持っていること自体、相当違和感のある時代になるはずです。

 タンス預金があるならば、自分の口座に入金して生前贈与をコツコツしていったり、新NISAなどの投資で相続税・贈与税以上のリターンを取りに行ったりする方が、よほど建設的なのではないでしょうか。

 賢い富裕層は、数十年という非常に長いスパンで子どもや孫にコツコツ現預金や自社株を移転しています。長期的な目線で贈与を完了し、資産を次世代に引き継いでいるのです。



Posted by いざぁりん  at 00:22