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こちらです。
http://mainichi.jp/articles/20160421/dde/012/100/012000c
(以下は、コピーです)
 熊本地震は14日の「前震」発生から1週間を迎えた。犠牲者の多くは家屋倒壊などによる圧死や窒息死という。地震に見舞われた時、どうすれば自分や家族の命を守れるのか。いつ、どこで、どんな場面で襲われるか分からないからこそ、とっさの身の守り方を知っておきたい。

新耐震建築なら屋内に/地下街では早く地上へ/親は自分のけがに注意

 建物内で揺れを感じた時は、屋内にとどまるべきか、屋外に逃げるべきなのか?

 防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんは「その答えは、建物がいつ建てられたかによって異なります」と指摘する。ポイントは「1981年より前か後か」。81年を境に耐震基準が大きく変わったことをまず押さえよう。

 死者28人を出した78年の宮城県沖地震の後、81年に建築基準法が改正され、新耐震基準(震度6強〜7でも倒壊しない強度)が建築の条件となった。95年の阪神大震災後には、耐震改修を促進する法律も制定された。

 「81年以降の建物や耐震改修工事の済んだ建物であれば、揺れが収まるまで屋内の方が安全。外にいるとかえって落下物などのリスクがあるからです」と渡辺さん。適切な退避行動は、地震発生時の状況や建物の状態などによって異なるが、自宅や仕事先の建物が耐震基準を満たしているかどうかを調べて、行動を考えておくことが大切だ。

 自宅内では「本棚などの家具のないところに身を寄せ、机の下に入る。手や足に傷ができても死にませんが頭は最悪の場合、死に至る。頭を守ることを意識してほしい」。渡辺さんが教えてくれた姿勢は、枕などを頭に乗せて守る際、手首と首の動脈を外側にさらさないで一緒に守る、というもの。「手首と首に太い動脈があるが、この体勢ならガラスや落下物で切ってしまうのを防げます」。激しい揺れに突然襲われて机の下などに移動できなくても、急所を守る体勢だけは取りたい。

 かつては「地震だ、火を消せ」と言われたが、東京消防庁によると「今はまず身の安全の確保を。ガスコンロなどの火を切るのは、揺れが収まってから」。慌てて消火しようとして、やけどをしたり落下物に当たり気絶したりする危険があるからだ。最近の都市ガスでは、地震で供給が自動的に止まるマイコンメーターが設置されている。出火しても1〜2分では燃え広がらず、消火器で火を消せるという。

 一方、耐震基準を満たさない古い建物の場合、渡辺さんは「外に逃げる方がいい」。屋外にいた時も同じだが、幅の広い道路であれば真ん中にいるのを心掛けること。「塀や建物の倒壊、落下物の危険があるからです。狭い道路の場合は、鉄筋コンクリート造りの建物を探して、中に入りましょう」とアドバイスをする。

 でも、その建物は大丈夫?

 「建物に入ったらまず柱を見て。斜め、またはX字に亀裂が入っている場合は、柱が建物の重さに耐え切れず、余震でつぶれる可能性があります」。揺れがひどい時には、建物の中でも外でも頭を守る姿勢でしゃがむのがいいと言う。「人間、しゃがむと落ち着きますからね」と渡辺さん。

 外出時の対応も知りたい。

 地下街にいた場合について、渡辺さんは「地下は地上に比べて揺れは小さいが、決して安全ではありません。迷路のような構造が多く、停電になれば真っ暗闇、火災の怖さもあります。冷静に順番に、しかし、できるだけ早く地上に出ることが大事です」。

 電車では「絶対に勝手に車外に出ないこと。対向車両の危険がある。地下鉄の場合は暗闇で行動するのは危険があります。駅までの距離を把握している乗務員の指示に従うことが大切」と強調する。

 車を運転中ならば「急ブレーキを踏まずに、ゆっくり道路左端に寄せて車を止める。道路中央は緊急車両の通行用に開けておく。落下物や火災の危険がないなら、近くのコインパーキングなどで、事態が落ち着くまで車中にいる方が安全です。ラジオで情報を得られるし、空調も利きますから」。

 東日本大震災後、緊急時に公道をふさぐ放置車両は所有者の同意なしで行政側が強制撤去できるようになった。車を離れる際は、名前▽電話番号▽離れた時間−−をメモに書き、ダッシュボードに置いておけば連絡がもらえる。

 高齢者や子どもがいる場合の対応はどうすればいいのだろう。

 東京消防庁では、高齢者や身体が不自由な人の単身世帯などを対象に、本人の了解を得て自宅を訪問し、「防火防災診断」を実施している。家具の転倒や落下予防、避難経路の確保などについて助言をもらえるので、地元の消防署に相談することも考えたい。

 幼い子どもを抱える家庭はどうか。東日本大震災の経験を生かし、仙台で防災・減災講座を開く防災士、佐藤美嶺さんは「親が一番心すべきは自分がけがをしないこと。特に母親は子どもの命を守ろうとむちゃな行動をしがち。でも自分がけがをしたら子どもを抱えて避難生活を送れません」と語る。

 家の中では、揺れている最中に子どもを大声で呼ばないで、と説く。「おびえた子どもが割れたガラスの上を走ったり、階段から落ちたりしては大変です」。落下物から守るため、イラストのようなポーズで子どもの頭部を守る。「親の動揺は子どもを怖がらせますから、事前にこのポーズを遊び感覚で練習しておきましょう」

 外出時は「余震の中、幼い子どもと長い距離を移動するのは危険です。ベビーカーでは移動が困難になるし、普段なら歩ける子でも混乱する街中では抱っこした方がいい。無理に自宅を目指すより、最寄りの避難所や知人の家に1泊するなど素早い判断が大事です。普段からいざという時のことを家族で話し合っておきましょう」と佐藤さん。

 地震直後のとっさの判断と行動が生死を分けることがある。しっかりと準備しておきたい。



Posted by いざぁりん  at 00:20